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261話 開拓の日々


 ――あれから月日経つ。



 1ヶ月後にはお手伝い用のシェアハウスが完成をした。

 さっそくミツキさんと空間魔法(ゲート)で小人の村に行って、お手伝い30人を希望すると、すぐに集まってくれた。

 他の場所に行くのは抵抗があると思ったが、大丈夫みたいだ。

 まあ、知り合いのところに他の小人が行っていれば安心して手伝ってくれるか。


 村に行き、神社に行って守り神の様子を見に行く。

 会えることができたが、機嫌はいまひとつだ。

 やっぱり完全復活するには難しいか……。


『う~ん、言わないほうがよかったのかな……』


 エフィナも言った後悔はあるが、いずれ言わないといけなかった。

 タイミング的に合っていたかはわからないが、乗り越えてほしい。


 希望者を連れて戻ろうとすると――。


「もう帰るのか!? 今日は泊まるのだ! いや、絶対に泊まるのだ!」


 村長が俺の袖をつかんで引き止めようとする。

 開拓で忙しいからまた今度と言っても離れてくれません……。

 なぜか涙ぐんでいます。


「コラッ、村長! 戻るから離れて! 離れないと日が暮れちゃうよ! ご飯の支度もあるから離れて!」


「いやだ!」


 ミツキさんは村長を無理やり引っ張って離そうとするが、しがみついたままです。

 村長だけのことあってミツキさんの力では離れませんね……。


 みんなは村長を1時間説得して、ようやく離してくれた。

 

「つ、つぎは……ぜ、絶対だぞ……」


 泣き始めました……そんなに泊ませたいのか……。

 ちょっと申し訳ないが、みんなに見送られながら「ゲート」を使って戻った。


 お手伝いも増えて畑や建築の作業が捗る。




 ある問題が発生をした。

 

 銭湯を作るために男湯、女湯と分けて提案したのだが――。


「「「なんで分けるの?」」」


 小人のみんなが首を傾げて疑問に思っています……。

 

 当然、精霊たちは混浴はソウタが欲情してしまう理由で大反対だ。

 精霊はなんとか説得しようと、世間の常識を伝えると――。


「「「みんなと入りたい……」」」


 みんな下を向いて落ち込みました……。

 

『あ~あ、またやっちゃったね~。悲しませちゃダメだよ~』


 そう言うエフィナさんは楽しそうですね。

 結局、小人のつぶらな瞳に負けて精霊は諦めて混浴となった。


 ソウタは拳を握りしめてにやけています。

 ……後でアイシスに一般の人用として湯浴ゆ着を作ってもらおうか。


 さらに1ヶ月後には――。


「「「来たよ!」」」


 村長の娘――ナゴミと十数人の小人が来た。

 まさか自力で来るとは、帰りは「ゲート」で送らないと。


 ナゴミ曰く、気になってしょうがなくて来たらしく、1週間くらいお手伝いをして泊まるとの言うことです。


 こちらとしては大助かりだ。

 せっかく来たのだからみんな作業を中断させて、3日間お休みにさせる。


 疲れたなら休んでいいよとは言ったけど、みんな張り切りすぎて休んでいなかったから、この機会にちょうどいい、息抜きは必要だ。


「それじゃあ、おいしいお肉とお魚を探そう~!」


「「「お~!」」」


 まさかの食材探しですか……。

 まあ、息抜きになるなら止めはしないが。

 

 その後、ナゴミたちはお手伝いをして、あっという間に1週間が経つ。


「みんな、桜が満開になったら帰ってきてね!」


「「「は~い!」」」


 2ヶ月後には桜が満開になるらしい。

 俺も楽しみにしている。そのときは開拓を休みにして10日間ほど、村に泊まるとナゴミ約束をする。 


 リフィリアがナゴミたちを「ゲート」で送り、帰っていった。

 俺が行くと村長につかまれて駄々こねるからお願いした。


 2時間後にリフィリアが戻ってきたが困った様子でした。

 村長に抱きつかれて、俺を呼んでくれと泣いていたらしい。

 「会いたければこっちに来る?」と言ったみたいだが、「村長だからと村を離れない」と拒否したみたいです。

 変に頑固だな……来ないなら我慢してください。



 開拓で忙しいからと女神様に月に一度会う約束は忘れてはいない。


 会うたびにティーナさんとシャーロさんは俺をどちらかの家に住ませるか揉める。

 いつもながら気が早い……当然、エフィナは大爆笑であった。

 まあ、平和でいいか。

 セイクリッドとシノも一緒に来て加護を付与をさせてもらった。

 

 ――さらに1ヶ月後。


 

 みんなのおかげで開拓は進み、ソウタたちとアリシャたちの家ができた。

 次の俺の屋敷を作る話になり、フランカは設計図を書いていた。

 別にフランカの家があるからいらないと言ったが、領主だから立派な屋敷を持たないと尊厳がないぞと言われました。

 ……ごもっともです。


 そして畑も拡大をして、作物は大きな街を賄えるほどになった。

 

 ミツキさんは収穫した野菜を増やした店舗――商都で売り、大繫盛でした。

 土地を貸したお礼にと一部お金をもらいました。


 …………安泰ですな。

 絶対に飢えないと確信しました。


 

 小人も20人とお手伝いが増えるのだが、みんな帰らないで泊まっています。

 誰かしらホームシックになると思ったが、みんな楽しいんでいるから大丈夫みたいだ。


 本当かどうか確認すると、「村と同じだから大丈夫」とのことです。

 それほど、居心地がいいのか。

 

 だけど、桜の花が満開にときは絶対に帰るとは言っている。

 小人にとって桜の花は見ないと春が来ないらしい。

 日本人みたいな考えだな……。


 あと満開まで1ヶ月くらいか。

 楽しみだ。



 

 ――――◇ー◇―◇――――




 ――翌日。



 朝食を食べて、開拓を始めようとすると――。



「みんな大変! 早く来て!」



 ヒナがフランカの家に慌ててくる。

 大変? ヒナについて行くと、小人たちが集まって心配そうに見る。

 そこにはナゴミが傷だらけで倒れていた。

 

 また自力で来たのか、しかも1人で? マズいな、魔力も弱まっている。

 早く手当てをしないと――。


 「ヒール」と「マナチャージ」で回復させる。

 なんとか間に合ったか……少し遅れていたら危なかったかもしれない。


 しかし……ナゴミがケガをするほどの魔物がいたのか?

 今は安静して詳しいことは起きたら聞こう。

次の更新は8月1日です。

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