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260話 温泉を探す


 ――翌日。


 ルチルが温泉を探すと言ったのだが……なんで俺も一緒にやるのだ?

 フランカの手伝い――切った丸太を加工しないといけなかったが、本人は温泉と聞いてそっち優先してくれと言われた。

 まあ、俺も温泉に入りたいのは本音だが。 

 

「よ~し、探すぞ~!」


「探すのはいいが、どうやって? 「アースサーチ」を使っても探せないぞ」


 地魔法「アースサーチ」は罠は探せるけど、温泉は反応しないからな。


「大丈夫! 今作るから待って!」


 今作る? ルチルは結晶――先端が尖った小さなクリスタルを創り、無限収納から紐を出して包み編みにする。

 これって――。


「できた、ペンデュラム!」


「まさかと思うが、ダウジングか?」


「うん! これで温泉を探す!」


 笑顔で返してくるが、ダウジングでもペンデュラムって、占いに使うのイメージだが……温泉を探せないのでは……。


「それじゃあ、出発~!」


 歩きながらペンデュラムの反応を待つ。

 地味なやり方だが、飽き性のルチルに半日持つだろうか。



 ――3時間経過した。



「ムムム……。見つからない……」


 意外に我慢しているな。

 みんなと約束しているから後は引けないか。


「そろそろ、昼飯の時間だし、おにぎりでも食べるか?」


「食べる! 食べたら絶対に探す!」


 本当に探せるのか……。

  

 おにぎりを食べ終えてたら、再開をする。

 

 ――日も暮れて夕方になった。


 まあ、予想はしていた、あるとしても1日で探せるわけないか。


「今日は諦めよう。夕食の時間だし戻ろう」


「もう少しやる! あと30分!」


 食事を優先して諦めるかと思ったが珍しい。

 

『諦めが悪いね~。このままだと温かいご飯が食べられなくなるよ~』


「エフィナの言っていることはわからない! 無限収納があるから関係ない!」


『な……理解に苦しむ……』


 何言っても無駄ですな。

 気が済むまで付き合うか。


 すると、ペンデュラムが縦横に揺れて反応している。


「わ~い! ここに温泉がある! アースコントロール!」


 ルチルは手に当て、地魔法で地面に穴をあける。

 いや、反応はあったが温泉と限られているわけでは――。


「わ~い! 温泉だ~!」


 穴をあけた場所から間欠泉のように熱水が吹き上げる。

 硫黄の匂いもする――温泉と確定しました。


 まさかペンデュラムで反応して1日で探せたのは予想外です……。

 しかも、開拓する街の中心でちょうどいい。


 とりあえず「アースコントロール」で土台だけ作って、いずれは建物を建て銭湯にしよう。


 みんなに報告をすると、フランカと小人たちは大喜びで、温泉に向って入る。


「「「気持ちいい~!」」」


 さすがに人が増えるのなら混浴はマズいよな。

 男湯、女湯に分けよう。


 

 ――――◇ー◇―◇――――



 ――翌日。


 

 昼過ぎ頃にアリシャたちが来た。

 

「遠いのはわかっていたけど……強い魔物が多いわ……」

「やっと着いたぜ……頼む……飲み物がほしい……」

「もうダメかと思った……」

「お腹すいた……」


 4人ともお疲れのようで……話によると、Aランクの魔物――バジリスクやコカトリスを多数遭遇して逃げ回っていたのことです。


 事前に話し合って「ゲート」でお迎えすればよかったな……。

 まあ、無事にこの土地に来られたならいいか。

 

 あっ、魔物の反応がある。

 畑の方だな。


「ハハハハハ! 久々の魔物だ! 我に任せろ!」 


 金槌を持って、建築の手伝いをしていたセイクリッドが畑の方に向かった。

 ここのところ魔物の対処はリフィリアと精霊たちにお願いをして開拓に専念していたからな。

 たまには魔物と戦いたいだろうな。

 だけど――。


「おい、剣を忘れているぞ!」


「我の拳で十分だ! 心配無用だ、ハハハハハ!」


 元SSランクの魔物だから余裕か。というか畑には――。




「「「――――旋脚!」」」




「――――グエェェェェ!?」




 俺も行ったら、全長10m以上の大型のニワトリで蛇のような尻尾をもつ――コカトリスが小人たちに蹴られて倒れていた。



「「「おいしい鶏肉ゲット~!」」」



 コカトリスのお肉美味しいよねー。今日の夕食はから揚げでもしよう。



「先を越されていたか! だが、まだ奥の方にいるな! そいつを――」


「おい、作業の途中だぞ。戻るぞ」


「ま、待つのだフランカよ、1体だけでもよいではないか!」


 フランカはセイクリッドの身体をつかんで無理やり引きずりなから作業に戻っていった。

 明日は周囲の魔物討伐でもお願いするか。今日は我慢してください。


 夕食の時間になって、フランカの家に戻ると…………また一回り大きくなって3階建てになっている……。


「やっぱり、短期間で完成しないからそれまで3階に4人用の寝室を造ったぜ」


 家が完成するまでリビングで寝させようと思ったが、アリシャたちに配慮したわけか。

 

「フランカには助かるよ~。ミツキに聞いたけど、小人たちにお手伝いを増やすみたいだね。私たちより小人たちの家を優先していいよ」


 泊まる場所があるとそうなりますよね。

 アリシャの発言で小人たちは大喜びだった。

 お手伝いが増えるなら開拓も進んで助かります。


 4人も揃ったことだし、また賑やかになりますな。

次の更新は31日です。

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