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258話 大助かりな動物


 水色で透き通った真ん丸な身体の――スライムだ。


 50㎝以上はあるな、他とは一回り違う。

 なんで身近にいるスライムを拾ってきたのだ……。


 ファンタジー世界なら弱いイメージで下級の魔物だが、この世界は違う。

 無害で倒れている魔物の死骸を食べたり環境をきれいにしてくれる清掃員だ。


 魔物ではなく動物の部類に入る。


 周りに魔物が出るようになったから、当然スライムも住み着くよな。


「あっ、待て!」


 持っていたスライムは軽々と手から離れて、リズミカルに跳ねながらセイクリッドの方に向かう。


「またお主か、今日は何もないぞ」


 セイクリッドがそう言っても周りを回って喜んでいるみたいだ。

 懐かれているな。


「もしかして、倒した魔物をスライムにあげているのか?」


「いかにも、こやつは我が倒した魔物の残骸をきれいにして大助かりだ。だが、我を見つけるとついてくるから少々困るがな」


 完全に懐かれているな。

 俺たちにとってはありがたい存在だから嬉しいが。

 いや、待てよ。


「他にスライムはいないのか?」


「む? 何を言っているのだ主殿。こやつしかいないであろう。仲間がいれば我に群がって大迷惑だ」


 1体だけかよ!?

 

「いやいや、大型の魔物をあげても、この1体で食べられるのか!? 食べられるとしても時間がかかるぞ!?」


「大型なら一晩と食べつくすぞ。それでも物足りないみたいだが」


 物足りないないのかよ!?

 一回り大きいスライムだと思ったが大食漢だな!? いや、漢ではなく大食スライムか。

 まさかユニークか? けど、セイクリッドがあげていたから大食になったのかもしれない。

 

「ご主人、飼ってもいい?」


 ルチルはつぶらな瞳でおねだりをする。

 何かしら理由があるのか?


「なんでスライムを飼いたいのだ?」


「他のスライムより抱いて寝ると気持ちがいいから!」


 抱き枕かよ!?

 そんなことで飼うのはできない。スライムがかわいそうだ。

 というかここに住み着いているから半分飼っているようなことになるか。


「ルチル、このスライムは意思があるから、一緒に暮らそうとか言ったか?」


「言ってない!」


「じゃあ、言わないと」


「マイヤちゃん一緒に暮らそう!」


 もう名前までつけていたのか……。

 当然だが、無視をしてセイクリッドに夢中だ。


「残念だが、諦めたほうがいいぞ。セイクリッドに懐いているから、違う場所に行かないと思うし、遊ぶくらいで我慢しな」


 そう言うとルチルは無表情になり固まった。

 考えているな。


「わかった、我慢する!」


「素直でよろしい」


「じゃあ、マイヤちゃんと遊ぶ! あっ、待て!」


 スライム――マイヤはセイクリッドから離れて奥の方に行き、ルチルとシノは後を追う。

 食事がないと思ったのか。

 

 とりあえずスライムがいるならこの土地の衛生環境は問題はないか。

 

 さて、今度こそ開拓場所の相談だ――。



 

 ――相談した結果、マナの大樹から15㎞以上離れた周りなら家や農作物を作ってもいいようになった。

 


 まずは家と水の確保をしないとな。

 この2つはフランカの家、水魔法があるから、今いる人数で余裕で足りるけど、アリシャたちも来るから今から家を用意をしないといけない。

 水も農作物を育てるのに大事だ。

 いくら【創種】(チート)で簡単に栽培できるとはいえ、多少は水が必要だ。 


 リフィリアは湖を知っていて、フランカは家を作れるということで木材の確保――二手に分かれることになった。


 俺、アイシス、シエル、ソウタ、精霊たちはリフィリア側、他はフランカ側へと分かれる。

 

 シエルに乗って、リフィリアの案内で湖に向かう。


 ――数分後、湖に到着した。

 

 ティアの故郷ほど大きくはないが、貯水する量は十分ある。


「待て~!」


 マイヤを追いかけていたルチルとシノもいた。

 スライムって短時間で長距離走れるのか?

 ここから10㎞以上走っているようだが……。

 やっぱり普通のスライムじゃないな。


「ティア、この水は平気か?」


「うん、きれいで問題ない……」


 ソウタはティアに湖を確認して、飲んでも大丈夫みたいだ。

 まあ、多少汚れていても魔道具(浄水の石)があるから問題はないけど。

 

「レイ、水は確保したが、どうする? どうやって水路を作る?」


「まあ、任せてくれ。――――アースコントロール!」


 地面に手をあて、地魔法を発動させる――湖の近場の土をあけて、大きな水路を作る。

 ざっと300mくらいはあけたか。


「すごいな……地魔法って便利だな……」


「この魔法はオリジナルだから俺、フランカ、ルチルしか使えないぞ」 


「そうなのか……というかなんで手前で止めて水を流さないのだ?」


「今流しても排水口がないだろう。水が漏れて大変なことになる。貯水槽を作って近くの川に繋げて排水口を作ってからだ」


「へぇ―、いろいろと考えているのだな」


 まあ、開拓をしない側は考えないもんな……。


「それじゃあ、魔物がいたら対処してくれよな」


「ああ、わかった」


 俺は水路を作りを専念をして、他は邪魔をしてくる魔物を討伐をする。

 

 「アースコントロール」が便利でも、ただ、土をあけているわけではない、コンクリートのように固くして水をキレイに流すように作っている。

 魔力も多めに消費して、時間もかかり、今日中には無理だ。

 完成には1週間はかかりそうだ。


 ――作業して夕方になった。


 だいたい3㎞は作ったか。今日は止めて明日再開をする。


「待て~!」


 まだ追いかけていたのか……。

 飽き性のルチルとしては珍しい。


「ルチル、シノ、夕飯にするから戻るぞ!」


「わ~い! ご飯!」


 俺が大声で呼ぶとルチルとシノが向かって――ってマイヤも向かってくる……。


 まさかご飯で反応するのか……。

 あのスライムは知性があると確定しました。

次の更新は26日です。

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