表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
261/916

255話 刺激が強いみたいです……


 ――昼過ぎ。


 

 ミツキさんと合流し、「ゲート」を使って小人の村に行く。

 

 農地手前で移動して中央にある大広場に向かう――。


 農地で作業している小人たちは俺たちに気づくと作業をやめて、駆け寄って「ただいま」と笑顔で出迎えてくれる。

 初対面の人は「はじめまして」と満面な笑みで挨拶をする。

 

「て、天使がいっぱい……最高かよ……ここは楽園なのか……」


 ヤーワレさんは限界だったのか鼻血を垂らしています……。

 小人たちは心配すると、さらに血を出す。

 ミミルカさんは「気にしないで、いつものことだから」と言ってはぐらかすが、「そうなの?」と首を傾げる。

 逆に気になりましたね。


「ほら、ヤーワレも何か言ってよ! 小人ちゃんにずっと心配されていいの!?」


「むしろ心配されたほうがいいぜ……」


 デレながらグッドサインを出す。重症ですね……。

 村に入ったばっかりなのに、これほどとは……。

 広場までに身が持つのか心配になってきたぞ。

 

『いいね~。母性が爆発してボクは満足だよ! もっと出していいのだよ~』


 エフィナさん、これ以上出しても面白くありませんよ。

 ミミルカさんは呆れて、輩3人組に説得するように言うが、ヤーワレさんと同様で鼻血は出していないが、何も言わないでデレデレです。


 話が進まないから小人たちに「本当に気にしないで」というと「わかった!」と納得してくれた。


 その話が終わると後ろにいるシノに興味を持つ。


「シノちゃんって言うのだよ! みんなよろしくね!」


「ワン!」


「「「よろしく~」」」


 やっぱりシノは小人だと人見知りしないで尻尾を振って喜んでいる。

 みんな初対面でも歓迎してくれるから本当に助かる。  


 みんなで広場に向かい、次々と集まって、広場は全員集合した。


「ミツキ帰ってきたのか! おお、みんなも来たのか! 初めての人もいるな! 守り神様に似ている魔物もいる!」


 村長が飛び跳ねるながら来ました。

 ご機嫌がよろしいことで。


「村長! いろいろと報告にきたよ! 実はね――」


 ミツキさんは出世したことや、俺の土地で農作物を栽培することを話した。


「なんと!? 出世したからドンドン作物を育てるのか! 倉にある種を好きなだけ持っていいぞ!」 


「わ~い! ありがとう!」


 少々違う解釈をしているが、許可が出たならいいか。


「だったら祝いをしないといけないな! 夕食はお祝いだ~!」


「「「わ~い!」」」


 やっぱり出世祝いはしますよね。


「ところで、みんなはどれくらい泊まっていくのだ?」


「お泊りだと!?」


 村長の発言でヤーワレさんはさらに鼻血を出し両手両足を地面につけて、息が荒くなった。

 あっ、そろそろ限界ですね。まあ、予定も何もないから泊まっていこうかな。

 温泉にも入りたいし。

  

「えっ? 村長、何言っているの? お祝いが終わったらレイさんの土地にすぐに行くよ」


 ミツキさんから意外な言葉が出たな。それほど、はりきっている感じか。


「な、なんでだ!? みんないるから泊まるのは絶対だ! 村長命令だ!」


 まさか村長命令が出るとは……余程泊まってほしいのですね。


「なんで命令なの? わけがわからないよ!」


「お、オイラの命令は、ぜ、絶対だぞ!」   


 村長は涙目になってしまった。

 意外に打たれ弱いんだよな……。


「ミツキさん、急ぎではないので俺は泊まってもいいですよ」


「お泊りするのですか!? じゃあ、みんなでお泊りしましょう!」


 お泊りと言うと村長は笑顔になり機嫌が良くなった。

 みんなと相談して3日ほど泊まることになった。


「短いが今回はしょうがない、オイラは村長だから我慢してやる。次は長く泊まるのだぞ!」


 我慢とはいったい……素直に長く泊まってくれと言えばいいのに。


「て、天使の村に……お泊り……ゆ、夢のなのか……それとも……天国なのか……」


「「「ア、アニキ!?」」」


 ヤーワレさん限界を超えたのか倒れてしまった。

 本当に天国に行きそうだな。


「この人大丈夫なのか!? 鼻血がとまらないなら温泉がいいぞ! 温泉はなんでも効くからな! この人を運ぶのだ!」


「「「は~い!」」」


 小人たちはヤーワレさんを持ち上げて温泉まで運んでいった。

 あの温泉、意外に効能なのか。

 輩3人組はヤーワレさんが心配で温泉に行くと言うから、念のためポーションを渡した。

   

 その後、小人たちは解散して各作業を再開をし、作業をしてない人はお祝いの準備をする。

 それまでは俺たちはのんびりしていいとのことです。


 今のうちに守り神に報告をしないと。


「ソウタ、神社に行くぞ」


「えっ? いいけどなんで?」


「ここでは話せないから神社でな」


「ああ、わかった」


 察したみたいだ。

 理解が早くて助かる。ソウタにはチトセの件はまだ言っていない。

 デストルツではトリニッチさん、ルージュさん、王都ではスカーレットさんはイチャついていたから言う機会がなかった。

 まあ、他のみんながいるのもあるが。


 俺とソウタは神社に向かう――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ