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253話 みんなに別れの挨拶


 ――翌日。



 王都を離れる日になった。

 カルムに戻るのだが、リリノアさん、ヤーワレさん、ミミルカさん、合流した輩3人組(ジェリックたち)も一緒に行く。

 リリノアさんはザインさんといたいのと、他は小人の村に行きたいから、カルムで待っているということです。

 拠点に戻らないみたいです……。ギルドに連絡はしているとは思うけど。

 まあ、小人の村は行く予定があるから問題はないが。

 

「私もレイ君と行きたい!」


 リンナさんは俺と一緒に行きたい言うが、第一王女の復活でいろいろと忙しい。

 しょうがないことだ。落ち着くまで時間がかかる。

 王様の許可が下りるまで我慢してください。


「みんな、本当にありがとうね。楽しかったよ。何かあったらすぐに僕に相談してね」


 そんな簡単に王様に相談するようなことは今後一切ないと思うが……。 


「レイさん、お姉様はしっかり見張っていますから安心してください」


 王女さんがいればリンナさんの暴走を止められるから問題なさそうか。


「お兄さん……私も一緒に行きたいけど……退職してからだから……待っててね……」


「お、おう……」 


 スカーレットさんはソウタにウインクをし、熱い視線を送るが騎士と精霊はホッと一安心する。

 今はいいが、退職して騎士が暴動を起こす可能性があります。

 しっかり説得して退職してくれるのならソウタに迷惑をかけないのだが、はたして大丈夫なのか……。


「俺も遊びに行きたいが、まだ仕事が残っているからな、俺が来るまでに住める環境を整えろよ!」


「かしこまりました」


 アイシスさん、ヴェンゲルさんに口約束はしてはいけません……。すぐに開拓なんてできないから……。


「そ、それでは帰りますね……」


 王様たちは手を振り、騎士たちは敬礼して見送る。

 俺たちは「ゲート」を使いカルム――俺の屋敷の庭に移動をする。


「うひょ~、本当に移動したぜ!」


 輩3人は初めて「ゲート」で移動して辺りを見渡し大興奮であった。

 

「お前たち! 興奮するのはいいが、誰にも言うなよ!」


「「「へい、アニキ!」」」

 

 ヤーワレさんの発言で良い返事をする。

 この3人なら素直だし、口が堅いとは思う。


「おかえりなさい――って、すごい面々ね……」


 アリシャたちが俺たちが戻ってきたことがわかると駆け寄って驚く。

 とりあえずみんなを紹介して、俺たちが授爵したことを伝えると――。


「えっ!? レイたち授爵!? いや、なってもおかしくないか」

「マジかよ!? スゲーな!」

「おめでとう。これから忙しくなりそうだね」

「す、すごい!? 授爵か~いいな~」


 4人はうらやましそう俺たちを見る。

 普通ではあり得ないことですからね。


「ということだ。俺たちはリフィリアの故郷に住むから、カルムにいなくなる。ある程度、開拓したら遊びに来てくれよな」


 そう言うと4人は無表情になり、遠く離れて円陣を組み、ひそひそと話す。

 何か企んでいますね……。

 円陣をやめて笑顔で近づいて――。


「私たちも住んでいいかな? レイたちには及ばないけど、少しは役に立つよ」


 そうきたか……。


「ちょっと待て、いきなり言われても困るのだが……。未開拓地だからいろいろと不便なことが多いぞ」


「レイたちがいないと逆に困るよ。特に料理とか」

「むしろお前たちがいなくなったら不便だぞ。特に料理とか」

「たとえ、不便だとしても君たちがいるから大丈夫だよ。特に料理とか」

「なんでもするからお願い~。でも報酬はもらうよ。特に料理とか」


 4人して料理目当てかよ!? ほかにないのかよ!?

 理由になっていない……。

 

「料理は別として稼ぎはどうする? もちろん、ギルドとかはないぞ」


「魔物を狩って、後で素材を売ればなんとかなるよ。ガルクが【解体】スキル持っているから大丈夫だよ。それで家賃を払うからさ」


 確かに素材を売れば問題はないか。というか俺たちの土地に住んでもお金なんて必要はないが。

 家賃を取るとしてもまだ先の話。


「リフィリアは4人を住ませてもいいか?」


「いいよ。みんな一緒にいると楽しいからね」


 笑顔で即答ですね……。

 大精霊の許可をもらえたからいいか。


「わかった。歓迎するよ。」


「「「やった!」」」


 喜んでハイタッチをする。移住するとは言っても借家の退居手続きもあるからすぐには行けない。

 4人に地図でリフィリアの故郷を教え、いつでも来ていいと言う。

 この話は終わり、次にギルドに行ってみんなに報告をする。


 シエル、セイクリッド、シノはお留守番させてギルドに向かう――。


 ――ザインさんは中にいるみんなを集めて、リンナさんが王女だったこと、俺たちが授爵してカルムを離れることを話した。

 

 驚いている人が大半だったが、「やっぱりな」と冷静でいる人もいた。

 その後に俺たちが急にいなくなるのは寂しいなと虚しくなりました。 


「お別れを言いに来たわけでもないから、しんみりするなよ」


 ザインさんの言うとおり、お別れを言いに来たわけでもない、時間があればギルドの依頼も受ける。

 リンナさんだって、気が向いたらカルムに来るかもしれない。

 みんなに開拓したら遊びに来てほしいと言ったら、喜んで頷いてくれた。


 ギルドのみんなに挨拶も終わり、後はミツキさんに報告しないと。

次の更新は14日です。

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