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248話 報酬の話


 王都手前の森の中に移動した。

 みんな大きい城――王都を見るとホッとひと安心する。


「しかし転移魔法があると本当に便利だな。俺が休暇の時に呼ぶからよろしくな」


 ヴェンゲルさんは「ゲート」を完全に手軽な便利枠だと思っている……。

 やっぱり楽を覚えるとそうなるか。


 シノは王都に入れるかわからないから、リフィリアの故郷に移動させる。

 セイクリッドもいるから寂しい思いはしないとは思うが懐いてくれるかだ。


「ちょっと行ってくるね――――ゲート!」


 リフィリアは魔法でルチルとシノを故郷に移動した。


 ――10分後。


 リフィリアとルチルは姿を現れてシノを送ることができた。

 話を聞くとセイクリッドにすぐに懐いて一緒に駆け回っているみたいだ。

 ……問題ありませんでした。  


 みんなシエルに乗り、城の庭にまで移動する。

 王都内に入ると前来たより、露店が多く出て、人々で賑わっている。

 スタンピードが終わったことでお祭り騒ぎみたいだ。

 シエルに気づくとみんな歓声を上げて、手を振っている。


「ガハハハ! 英雄のおかえりってとこだな! 気持ちがいいな!」


「叔父……俺たちはあまり貢献していないぞ……」


 ザインさんの発言でみんな頷く。

 みんないろいろと準備をしたり貢献はしたりしているとは思うが。


 城の庭に降りると、ファイスさん――騎士たちが次々と城内から出てきて敬礼をする。


 王様のご家族、スカーレットさんも笑顔で出てきました。


「スタンピードお疲れ様。大陸代表としてお礼を言うよ。君たちがいなければ被害が大きかったかもしれない。本当にありがとう」


 王様は満面な笑みで言う。


「それじゃあ、みんなでお茶でも――」


「陛下、疲れている者もいるから解散させてくれないか?」


「そうか、残念だね。じゃあ、祝賀会を開くからみんな来てね。ヴェンゲルとザインは今は大丈夫かい? 今後について話があるのだけど」


「構わないですぜ」


「大丈夫です」


「うん、改めてみんなお疲れ様。ゆっくり休んでね」


 協会組とギルドマスター組は解散をした。

 

「じゃあ、お茶でも飲んで話そうか」


 メイドたちがお茶の準備をして待っているなか、リンナさんはずっと笑顔なのです……何か企んでいるような感じがして怖いのですが……。

 スカーレットさんはソウタに抱きついてイチャイチャし始めました。

 当然だが精霊たちと騎士たちの圧がすごいです。

 だが、ルージュさんと婚約したと言うと、固まって戸惑ってしまう。


 精霊と騎士は圧をやめて満面の笑みです。

 諦めると思っているのか……。


「私と性格が同じだからしょうがないわね。私も負けていられない」


 スカーレットさんも意思は変わらないみたいだ。

 再び周りの圧――殺気へと変わりました。

 ソウタは戻っても苦労が絶えませんな。


 用意が終わりみんなイスに座り、お茶を飲む。


「ヴェンゲルに聞いているとは思うけど、報酬の相談と言いたいところだけど、君たちに爵位を与えなければいけない。スタンピードを終わらせた英雄たちに報酬だけでは収まらないからね」


 まさかの爵位ですか。

 確かにあれだけの規模を終わらせたらもらえますよね。


「ヴェンゲルと相談した結果――」


 王様の話では――俺は男爵、アイシス、フランカ、ルチル、ソウタには士爵が与えることとなった。

 …………なんで俺だけ男爵!?

 准男爵を通り越していきなり男爵にしたんだ!?

 リンナさんは拳を小さく握りしめたのは気のせいだろうか……。


「あの……俺だけ男爵なのですが……どうしてです……?」 


「えっ? だってレイ君は元凶になった魔物を討伐して終わらせたから男爵にするのは当然だよ」


「そうよ! 私は大賛成だからレイ君は素直に受け取ればいいのよ!」


 なんでそこでリンナさんが割り込むのだ!?

 士爵を与えられる方々に不満は――。


「さすがご主人様でございます」

「さすだなダンナ」

「さすがご主人!」

「さすがだなレイ」


 逆に祝ってくれます……。

 リンナさんの言う通りに素直に受け取ります。


「次に家名だね。ソウタ君は家名があるけど、レイ君たちはないから決めてほしい」


 家名か、もう決まっているようなものだ。


「アマガセでお願いします」


「早いね。アマガセとは何か意味があるの?」


 あっ、すぐに言うのはマズかったか。

 前世と同じにするのは転生者と転移者にわかるためだ。

 ソウタと同じようにわかりやすいとすぐ同郷人だと気づいて打ち解けやすくなる。

 今後のことを考えてしたが、思いつきでと言うしかないか。


「アマガセは賢者様の名前でございます。ご主人様に相応しい家名です」


「へぇ~、賢者の名前だったんだ。親の名を家名するのは珍しくないからいいと思うよ」


 アイシスさん、フォローありがとうございます。

 この時に賢者を使うのは便利ですね。


「それじゃあ、アイシスさんたちもも賢者の名と同じアマガセにするのかな?」


「違います。フロストでお願いします」

「アタイはイグニスで頼む」

「アタシはクリスタル!」


 3人とも自分慣例の家名にしたいみたいですね。

 

「もう決まっていたんだ。早くて助かるよ」


 家名はあっさりと決まった。

 

 レイ・アマガセ。

 

 アイシス・フロスト。

 

 フランカ・イグニス。


 ルチル・クリスタル。


 となった。


 ステータスを確認したところしっかりと『レイ・アマガセ』の名になっていた。

 後でギルドカードの方も更新しないといけないな。


「次に報酬の件だけど、レイ君は男爵になったからお金と土地をあげるよ。アイシスさんたちは士爵としてお金と何か欲しいものを言ってくれないかな? まずはレイ君は欲しい土地でもある? なければ僕が勝手に決めるけど」


 俺……土地持ちですか……いや、寧ろ都合がいい。

 役人であるジェストが地図を持ってきて、俺はある場所を指すと、リフィリアは驚く。


「マスター……もしかして……」


「ああ、リフィリアの故郷を土地としてもらうよ」


「ありがとう! 嬉しいよ!」


 リフィリアは俺を強く抱きしめて顔をスリスリする。

 俺が管理すれば誰も悪さできないし、マナの大樹の成長を見届けることができる。

 それにリフィリアは精霊だから爵位や報酬がもらえないから俺ができるのはこれくらいだ。


「まさかリフィリアさんの故郷を選ぶとは……しかも未開拓の地……僕ははてっきり賢者が住んでいる秘境を選ぶかと思った」


 王様は残念そうに言うが、そんなところありません。

 あったとしても言いません。


「陛下、賢者様にたとえ地位が高い人でも他者には絶対に秘密と言われましたので、お控えお願いします」


「そっか……僕は楽しみにしていたけど残念だ」


 ありませんので期待しないでください。

 王様も賢者について調べたいみたいだが、もうアイシスにお任せしよう。

 またリンナさんは拳を小さく握りしめたのは気のせいか。


「気を取り直して、アイシスさんたちは何か欲しいのはある?」


「私はご主人様の開拓資金の追加をお願いします」

「アタイも欲しいものはないかアイシスと同じで」

「アタシも!」


「わかった。じゃあ、お金の追加をするね」


 開拓資金と言ったって、街づくりするわけではないのだが……。

 あくまで土地を管理するだけで人は増やさないぞ……。

 仮に開拓しても人を選んで住ませるが……まあ、先の話になるからリフィリアと相談するしかないか。


「陛下、俺は欲しい土地があるのですが、いいですか?」


「ソウタ君も土地を? とりあえずどこかな?」


「あら、私と一緒に暮らす愛の巣かしら?」


 スカーレットさんの発言で精霊たちと待機している騎士は更に殺気が……。

 からかうのも大概にしてほしい……。


 ソウタは気にせず地図を指したのはティアの故郷だ。


「うぅ……あ、主大好き……」


 ティアは泣きながらソウタの胸に抱きつく。

 ソウタもいろいろと考えているな。

 ってことは炭酸水を許可なく取ることができなくなるか。

 まあ、ソウタは独り占めはしないと思うが、行く時は言って許可をもらわないとな。


「へぇ~、そこにティアちゃんの故郷があるのか。土地も小さいしいいよ」


 王様もすんなりと承諾してくれた。

 俺とソウタはジェストが持ってきた契約書をサインをして、トントン拍子で話が終わった。

 

「それじゃあ、1週間後に謁見で言うからよろしくね」


 1週間後か、お偉いさんが来るからそのくらいは待つか。

 じゃあ、その間はゆっくりとしますか。

  

次の更新は5日です。

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