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247話 終わるまで滞在


 昼寝をして目が覚めたら、日が暮れて夕方になっていた。

 アイシスが来て、夕食の準備ができ、食堂へ向かう。


 食堂に次々と集まり、最後にソウタが入って来るのだが、魂が抜けたかのように顔が干からびた状態でイスに座る。

 ……何も聞かなくでおこう。


「夕食はアイシスちゃんが作ってくれたわよ~。ソウタちゃんは夜も頑張ってね~」


 ソウタのテーブルの前には山盛りにされた牛肉のガーリックステーキが置かれました。

 無言でフォークとナイフを持って、手を震わせながら黙々と食べる。

 

「あら~みんなの料理が来る前に食べるなんてもう~。そんなに夜が楽しみかしら? ワタシも頑張るわよ~!」


 いえ、ただ思考停止しているだけです。

 それまで精神崩壊しなければいいのだが……。



 


 ――――◇―◇―◇―――



 ――翌日。



 引き続きトリニッチさんの家でのんびりしている。

 窓から外――庭を見ると、シノとルチル、ミツキさん、ヒナ、ユナが駆け回って遊んでいた。

 いつの間に……トリニッチさんが許可してくれていると思うが、別として見てはいけないのを見てしまった……。

 遠くの木の裏でニヤニヤと笑っているヤーワレさんだ……。

 不審者にしか見えない……あの人は許可をしたのだろうか……隠れていないで遊べばいいのに。

 時間が経つと、ミミルカさんと輩3人組も加わり、ヤーワレと同じように木の裏に隠れてルチルたちを見ています。

 ミミルカさんがいるからいいや、見て見ぬふりをしよう。


 夕食は高級なレストランでいつも通りのメンバーでスタンピードを終わらせた祝いをする。

 ヴェンゲルさんもある程度仕事が終わったらしく、余裕ができて王都に帰るまで夕食はここでするようになりました。

 ある程度とは言っても1週間は滞在はする。それまで俺たちはのんびりしていいことだ。


 それを聞いたソウタは床に膝をついて落ち込んでいました。

 俺はどうすることもないから温かい目で見るしかない……。



 ――3日が経過して、ミツキさんたちはカルムへと帰宅する。


 帰る前にミツキさんはデストルツに多大な貢献をして、シャーロットさんからゴールドクラスからプラチナクラスへとギルドカードが昇格した。

 ミツキさんはあまりの嬉しさにヒナとユナと一緒に駆け回り、ウィロウさんとグラシアさんは嬉し涙をする。

 プラチナって確かに拠点にしている店舗を他の街へ拡大していいはず。拡大するのはミツキさんは次第だが、これから忙しくなりそうだ。 

 

 見送りの時にヤーワレさんとミミルカさんはミツキさんに小人の村に行っていいか聞くと――。


「いいですよ! 大歓迎です!」


 笑顔で返事をして2人とも大喜びであった。

 ミツキさんから許可を取れば小人たちも喜んで歓迎はしてくれますね。


「それではお先に失礼します! リフィリアさん、お願いします!」


 リフィリアが「ゲート」を使い、ミツキさんたちはカルムへ戻った。



 ――次の日。



 さすがにソウタが不安になってきた……。

 食事の時しか姿を見せないからである。

 毎日のようにトリニッチさんとルージュさんと寝室でイチャイチャとしているとは思うが、会う度に干からびている。


 たまに寝室から出てくる上機嫌な精霊たちに聞いてみると――。


「問題ないわ!」

「問題ない……」

「問題ありません」


 笑顔で答えてくれます。

 ソウタ……耐えろ……。





 ――――◇―◇―◇――――





 スタンピードが終わって1週間が経過した。

 

 ヴェンゲルさんたちは後処理を終え、王都に戻る準備ができた。 

 街の外に出て大勢で見送りをしてくれる。


「アナタ……私も一緒に行きたいけど、まだやることがあるから待ってね……」


「ワタシももっと熱い~夜を過ごしたかったけど、残念だわ~。まだ一緒になるのは時間が掛かるけど、待っているわよ~」


 ルージュさんとトリニッチさんはソウタに熱い視線を送るが、干からびた状態で頷く。

 解放されたのか、ホッとしている。

 

「盟友の方々……本当にありがとうございました! 是非、機会があれば魔王城にお越しください! 魔王様一同、大歓迎します!」

 

 サイガさんは頭を下げる言う。

 まさかの魔王城ですか……魔王はいい人だから本当に機会があれば会ってみたい。


「さて、行くか」


 みんなでシエルに乗り、デストルツを後にする。

 街が見えなくなったらソウタはゆっくりと震えながら拳を上げる。


「俺は守ったぞ……頑張って守ったぞ……」


 …………口に出さないていいです。

 まあ、お疲れさんとは言っておこう。


 スタンピードは終わってもまだやることは多い、ヴェンゲルさんは王様に魔道具(通信機)で報告したところ、戻ってきたら俺たちの報酬の相談をしないといけない。

 報酬を決めた後は、お偉いさんを集めて謁見をする話となった。

 まさか事前に報酬は決めて謁見をするとは段取りがよく優しい王様だ。

 お偉いさんの前で謁見をするのは嫌だが、スタンピードを攻略したからしょうがない。

 それが終わったらのんびりと暮らせる。


 ある程度進んだら、人がいない平地に降りて、「ゲート」を使って王都前に移動する。

次の更新は7月2日です。

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