表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/914

229話 朝まで続いていた……


 ――翌日。


 

 今日はみんなと会議をする予定だが、ソウタたちの騒動は終わっているだろうか。

 続いているのならソウタとルージュさん抜きで会議することになる。


 朝食を食べてギルドに向かう――。


 中に入ると、会議に参加する冒険者が多数集まっていたのだが、呆れていた。

 隅っこでジャック率いる地元の冒険者たちが床に倒れこんで気絶をしていた。

 

 …………ジェリックがいるから聞いて見るか。


「何があった?」


「レイの旦那、おはようっす! 今さっき、トリニッチのアネキがソウタの旦那とルージュギルドマスターを庇って、こいつらを殴って止めていやした!」


 まさかのトリニッチさんが止めていたとは。というか朝までやっていたのか……。

 精霊たちもいるはずだが、拗ねて何処か行ってしまったか。


「それでソウタとルージュさんは?」


「アネキが2人を担いで奥の方に行きましたよ」


「奥に?」


 奥の方から精霊たちを泣いているのを慰めらがらトリニッチさんが来る。


「ソータなんて知らない!」

「うぅ……主のバカ……」

「もう信じられません!」


「よしよし、落ち着いて3人とも……男の大半は胸の大きい美人に弱いのよ……大目に見てね」


 拗ねていますね。大体予想がつくけど。


「3人とも大丈夫? またソウタが困ったことをしたのね……ありがとねトリニッチちゃん私に任せて」


「「「リフィリア様……」」」


 精霊たちはリフィリアの胸に飛び込んで泣きじゃくる。

 スカーレットさんの時より重症だな……。


「いいのよ、リフィリアちゃん。ワタシにすることはこれくらいしかできないもの」


「あの、ソウタとルージュさんは?」


「2人とも寝ているわよ。それも一緒にね。ルージュちゃんが手を繋いで寝るなんて余程好きだとわかったわ。「一生離さない」とか言っちゃって、本気みたい」


 ……精霊も拗ねますよね。

 意外にルージュさんはスカーレットさんより大胆だな。


「私もさすがに許さないよ……起きたら覚悟なさい……」


 おおらかなリフィリアが魔力と【威圧】を出してご立腹だ。

 契約者とはいえ、精霊を悲しませるのは許しませんよね。

 この場合ルージュさんが悪いのでは?

 いや、両方悪いか。


 その姿を見たアイシスは呆れています。


「またですか……リフィリアは抑えてください。3人ともいつまで泣いているのです。見っともないですよ」


 今回のアイシスは冷たいな。

 そう言ってもやめる気はないが……。


「アイシス……言い過ぎよ……さすがに――」


「さすがにとは、いったいなんのことです? 怒り任せでソウタ様に行くのはおやめください。思うつぼですよ」


「思うつぼって……アイシスはソウタの味方なの……」


「いいえ、違います。精霊の味方です」


「じゃあ、なんで酷いこと言うの……?」


「酷いことは言っていません。本当のことです。では3人とも今のあなた方にルージュ様、スカーレット様の身体に勝てると思うのですか?」


「「「思わない……」」」


「認めているならなぜ泣いているのです? 前に言ったことを忘れたのですか? 忘れていないなら復唱してください」


 精霊は泣くのをやめてアイシスを見る。


「「「大きくなって見返す……」」」

  

「そうです。私から見たら少しずつ大きくなっているのがわかります。まだ挫折するのは早過ぎます。挫折するなら100年経って自分の身体を確認してからにしてください。そう言っても私を信用しないのですか?」


 アイシスさん……また根拠のないことを……というか大きくなっているのか……。

 それは別として、今回はそんなこと言っても――。


「私は……み、見返したい!」

「ま、まだ諦めてない……」

「ぜ、絶対に大きくなります?」


 落ち込むのをやめて、魔力を出してやる気満々です……。

 噓のように見違えてますね……。


「そうです。また落ち込むようでしたら、小さくなると思ってください。返事は?」


「「「はい、アイシス先生」」」


 アイシスは精霊の先生になりました。

 …………機嫌が直ればいいか。


「3人が良ければアイシスの言う通りにするよ……」


 リフィリアは魔力と【威圧】を抑えて元通りになった。

 大精霊のお怒りを鎮めるとかやりますね。

 

「精霊ちゃんはソウタちゃんのことが凄い好きなのね……ワタシ告白しようと思ったけど、どうしようかしら……」


 トリニッチさんは頭を抱えて悩んでいる。

 酒飲んで酔った勢いで言ったのかと思ったけど、本気みたいですね……。

 さすがに精霊に許してくれもらえないな。


「トリニッチちゃんならソータに告白してもいいよ」

「大丈夫……告白してもいいよ……」

「トリニッチ様なら大歓迎です!」


 …………ん? 聞き間違いではないよな……3人とも歓迎している……。

 3人の発言でトリニッチさんは顔が赤くなった。


「あらまあ!? ワタシしていいの!?」


「うん、魔力が良いからいいよ」

「魔力が綺麗……」

「魔力が素晴らしいです!」


 そういえば精霊って魔力が基準でしたっけ……性別は関係ないです。


「オホホホホ! 精霊ちゃんから魔力が良いって言われるなんて名誉なことだわ~! もし告白して結婚したらみんな養っていくわよ~! 任せなさい~!」


 結婚とか飛躍し過ぎでは?

 そうも養うとかさすがアニキ――アネゴ肌です。

 良かったなソウタ、養ってくれる未来が待っているぞ。


『アハハハ! いいね! 本当におもしろいね! 告白が楽しみだよ!』  

  

 エフィナさんも楽しんでいますね。

 けど、俺が告白に立会いしているかわからないが。


 ヴェンゲルさんが来るとジャックたちを見て呆れていた。

 トリニッチさんが事の経緯を話すと――。

 

「そこまでしてルージュが欲しいのか……バカだな……後で処分を考えるか……。当然ジャックは迷惑行為をした罰でスタンピードは不参加だ」


 朝まで追いかけたならそうなりますよね……。

 ジャック、ご愁傷様です。いや、寧ろラッキーか。

 会議に参加する人が集まり、ソウタとルージュさんなしで3階の会議室で話をする。 

次の更新は23日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ