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220話 会議の結果


 ――翌日。


 今日は冒険者のギルドマスターと協会が会議をする日となった。

 俺たちの判断が決まるまでのんびりするのだが…………裏庭の方で王様たちとお茶を飲んでソウタと騎士の稽古を観ている……。

 昨日王様は今日は忙しい発言していたが、のんびりしています……まあ、会議が終わってからだとは思うけど。 


「いや~ソウタ君と騎士の稽古は面白いね~。昨日帰ったばっかりで疲れているのに、みんなソウタ君と稽古したがるのは本当に熱心で感心するよ~」


 王様はハチミツを垂らしたパンナコッタを口に入れて食べている……パンナコッタ単体でもかなり甘いのにハチミツをソース代わりに食べるのはかなりの甘党ですね……。

 騎士が稽古熱心というより殺意ですよ……スカーレットさんが奪われた嫉妬で、ソウタを全力で打ちのめしたいと。

 

「お兄さん~私のために頑張って~」


 スカーレットさんがウインクしながら熱い視線を送ると、騎士たちの圧と魔力が増す。

 今のワザとだろう……。


「アナタ……昔と変わらないで、いい性格してるわね……」


「リンアイナ様、私は本当のことを言ったまでです。そろそろ私を追っかけている騎士にも疲れてましたので、お兄さんは私の婚約者だと認めて、諦めてほしいのです」


 やっぱり尻を狙っている人が多いと嫌気がさすか。


「よく言うわね……自分から追い払うことはできなかったの?」


「一度、お断りしても、何度も告白してくるしつこい騎士がいましたので――「この豚野郎、そんな好きならば足を舐めなさい」と言って追い払おうとしたら、大興奮して本当に私の足を舐めようとして怖かったわ……」


 …………寧ろ、そいつにとってご褒美では?

 リンナさんはティーカップを持ったまま、固まって呆然としています……。

 ツッコミたい気持ちはわかります。 

 

「ハハハ! あのときか! いや~10年前の話だね~。珍しくエクレールが慌てて僕のところに来て、スカーレットが大変だと聞いて、急いで向かったら騎士が丸焦げにされて驚いたよ! 理由も聞いて、その騎士は処分下したね! いや~あのときは面白かった!」


 ある意味そいつ悲惨だな……いや、自業自得か。


「うっかり、火魔法(フレイムナックル)使っちゃって、焦ったの……。あのとき私の処分はなくて助かったわ……」


 正当防衛なら処分は下らないとは思うが……正当防衛なのか?


「しょうがないよ。前々から問題視されていたから当然のことをしたまでだよ! 恋愛は自由だけど、嫌なことをするような輩は王宮にはいらないからね。いや~帰ったらまさかスカーレットが婚約者を見つけたとか良かったね! けど、すぐ結婚してやめるのはよしてね」


 確かに専属の魔導士ならすぐにはやめられないが、本当に結婚するのか?

 ソウタは考えるとは言ったが、精霊たちは断固反対だ。


「みんなお兄さんを認めてから結婚します。その間に私の代理を用意しますのでご安心を」


「そっか、みんな認めてもらうのに時間がかかると思うから安心だね」


 認めてもらう……絶対に数年――いや10年以上かかりそうな気がする……。

 専属の魔導士に代理っていいのか……。


 稽古を観て1時間が経過した。

 ソウタは騎士たちの圧力にも負けずに次々と倒していく。

 逆に嫉妬で魔力をコントロールが乱れてバテる人が多い。

  

「お前たち、なんだその疲れ果てようは! ソウタ殿に力だけでは勝てないに決まっている!」


「「「団長!?」」」


 様子を見にファイスさんが来た。

 スカーレットさんのために稽古という名の決闘をしている言ったら激怒するだろうな。


「全く……私がやる……すまないがソウタ殿、手合わせをお願いする」


「えっ? まあ、いいが……」


「感謝する」


 ファイスさんは稽古用の剣を持って構えた。


「団長が俺たちのために……」

「団長! やってください!」

「団長、カッコイイです!」


 ファイスさんはみんなのためにやるわけではないが……。

 表情が変わり――。


「いざ、参る!」


 ソウタに突っ走り、剣を交わす。

 速いな、流石に王国騎士団長である。

 ソウタは今まで加減してやっていたが、魔力を出して対処する。

 速さはお互い互角ってところか、続けているソウタにはちょっと厳しいかもしれない。


「長く稽古をしているのに魔力と体力を温存するとはさすがだ」


「俺はいろいろと修羅場を越えて来たからな――」


 ソウタは押し返し、ファイスさんを後ろに下がり体制を整える。


「では、私の秘儀をお見せしよう――」


 ファイスさんの剣に膨大な魔力が込められ――。


「――――閃撃万象!」


 無数の突きがソウタを襲う――危ないと思ったのか、魔力を多めに出して防ぐ。


「ちょっと厳しいな……だが、やるしかないか――――疾風刃!」


「――――な、なんと!?」


 ソウタは剣に風を纏い、隙を見計らって振り上げて、ファイスさんの剣を弾き飛ぶ――。


「いい秘儀だったよ」


「さすがだ……間違いなくスタンピードを止められる実力だ。私の完敗だ」


 お互い握手をして認め合うのだが……騎士たちは泣いている……。


「団長が負けた……」

「信じられない……」

「あれだけ動いてまだ温存していたのか……」


「お前たち、泣くな! 私はまだ修行が足りない! お前たちもな! 今から王都外を100週するぞ!」


「「「はい、団長!」」」


 ファイスさんは稽古していた騎士と一緒に走りながら城を出ていった。

 みんな熱い人ですね……まあ、スカーレットさんを諦めてはいないだけだと思うが。

 

「何熱くなっているんだ……」


 ヴェンゲルさんとザインさんが戻ってきた。

 会議が終わったみたいだ。 


「あっ、お帰り、どうだった?」


「全員文句なしの賛成でしたよ。陛下が賛成していると言ったらあっさりでした」


 反対はいないのか、それだけ王様を慕っているわけだよな。


「決まりだね、それじゃあ、レイ君よろしくね。準備が整い次第、デストルツに向かってね」


「わかりました」


「ああ、そのことなんですが、明日から出ないといけないですよ」


「ん? シエルさんですぐ着くけど、どうして?」


「デストルツにすでにSランク以上の冒険者が集まっているので、俺たちで説得しないといけないですよ」


「ああ、なるほどね」 


 お偉いさんが決まっても、行った冒険者にはしっかり言わないと納得しませんよね……。

 ちょっと待て、説得するって……シエルにどれくらいの人数が乗るのだ?

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