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212話 専属の魔導士


 昼食の時間となり、稽古から解放された。


 本当にやるとは思わなかった……疲れ知らずだな。

 王女さん、体育会系すぎないか……ヴェンゲルさんが教えているだけあって周りの騎士より強いのでは?


 そして隣で稽古していたソウタはイスに座ってダウンしている。

 お疲れのようで……。


「昼過ぎもやるのか……今日は休ませてくれ……」


 俺と同じで昼過ぎもやるみたいだ。


「お疲れさん、ほらこれ飲んで元気出せよ」


「助かるよ……」


 ソウタにマナポーションを渡してお互い一気に飲み。

 城の中に入り、食堂に向かう。


 出てきたのはビフカツとミネストローネだ。

 ここで揚げ物ですか。

 さて、王女さんはの反応は――。


「美味しい……食感が良くてたまらないですわ……」


 問題なく好評でした。

 ヴェンゲルさんは――。


「ウマいな! カレーより好きかもしれない!」


 ぺろりと平らげた。

 かなり気に入ってくれたようだ。


「これを食べたら俺も稽古したくなってきたぞ! レイ、昼過ぎはよろしくな!」


 えぇ……勘弁してください……。

 絶対夕食まで休めないじゃん……。



 ――――◇―◇―◇――――



 城に来て、3日が経過した。

 食事以外は王女さんと稽古をしてばっかりです……。

 ソウタも同じく騎士たちと稽古をしてため息をついている。


「俺たち……王様に会うために来たのだろう……稽古するために来たのではないのに……」


 正論ですな。まあ、もう少しで王様が戻ってくるから我慢だ。


 お昼頃、いつも通り稽古をしていると、騎士が慌てて、庭に来る。


「国王陛下、王妃様が戻ってまいりました!」


 予定より1日早いお帰りですな。

 こちらとしてはありがたい。 


「レイさん、申し訳ございませんが、稽古は中断でお願いしますね」


「わかりました」


 王女さんは城の中に入っていった。

 よし、これで解放されて多少気が楽になった。

 あとは王様の謁見をして、城とおさらばだ。


 そう考えると王様は遠方に行って疲れているから謁見は明日かな?


「レイ、ちょっと待っていろよ。陛下と話をしてくる」


 ヴェンゲルさんも城の中に入っていった。

 いろいろと報告がありそうだな。

 俺は解放されたがソウタはまだ稽古をしています。

 ソウタ……悲しい目をして俺を見ないでください。


 すると、城の中にから出てきたのは――騎士団長ファイスさんだ。

 王様の護衛で戻ってきたようだ。

 隣に赤色一式の帽子とコートを着て、少々胸元を出しているナイスバディな赤髪ロングの美女が来る。

 

 美女は魔力が多い、専属の魔導士とわかった。そして胸に只ならぬ光があるもしかして――。


『ナイスバディな美女は精霊と契約しているね!』


 やっぱりな、【隠密】のスキルで隠れているが俺にはハッキリとわかる。

 しかし……なぜ胸に隠しているのだ……。


 騎士たちは稽古をやめて、敬礼をした。

 ソウタも中断になったのかホッとひと息する。


「おお! レイ殿、ソウタ殿、久しぶりではないか! また会えて嬉しいよ!」


「久しぶりですね。ファイスさん」


「久しぶりだね。騎士団長」


「まさか我々とすれ違いで来るとは、遠征がなければ盛大に歓迎したのに」


「いえ……そこまでしなくても……」


「恩人に無粋なことはできぬ! レイ殿はもっと自分の立場をわかってほしい!」


 説教されているのは気のせいだろうか……。

 

「わかりました……肝に銘じます……ところでそちらの方は?」


「ああ、この方は王国の専属魔導士――」


「スカーレット・シャイ二よ。あなたたちは噂で聞いているわ。よろしくね、可愛らしいボウヤとカッコイイお兄さん」


 美女はウインクをしながら挨拶をする。

 周りの男たちはにやけている。

 こんなナイスバディな美女が近くにいると無理もないか。


 って、ソウタ……胸元をマジマジと見ている……。

 精霊がいるとはいえ、失礼だぞ……。

 

「あら? 私に見とれていたの?」


「ああ、美人すぎて見とれるが、精霊を隠しているのだろう? 俺とレイはわかっているぞ」


 ソウタが言うとスカーレットさんは妖艶な笑みで浮かべて。


「さすがね。私よりも魔力が多いとわかるよね。そうよ、あなたたちと一緒で私も精霊と契約しているの。ほら、エクレール出ておいで」


「ふぇ? ご主人……まだ眠い……」


 胸の中から出てきて【隠密】を解除して姿が見えた――金髪ショートのジト目で少女型の光の精霊だ。 

 あくびをしながら俺たちを見ると、近づいて頬っぺをスリスリするのだが……次にソウタにもする。


「うん、2人とも温かくて気持ちがいい~ご主人と同じだ~」


 同じ? 精霊にとって居心地がいいのか。

 まあ、そうではないと契約なんてできないが。


「もしかしてと思っていたけど、エクレールは私以外の人にあまり好かれないから困っていたの。本当に良かったわ」


「俺たちも契約しているからいいみたいだな。俺たちも紹介しないとな」


「そうだな。リフィリア、今来れるか?」


「今来たよ」


 リフィリアと精霊たちと一緒に「ゲート」を使って来た。

 普通に来ればいいが精霊がいるとわかって早く来たか。


「やっぱりボウヤは只者ではないようね」


 スカーレットさんはリフィリアを大精霊とわかったか。

 エクレールの方は――。


「あ~大精霊様だぁ~お会いできて嬉しいです~」


 エクレールは頭を下げる。

 うん、ソウタの精霊と違って驚かないで肝が据わっている。

 いや、性格的な問題か。


「フフ、よろしくね」


「何よ、のんびりした精霊は……って何よ!? 恵まれて身体は!? それに契約者も破廉恥よ!?」

「うぅ……負けた……」

「契約者ともに大きい……」


 すかさず精霊たちはソウタの目を隠した。

 うん、いつも通りの展開ですな。


「ん? 恵まれた身体なの? 確かにウチはよく寝てよく食べて~大きくなったけど~ご主人に敵わない~」


「何よその言い方は! ケンカ売っているじゃない! …………って何ウトウトしているのよ!?」


「う~ん、眠い……おやすみ……」

 

 プロミネンスの発言を無視してエクレールは再びスカーレットさんの胸の中に入って眠った。


「は、破廉恥!?」


「あらあら、寝足りないのね。ごめんなさい、陛下の護衛でたくさん魔力使ってしまったから大目に見てね」


 確かに魔力が少ない、完全に回復はしていないようだ。


「しょうがないわね……」


「じゃあ、起きたらマナポーション飲ませてね。魔女さん」


 リフィリアはマナポーションを無限収納から出して5本渡す。

 まさかの魔女呼びか。

 まあ、見た目からしたら魔女っぽいけど。


「アイテムボックス持ちなのね。こんな質のいいマナポーション本当にもらっていいの?」


「私が作ったから問題ないよ」


「まさか大精霊が……ありがとう。ボウヤと今後も良い関係でいたいわ。もちろんカッコイイお兄さんもね」


 再び俺たちにウインクをするが特にソウタの視線が熱い。

 もしかして好意を寄せているのか?


 けど、熱い視線に精霊たちは嫌なのか睨む。

 まあ、悪い人ではなさそうだからそんなに警戒しなくてもいいと思うが。

 

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