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207話 強制イベント……


「なぜ王様に……それとこれとは関係ないのでは……」


「実は大関係だ……王都にいる教会の聖女が毎日のように女神ミスティーナの像をお祈りしていたところお告げがあったらしい……「賢者と精霊使いが災いを退けて大陸の平和を守ってくれるであろう」と……城内は大騒ぎで――騎士団たちはお前さんたちとすぐにわかり、王様に報告して、是非とも会いたいと……」


 ティーナさん……お告げを言わないでも参加するのに余計なことをしてくれますね……。

 

『アハハハハハ! ティーナからの強制イベントだ! おもしろい!』


 エフィナは爆笑しているが、こちらとしては大迷惑です……。

 ソウタを見るとため息をついている。


「勘違いではないのですか……」


「俺は精霊使いとは一言も言っていないから違う人だ」


 俺とソウタは面倒事を回避したいがために言い訳をする。

 ハッキリ言って王様に会ったら、ろくなことがない。


「俺も間違いではないかと思ったが、お前たちしか当てはまらない……悪いが、シエルで王都に向かい、城内の庭に降りてくれ。許可も出ている」


 えぇ……もう回避できない……しかもシエルも城内に入っていいのか……。


「招待状とかは……?」


「ないぞ。もうお前たちは王都では有名だからな。招待状なんて必要ないぞ」


 顔パスかよ!? 有名なのか……いや騎士団を救助したら噂にはなるか。


「無理なのか……しょうがない、諦めるしかないか」


 ソウタは潔く諦めたな。

 まあ、断ったら大事にはなるか。


「わかりました。行きます……すぐに行った方がいいですよね?」


「ああ、その方が助かる。今から叔父に連絡するからよろしくな」


 叔父って、ヴェンゲルさん……冒険者協会の長(グランドマスター)じゃないか!?


「なぜヴェンゲルさんに……?」


「知らないと思うが、叔父は城内で自分用の部屋も持っているからな。叔父に報告した方が早い」


 そういうことですか……納得です……。


「ギルドマスターの叔父はすごいのだな……」


「ソウタ……ザインさんの叔父はグランドマスターだよ……」


「そうなのか!? まさかギルドマスターの叔父がグランドマスター……」


 ソウタは知らなくて当然だ。

 俺も最初から聞いたときはビックリした。

 ヴェンゲルさんはグランドマスターだけのことはあって多忙な毎日で会うことがあまりない。

 たまにだが、ザインさんが心配で街に来たときもある。

 もう5年くらいは会っていない。

 もしかして俺とアイシスにミスリルカードを許可したのもヴェンゲルさんかもしれない。

 うん、コネですね……。


「ということだ。俺も協会に会議があるから後から王都に向かう」


「えっ、一緒に行った方がいいのでは?」


「そうしたいが……準備がある……特にリンナにはごまかさないとな……」


 ですよね……まあリンナさんにはごまかしたから大丈夫だと思うが。


「わかりました。明日行きます」


「ああ、よろしく頼むな」

 

「すみません。俺からも報告があります」


「なんだ?」


 この機会に帝国で実験された人のこと邪石を言った。


「おいおい……こんな悪いときに何バカなことをしているのだズイールの帝国は……叔父にしっかり言うから気にしないでくれ」

 

「よろしくお願いします」


「調査はスタンピードが終わってからになると思うがな。後は俺たちに任せてくれ」

 

 やっぱりスタンピードが終わってからになるか。

 このことは上の人に任せれば安心だ。


 話は終わり、ギルドを出た。

 明日から王都に行くのか……しかも王様に……何も起きないことを祈るしかない。

 

 急だからアリシャたちに頼んでミツキさんに言ってもらおう。

 


 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


 朝食を食べ終え、準備ができた。

 早く終わらせたいから「ゲート」を使って楽をしようと思ったが――。


『うぅ……乗せたいのじゃ……』


 シエルが泣きながら訴えてきました……わかりました……乗りますよ……。


 みんなシエルに乗り、王都に向かう。


 ――2時間が経過した。


 そろそろ王都に着く。


「王様、王様、王様、会うの楽しみだな~」


 なぜかルチルは喜んでいます……俺は不安でしょうがないが……。


「おい、ルチ助、失礼のないようにしろよ。お前が1番危ない」


「失礼なことしないもん! フランカだって失礼な態度取っているじゃん!」


「何言ってやがる! お前よりはしっかり礼儀はあるぞ!」


 ルチルとフランカの小競り合いが始まった。

 いつものことだが、もう少しで着くから落ち着いてほしい……。


 アイシスが只ならぬ圧を出しているのですが、もしかして――。 


「もう少しで着くのでおとなしくしてください! おとなしくしないのであれば、私が一から礼儀作法というものを教えてもよろしいですよ……」


「わかった……」

「お、おう……」

 

 2人をおとなしくさせてアイシスから圧がなくなった。


「アイシス、【威圧】を覚えたのか?」


「はい、スタンピードと聞いて、効率良く倒すのに必須かと思いまして覚えました。言い忘れていましたが自然に【時魔法】も覚えました」


 なるほど、【魔力変換】で覚えたみたいだな。

 さすがアイシスだ、しっかりしている。時魔法も覚えたらなより戦略の幅が広がる。


「私も【威圧】は覚えたよ」


「リフィリアもか?」


「うん、今回は楽ではなさそうだから覚えたよ」


 リフィリアもいろいろと考えているのだな。

 ルチルとフランカは――。


「アタシは覚えなくても強いから大丈夫!」

「別に覚えなくても余裕だぜ」


 ですよね……関係ありませんでした……。


 大きな城が見えてきた――王都に着く。


 確か城内の庭に降りてくれと言っていたがどこを示しているのだ?

 とりあえず城の周りを見てみるか。


 シエルに指示をして城まで近づく――。


 近づいたのはいいが……王都に入ると俺たちに気づいたのか下にいる騎士や住民たちが手を振って、歓声をあびたりしたのだが……。

 かなり大ごとになっているのですが……そんな大層なことはしていないのに……。


 城の周りを散策すると広々とした庭らしき場所を発見した。

 そこに大勢の騎士が手を振っている。

 あそこに降りればいいのか。

 シエルに指示をして庭に降りると――騎士たちは並んで敬礼をする。

 

 そして奥から軍服を着た40代くらいのガタイのいい茶髪の大男――ヴェンゲルさんが笑いながら来る。


「おお! 久しぶりだなレイ! 見ない間に大きくなって、元気にしていたか!?」


 思いっきり頭を撫でられるのですが……変わりませんね……。


「久しぶりですね……ヴェンゲルさん……」


「もっと喜んでいいんだぞ! それといつも言うが、俺は伯父さんでいいぞ! 久しぶりに孫と会えたら元気になった!」


 孫と言った瞬間、騎士たちは動揺をする。


「グランドマスターのお孫さんなのか……」

「だからあの強さか……」

「さすがだ……」


 かなり勘違いされています……。

 ヴェンゲルさんはザインさんの亡くなった両親の代わりに父親として息子のように育てていたから、俺は孫のみたいな扱いになっている。


「いえ、俺は孫では――」


「細かいことは気にするな! ザインの息子は俺の孫だからな!」


 全然細かくないのだが!?

 騎士たちも違う目で見られているからやめてくれ!?

 あっ、全然聞いてくれません……。


「後ろの者はザインから聞いている! レイが世話になっているな!」


 みんなヴェンゲルに挨拶し、本題に入る。


「この後、俺たちはどうすればいいのですか?」


「それだが、国王陛下の謁見前に挨拶したいお方がいてな、ちょうどいいときに来た」


 俺たちに挨拶?

 後ろから尋常じゃない魔力が――。

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