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206話 強制参加


 帰りは空間魔法(ゲート)を使わずシエルに乗ってのんびりと向かう。

 まずはセイクリッドをリフィリアの故郷に置いて、引き続き周囲の魔物の討伐をお願いする。


「ハハハハハ! 我は狩りに行くとしよう! また小人の村に行くときは頼むぞ!」


 リフィリアの故郷に着くと早速セイクリッドはシエルから降りて剣を抜き、魔力反応があるところへ向かった。

 2週間経ったが、ここは比較的に魔物の数が少ないから安心だな。

 まあ、大群が来てもセイクリッドが返り討ちにするから問題ない。


 さて、セイクリッドも置いたことだし、街――カルムに帰宅する。


 ――3時間後。


 夕方前に街に着いた。


 屋敷に降りて、中に入って夕食の準備でもしようとすると、アリシャたちが来る。

 商都で遠征が終わって帰ってきたみたいだ。


「おかえり~、久々にレイたちの食事を食べたいからよろしくね~」


 やっぱり食事目当てですか……。

 いつものことだから別に問題ないが。


「それと、ギルドマスターから連絡、レイたちが戻ってきたらギルドに来てほしいってさ。もしかして緊急の依頼かもしれない」


 ザインさんが? そう考えるとまた協会からの依頼か?

 明日行くのは遅いから今から行った方がいいな。


「わかった、すぐに行くよ」


「すぐはやめた方がいいよ。この話は絶対にリンナには内緒だから夜に行った方がいい」


 リンナさんに内緒? もしかしてまた王都に絡みの依頼か……。

 別に言ってもいいと思うが、リンナさんが激怒するほどの内容なのか?


「わかった、夜中辺りに行くよ」


「そうしてね」


 じゃあ、夕食を食べ終わったら行くとしよう。

 屋敷の中に入って夕食の準備をする――。


「みんな帰って来たわね! アイシス、お菓子お願いね!」


「かしこまりました」


 リンナさんが来た。

 アイシスにお菓子を貰って喜んで食べていて、機嫌がいい。

 やっぱりザインさんは何も言っていないみたいだ。


「あら? みんな何ソワソワしているの?」


 アリシャから話を聞いてみんな落ち着かない様子だ。

 明らかに何か隠していますよって態度に出ているぞ……。

 これだとすぐバレる――。


「隠しても無駄ですね。実はリフィリアの故郷に魔物大量が発生していまして、すぐ街に出ないといけません」


 アイシスが唐突な発言を……。


「リフィリアちゃんの故郷が!? 大変じゃない!? みんな吞気にくつろいで大丈夫なの!?」


「問題ありません。ある程度討伐したので大丈夫です。しかし、今後のことを考えてザイン様に報告をしてからと判断しました。ご理解できると幸いです」


「そう、わかったわ。帰って早々に寂しいけど、頑張ってね! なんなら私も一緒に行こうかしら!」


 あっ、逆にマズい状況になってしまった……。


「リンナちゃん、私の故郷は今酷い状況だから見せたくないの……もう少し待ってね」


「そうなのね……リフィリアちゃんが言うなら待つわ……」


「フフ、ありがとね」


 リフィリアの加入でリンナさんが納得してくれた。

 なんとかごまかしてみんなホッとする。

 リフィリアはまだ見せたくないのは本当だとは思うけど。


 夕食を食べ終えて、各それぞれ解散をして、ソウタたちとギルドに向かう。


 ――中に入り、ギルドマスター室に入ると、ザインさんが溜息をつく。


「来たか……帰ってきて悪いが、いろいろと大変なことになっている……」

 

「大変とはいったい……」


「魔大陸の大量の魔物がこっちの大陸に移動している……」


 噓だろう……まさか魔王ですら止められなかったのか……。


「もしかして俺たちがその魔物の駆除をしてくれと?」


「話が早くて助かる。その通りだ……魔王がこの大陸に入らないよう足止めしていたが、魔力が尽きて休んでいる状態のことだ。魔大陸の使いの者から伝言で「止めれなかった。許してほしい」とな。まだこっちの大陸に来るまで時間がある――今協会と話をして準備をしている。これは依頼ではなく、大陸を守る防衛戦だ……だからお前たちは強制参加だ……」


 強制参加か……まあ、危なくなったら討伐してほしいと女神様からお願いされているから問題はない。


「わかりました。すぐに準備をしますので、どこに集合するのですか?」

 

「ちょっと待て!? そんな軽々しく受けるものではないぞ!? 魔王の魔力が尽きるほどの軍勢――いや、数百年に一度の大厄災――魔物の大進行(スタンピード)だぞ!? 相手は数万以上の魔物……命を落とす危険がある!」


 ザインさんは汗を流しながら慌てて言う。

 やっぱりこの異変は大厄災か、確か本では500年くらいにスタンピードが起きたと書いてあったな。

 じゃあ、周りに異常発生していたのはそのことか。

 今で納得した。

 

「ギルドマスター、俺は強制でも行くよ」


 ソウタは躊躇わずに行くみたいだ。

 魔大陸を襲った魔物が許さないだろう。


「ザイン様、私たちがついていますので、ご安心ください。絶対にご主人様を守ります」


「そうだな……嬢ちゃんたちがいれば大丈夫だな……だが、今回は俺も強制参加だ。一緒に戦うからよろしくな」


 やっぱり大厄災だとギルドマスターも参加するよな。

 

「わかりました。それでどこに集合するですか?」


「集合は魔大陸の境界近くの街――デストルツだ。そこでSランク以上の冒険者と集まって用意をするのだが……」


 再びザインさんがため息つく。

 何か問題でもあったのか?


「その前にお前さんたちは王都に行って王様に会う……」


 …………なんで王様に会う必要があるのだ!?

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