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205話 好みが分かれる


 ――翌日。


 みんなは畑に向かい、ワサビの様子を見に行く。

 楽しみにしているが、すぐ生えるわけでは……。


「「「穫れた!」」」


 みんな喜んで持ってきたのは緑色で根茎が円柱状に太い、立派なワサビだ。

 ほかのより育つのが早くないか……すぐに食べられて嬉しいけど。


 みんな俺を見てキラキラと目が輝いています……。

 作り方わからないからそうなりますね。


 調理場に行って担当している人に昼食は蕎麦と鯛の刺身とワサビに合う料理を作るようにお願いをしてワサビの下処理をする。

 根茎は当然すりおろして薬味として使うが、葉っぱも食べられるからサッと茹でて、醤油漬けにでもするか――。


 昼食ができあがった。

 大量のワサビを涙が出る覚悟ですっていたが、なんともなかった。

 俺は大丈夫だが、周りも影響なく作業ができた。

 

 この様子だと村長以外は食べれそうに違いない。


「「「いただきます!」」」


 みんな蕎麦つゆにワサビはかき混ぜて蕎麦を付けて食べると…………大半は涙を流していますね……。


「おいしいけど……からい……」

「涙がとまらない!」

「目にゴミが入っただけだ!」


 苦手のようですね……中にはミツキさん、ヒナ、ユナの多数は平然と喜んで食べている。


「「「おいしい!」」」


 やっはりワサビの辛さは好みが分かれますね。

 今後は苦手な人が多いからお好みでつけるようになるか。

 でも……続けて涙を流して食べているが、無理をしなくても……。


「うぅ……オイラ……やっぱり苦手だ……」


 特に村長は大号泣しながら食べていた……。

 みんなが食べたいからって一緒に食べる必要はなかったのに……。


 俺も食べるが――鼻から香りが抜け、ほど良い辛さがあり、美味しい。

 やっぱりワサビ最高です。

 今度はマグロやサーモンにワサビ醤油漬けにして食べるのもアリだ。

 また楽しみが増えた。 

 ソウタも普通に食べているから大丈夫みたいだ。


 意外なのはアイシスは涙を少しこぼして、リフィリアは辛いのが苦手なのに平気で食べている。


「美味しく食べられますが、涙が止まりません……」


「この辛さなら美味しく食べれるよ」


 好みの問題だからしょうがない。

 フランカ、ルチル、セイクリッドは多めに入れて食べています……。

 刺激が足りないみたいです……。


 守り神は食べ慣れているのか、尻尾を振って食べている。

 シエルは――。


「うぅ……涙が止まらないのじゃ……」


 うん、ダメでした。


 しかし……みんな食べたいとからと多く作ってしまった。

 夕食分も穫ってしまったから調理場に山ほどある。


 使わないのだったら食べる人の分とっておいて、俺がもらおうと思ったが。


「「「夕食も食べる!」」」


 みんな強がっています……。

 それじゃあ、食べやすいように猪肉(ボア)をミンチしてすったワサビを入れてハンバーグにした。

 ワサビの辛味成分は加熱すればまろやかになるから大丈夫なはずだ。


 ――夕食になり、反応は――。


「「「おいしい!」」」


 みんな涙を流さず食べてくれました。


「辛くない……おいしい……」


 村長は別の意味で涙を流しているけど……。


 結構加熱したから香りがなくなると思ったが、問題なく、ワサビの良いところだけ残って美味しくいただけました。

 これでワサビの栽培も継続してくれるはずだ。



 ――――◇―◇―◇――――



 ――滞在2週間が経過した。



 満喫してあっという間に街に帰る日になった。

 居心地が良すぎたのか、このまま隠居したいくらいだ。


 みんな集会場に集まって見送りをしてくれる。


「もう帰るのか……今度来るときは長めにいてもいいぞ! いや、もう一生住んでもいいぞ!」


 村長は胸を張りながら言う。

 完全に好かれました……。


「ははは……まだ先の話ですけど、そのときはよろしくお願いします……」


「うむ! ミツキ、ヒナ、ユナも大変だったらいつでも帰ってくるのだぞ!」


「「「わかった!」」」


『儂も喜んで歓迎をするからいつでも来てくれ』


 守り神は尻尾を振っている。

 滞在期間にあまり話すことができなかったから次はいろいろと聞いてみるか。

 俺たちはシエルに乗り――空高く飛び、小人たちは大きく手を振って見送ってくれた。


 息抜きもできたことだし、帰ったら依頼再開だ。 

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