表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
203/912

197話 大量炊事


 トマト畑に向かっていると、シエルは【身体強化・変】で身体を大きくして飛んでいる。


「「「楽しい~!」」」


 面倒なのか、小人をかなりの大きさになってまとめて乗せている。

 前は【身体強化・変】がなくて大変だったが今は負担もかなり軽減されたはずだ。

 高く飛んでいても喜んでいる声が聞こえる。

 とても満足しています。 


 すると1人の小人が落ちていく……あぶな!?

 しかも子ども!?

 いくら小人でもあの高さで子供が落ちると大怪我をする。

 

 見守っていたリフィリアがその子に近くまで飛んで、風で浮かしてゆっくりと地上に降りる。


「うわ~い! 落ちて楽しい!」


「無理をしちゃダメだよ」


「は~い!」


 リフィリアは優しく注意するが、本人は楽しそうです……。

 またやりそうだ……。


 そして次々とみんな落ちていくのですが……。

 リフィリアは全員風で浮かして受け止める。


「みんな困った子ね……」


 少々ため息をつく。リフィリアはお守りに大変です……。

 

 シエルが降りてくるが、息が荒く疲れている。

 通常の大きさに戻った。


『もう無理じゃ……限界まで大きくしたら、すぐ疲れるのじゃ……』 


 あれだけ大きくなると魔力消費が激しくなるよな。

 

「「「もっと乗りたい!」」」


 結局前と変わらないような気がします……。

 リフィリアはシエルの疲れを見て「マナチャージ」で強制的に疲れを治して、再びみんなを乗せて飛んだ。

 まあ、無理のない範囲ならいいか。


 農地に着くと、耕していない畑の前でルチルは張り切っていた。


「それじゃあいくよ~。――――アースコントロール!」


 ルチルは地面に手を当て、地魔法で畑を耕す――。

 大変便利なことで……。


「「「スゴ~イ!」」」


 農地にいる小人たちは飛び跳ねて喜んで、ルチルは胸を張ってドヤ顔している。


「みんなもその内使えるよ!」


「「「そうなの!? わ~い!」」」


 ルチルさん……小人は魔法が使えないから噓は言ってはいけません……。

 後々大変なことになりますよ……。


「耕したから早く種をまくぞ~!」


「「「お~!」」」


 村長の指示でテンションよくみんなは種をまく。

 昨日村長がトマトの畑を拡大するとか言っていたからトマトの種かもしれない。

 やっぱり【創種】の種だから肥料を与えないでまいている。


「ハハハ! 楽しいな!」


 セイクリッドは腰を低くして大きな手で器用に種をまいています……。

 手慣れている……もしかして戦闘以外もなんでもできたりして?

 まあ、頼むとしても力仕事だけど。


 その場を離れてトマト畑に着くと、昨日収穫した苗に小粒で青く実がなっているのですが……早すぎないか!?

 さすがに【創種】ですぐに生えるといえど、1週間くらいで再収穫できると思ったが、予想を上回る……。

 3日で収穫はできますね……。

 別に拡大しなくてもよかったのでは……。


 みんなでトマトを収穫して、十分な量になったら無限収納にしまって調理場に戻る。


 材料の準備ができたことだし、ケチャップを作っていく。


 各分担で――。


 トマトの湯むき、玉ねぎとニンニクの皮むきする人と分担して下ごしらえをする。

 小人のみんなは毎日作っているのか、むくのが早い。

 

 下ごしらえが終わったら、大きいボウルに入れてアイシスと一緒に風魔法を使ってミキサーみたいに攪拌させる。

 1番器用なリフィリアにお願いをしたいけど、お取込み中だからそうは言えない。

 多少は荒くはなるが、俺たちでもできる範囲だ。

 小人たちにもできるようにフランカにミキサーを作るのお願いしよう。

 

 ペースト状になったらを裏ごしをして種を取り除く、各寸胴に均等に分けて、酢、塩、胡椒、クローブ、ツリーシロップを入れて火にかけて煮詰める。

 あとは時間が解決してくれる。

 

 汁気もなくなり、ドロッとしたら完成をした。


 みんなで試食すると――。


「「「おいしい!」」」


 初めてのケチャップに喜んでいます。

 うん、酸味と甘みも塩梅よくできあがった。

 

 村長が試食したらずっと舐めていそうだな。

 ケチャップも完成したことだし、本格的に進められる。


 まずはお米を炊くところから――。

 みんな食べる量が多いからこれは指示ができない、別の人に任せてる。

 

 俺は具材を切る方に回り玉ねぎ、ピーマン、人参とみじん切りして、村で養殖している鶏肉(ホワイトバード)を小さく切る。

 まさかホワイトバードを養殖していたのは意外だった。

 だから卵も十分にあるのも納得する。


 具材を切り分けたら、特大サイズの大鍋に油を敷いて鶏肉を入れて炒める。

 ある程度焼いたら野菜も入れて火が通るまで炒める。

 ちょうどいいタイミングで土鍋入れたお米が炊けて、具材と合わせて馴染ませる。

 最後にケチャップと塩、胡椒を入れて全体が赤くなるまで混ぜてチキンライスの完成。


 順調だが、ここからが問題だ。

 卵で包んで完成させるか、ただ卵焼いてを被せて完成させるかだ。

 大人数だと被せるだけで楽でいいのだが、前にミツキさんに作ったオムライスは卵に包んだのを出した。

 まだ昼食までに時間があるけど悩む。


 とりあえずみんなにどちらかいいかフライパンで作って見せると――断然に包んだオムライスがいいみたいです。


 「難しいがみんなもやるんだよ」と言うと――。


「「「できる!」」」


 と笑顔で返してきました。

 早速みんなでやり始めると、器用に卵に包んでいます……。

 全然問題ありませんでした……。

 しかも作るのが早いです……。

 俺も負けじと一緒に作ってあっさりと全員分が完成した。

 

 時間もあったからミネストローネも作ることができた。

 

 外にはみんな集まっていて、みんな手伝って配膳をする。

 

 そしてみんな座って「いただきます」を言ってみんな口に運ぶと――。


「「「おいしい!」」」


 口を赤くして喜んで食べてくれます。

 特に――。


「うぅ……オイラのトマトがこんなにおいしい料理になるなんて感動だ……」


 村長は涙を流しながら食べています……。

 この様子だとこの村にもケチャップが大量生産しそうですな。

 

 夕食にナポリタンを作っても喜んでくれそうだ。

次の更新は15日昼過ぎです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ