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196話 歓迎会


 温泉に入り終わると、夜になった。

 夕食の時間になったからみんなでワイワイと集会場の方へ向かう。


「もうすぐできるから待ってね!」


「「「は~い!」」」


 周りは七輪を使ってキラースネークをタレをつけながら炭火焼きして、調理場からできあがった釜――カニ飯を次々と運んでいる。

 もうテーブルには――茹でた枝豆、揚げ出し豆腐、熊肉(ハニーベアー)と里芋の煮つけ、野菜の胡麻和え、カニ鍋などが置いてある。

 完全に和食ですね。

 本当にチトセの影響が大きい。

 だけど小人はオムライスやカレーなどの洋食は知らなかった。

 もしかしてチトセは和食だけ教えたのかもしれない。


「それじゃあ、歓迎会の始まりだ~。全部おいしいから食べてね! 恵みに感謝! いただきます!」


「「「いただきます!」」」


 小人たちは元気よく言うと喜びながら食べる。

 さて、俺も食べると――うん、美味しいです。

 昼食で食べた蕎麦と天ぷらもそうだが、また別格だ。

 高級の料亭で出てくる料理みたいだ。

 

「はぁ~酒が美味しいぜ~」


「じゃんじゃん飲んでね!」


 フランカは揚げ出し豆腐を食べながら熱燗を飲んでいる。

 もう瓶を5本分飲んでいるが酔っていない。

 まあ、温めて飲むから少しはアルコールが飛ぶからそこまで酔わないか。


 10本目になると――。


「へへへ……もっとくれ~」


 できあがっていました……。

 結局量を飲めば変わらないな……。

 しかし、酒を飲んでいる小人もかなりできあがっています。

 大半は2~3本飲んで酔っている。

 酒に弱いみたいだ。

 ミツキさんは飲んでも全然大丈夫だが。


「レイしゃん~のおなか~きもちいい~」


 酔った小人が俺に抱きついてきてお腹を方に顔当て、スリスリする。

 ほかにもセイクリッドやリフィリアにも抱きついて甘える。

 みんな酔うと甘えるタイプだな。


「おおきいひと~だっこ~」


「ウオッ!?」


 酔ったナイスバディな小人がソウタに抱きつく、精霊は……圧がすごいです。


「ちょっと離れなさい! 力が強すぎて離れないわ!」

「うぅ……早く……離れて……」

「離れてください! ソウタ様が興奮してしまう!」


 精霊は引っ張ってもソウタから離れない。

 落ち着かないと無理ですな……しかしソウタは慌てることなく、満面の笑みですが……。

 ああ、大きい方が好きみたいですな。

 精霊が目を隠すのも納得しました。


『このままお持ち帰りにすればいいのに~』


「「「イヤ!」」」


 エフィナ……変なこと言うなよ……精霊が涙目になっているぞ……。

 ソウタがするはずがないし、大丈夫なはずだ。


 それにしてもみんな笑顔で幸せだな。

 近くに街や村が無いのに不便になく暮らしている。

 ミツキさんがいろいろと買って貢献しているのもあるが、チトセの影響が大きい。

 仮にチトセがここに訪れていないならこの村はあまり進歩しなかったはず。


 偶然すぎる縁だな、本当にチトセとミツキさんには感謝しかない。


 お開きになり、村長に空いている場所を借りてフランカの家を出して就寝した。

 


 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


『起きろ! 寝坊助!』


 いつものようにエフィナに起こされると…………部屋いっぱいに小人がいるのですが……。


「「「おはようございます!」」」


「おはよう……」


『こんなにいっぱいいて、普通に寝ているとかすごいね。もし敵だったら瞬殺されてるよ!』


 いやいや、エフィナさん……その場合は殺気で起き上がるぞ……瞬殺されるかわからないが、逃げられないのは確かだが。


「レイさんを運ぶぞ~」


「「「わ~い!」」」


 小人に運ばれて集会場に来ました……朝食の準備ができて、みんなイスに座って待ってます。

 起きるの遅くて申し訳ないです……。

 朝食は山盛りにされたご飯、納豆、厚焼き卵、キラースネークの白焼き、野菜サラダ、カニの味噌汁です。

 みんなで「いただきます」を言うと勢いよく食べています。


 みんな朝からたくさん食べますね……。


 食べ終わったら各それぞれ分かれる――。

 

 フランカは鍛冶工房に行って指導する――。

 シエルは小人を乗せてお守りをして、それをリフィリアは見守る――。

 ルチルとセイクリッドは畑の手伝い――。

 ソウタと精霊たちは村の外を探索――。

 ミツキさんたちは村の足りない物資のチェック――。


 俺とアイシスは村長の要望でトマト料理を作ることになった。

 調理場にいるのだけど……最新の魔道具(コンロ)が備わっていています……。

 ミツキさん、儲けていますね……。


 調理場にいる小人に何がいいか聞いたところ、オムライスとナポリタンがいいらしい。

 理由はミツキさんが作り方を教えると、村長にトマトを大量消費するからと止められたみたいだ。

 今ならトマトをたくさん取っても問題ないからこの機に食べたいみたいです。


 村長……どれだけトマトをあげたくないのだ……。

 

 そうなるとナポリタンは昼食には間に合わないな。

 フランカに大型の自動式製麺機を作ってもらったが、大量に作るには少し時間がほしい。

 昼にオムライス、夜にナポリタンでいいか聞くと、笑顔で「いいよ!」と言ってくれた。

 決まれば材料は――トマト以外揃っている。

 時間がないから調理場のみんなと一緒に行ってトマトを収穫する。

次の更新は14日昼過ぎです。

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