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190話 長期休暇


 シャーロさんは取り合っていたお菓子――ミルクレープを食べて落ち着いたら話をする。


「ふぅ……疲れたときには甘いものに限る……じゃあ、話すね……魔大陸が前より魔物が異常に増えて厳しい状況になっている……危ないとプレシアス大陸に入ってしまう可能性がある……」


 さらに状況が悪化したのか……。

 

「やっぱり応援に行った方が……」


「まだ大丈夫……魔王がプレシアス大陸に入らせないように頑張っている……魔力が尽きる前に終わってほしいけど……」


 シャーロさんは耳を垂れさせて言う。

 魔王が必死に戦っているのか……こっちの大陸に来させないようにするとは本当に優しい魔王だ。


「これが大事な話だ。レイ君たちは休めるときだけ休んでおくといいさ。もし入ってきた場合対処をお願いしたい」


「レイ、危なかったらお願いね」


 ソシアさんとティーナさんがお願いするとはかなり深刻だな。

 他人事ではないから、そのときは向かうしかないか。


「わかりました。できるだけのことはします」


「うん……お願いね……」


 シャーロさんは尻尾振って機嫌が良くなった。

 しかし、魔王も無理をしないでほしい。

 こちらの王様と良好な関係なら大陸関係なく頼ってはほしいけど、責任を感じているのかな?

 大変な方向に進まないように祈ろう。


 話がこれで終わって帰れるのかと思ったが、無理でした……。

 まだティーナさんとシャーロさんが帰るのを阻止している……。


「帰るのは早いわよ……」


「もう少しいて……」


『アハハハ! もう逃げられないね!』


 前回と同じように俺が今世が終わったらどちらかの家に住むか揉めたりして、急にアイシスにも振ってきて困惑していました……。

 先の話なのに気が早いです……。

 結局3時間くらいいました……。


 帰るから庭園で遊んでいるルチルを呼ぶと双子の天使もこっちに来る。


「わ~い、楽しかった!」


「「またね!」」


 双子にはルチルと遊んでくれたお礼にチーズケーキを渡すと大喜びだった。


「「いつもありがとうございます! 救世主様!」」


 眩しい笑顔で返して、手を振って飛んで行った。


「また来たい!」


 ルチルもお友だちができたようで嬉しいみたいだ。

 次はできるだけ早めに来よう。

 魔法陣も出てきて帰る準備ができた。


「もう少しいてもいいのに……またね、みんな今度はセイクリッドも呼んでね。歓迎するわよ」


 セイクリッドも来てもいいのか……。

 いろいろと歓迎してくれますね。


「じゃあね……」


「次会うときはゆっくり話そうではないか」


『またね! 3人とも!』


 3人の女神様は手を振り――視界が真っ白になって、フランカの工房に戻って来た。

 横にフランカがミスリルを使って何かしら作っていた。

 

「帰って来たか! あっちではかなり時間が経っていたと思うが、ここでは数分も経っていないぞ!」


 今思うと時間の流れが違うのは不思議だな。

 他の人に気づかれないからいいけど。


「ご主人! 走り回ったからお菓子食べたい!」


「わかった。屋敷に戻ろうか」


 ちょうどおやつの時間だから屋敷に戻ってみんなでお菓子を食べた。



 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。



 朝早くからルチル率いる小人のみんなに起こされて朝食を食べる。


 今日はミツキさんの故郷に行く日だ。

 小人たちは久々に帰るのを楽しみにしていた。

 もちろん、ソウタたちも一緒に行く。


 準備ができたら庭に出てシエルに乗るのを待っていた。


「その前にリフィリアの故郷に寄りたいのですが、いいでしょうか?」


 そう言うとみんな喜んで頷いてた。  

 

「では転移魔法を使って移動しますので集まってください」


「「やった~魔法だ~!」」

 

 ミツキさん、ユナ、ヒナは大喜びだった。

 ほかの小人は首を傾げてわからない様子だったが、ミツキさんが説明すると早くしてと目を輝かせていた。


 リフィリアの故郷に行く理由はシエルの負担軽減と久々にセイクリッドに会うためだ。

 リフィリアはセイクリッドに毎回「ゲート」を使って食事を運んでいるが、俺たちはそれっきり会っていない。

 もし可能であればミツキさんの故郷に一緒に同行の許可をお願いしたい。

 さすがにずっと独りは寂しいからな。


 まずはセイクリッドに会って小人たちに判断してもらいたい。


「ご主人様、私も「ゲート」を使います」


 アイシスも「ゲート」を覚えたのか。

 こちらとしては大助かりだ。


 アイシスとリフィリアと一緒に魔法を使う――。


「「「――――ゲート!」」」


 みんなを転移して――目の前に見えるマナの木に、胡坐をかいて座っているセイクリッドの方に移動した。


「おお! 皆で揃って来るとは!? 知らない者もいるな! ところで今日の食事はなんだ?」


 セイクリッドは俺たちに気づくと立ち上がり、向かって来る。


「すごいなここは……って誰だよ?」

「すごいですわね……あの方は誰ですの?」


「シエルと同じ魔物のセイクリッドです。リフィリアの故郷の守護をしています」


 その発言でウィロウさん、グラシアさんは驚く。

 

「魔物なのか!? ここを守護って……すごいやつだな……」

「じゃあ、あの魔物は精霊と同じ神聖な存在ですわね。よく見たら魔力が綺麗に輝いていますわ」


 とりあえず2人は警戒しないで受け入れてくれた。

 あとは――。


「大きい人だ!」

「スゴイ大きい!」

「どうしたらこんなに大きくなるの?」


 警戒もしないで手と足に抱きついたりする。

 ルチルと一緒で問題ありませんでした……。

 

「ハハハ! ルチル殿と同じで小さいな! 食前の運動でもするか!」


「「「わ~い!」」」


 セイクリッドは小人たちを抱っこしたり、高く上げてたりして喜ばせていた。

 こっちも問題ありませんでした……。

 ある程度落ち着いたら食事――牛丼とみそ汁を喜んで食べる。


「いつ食べても牛丼はウマい!」


 牛丼が気に入ったようで毎日食べている。  

  

 初対面の人は兜をしながら食べているのを不思議と見る。

 気になると思うが、気にしないでください……。


「それで皆でどうした?」


「息抜きで一緒に出かけないか?」


「なんと! 我もついてきていいのか! 喜んで同行をしようではないか!」


「わかった。ミツキさん、セイクリッドも一緒によろしいですか?」


「いいですよ! 大歓迎します!」


「「「やった~!」」」


 小人たちも跳んで喜んでくれる。

 この様子ならほかの小人も大丈夫そうだ。


 シエルは【身体強化・変】で身体を大きくしてみんな背中に乗り――高く飛び、ミツキさんの故郷に向かう――。

 

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