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187話 再び魔法練習


 ――翌日。


「ご主人、起きて! 朝だよ!」


 ルチルの声で目を覚ますと、腹の上に馬乗りなって起してくれる。

 ブレンダとルルナは起きて朝食を食べているらしい。

 

『いつも寝坊助だね~早くご飯食べな!』


 リビングに向かうと、ルミンたちも来て朝食を食べている。

 みんなに挨拶をしてイスに座る。

 朝食はオレンジサーモンのパングラタン、スクランブルエッグ、野菜のチキンスープだ。

 うん、いつも通り量が多い……。


「今日はブレンダ様とルルナ様の魔法練習に付き合うのでたくさん食べてください」


 いや、魔法練習関係なく、多めにしているだろう……。

 朝食を終え、少しソファに座り消化するまで待機する。


 ――お昼頃になり、各それぞれに分かれる。


 アイシスはルミンたちに料理のレパートリーを教え、フランカは引き続き鍛冶――ミスリルの大剣を作りをして、ジョナサンは邪魔しないように鍛冶の見学をし、ルチルはフェンリと稽古しに、ソウタと精霊たちは保護者として一緒にギルドに行き、リフィリアは調合室でマナポーションを作りをする。

 シエルは窮屈だったのか、飛んで王都近場を散歩しに行った。

 

 俺とブレンダ、ルルナは家の周りにいる騎士に練習場を借りていいか聞いて許可が下り、魔法練習をする。


 ブレンダとルルナは早速手のひらに氷の球体を作った。

 2人ともこの1年――俺が教えたことを守って、毎日練習をして氷魔法を習得したらしい。

 まさか毎日練習して覚えたのは偉いな。

 今は初級の「アイスアロー」を取得したいらしく、アドバイスをしてほしいとのこと。


 それじゃあ、前と同じ的を作り出すか――。


「――――アイスウォール!」


 地面から氷の壁を出すと、2人は目を輝かせていた。


「早く習得したい……」

「私が求めている魔法……」


 俺の魔法は規格外なので憧れないで……。

 気を取り直して、最初はブレンダから、学校で使用している魔力コントロール用の杖を使って発動する。


「氷よ、敵を射貫け――アイスアロー!」


 小さな氷の矢? を的に当て、砕けた。

 まだ習得には時間がかかりそうだ。


 次にルルナだが、杖を5本も用意している……うん、大体予想がつきます……。

 張り切りながら魔法を使う――。


「氷よ、敵を射貫け――――アイスアロー! きゃあ!?」


 唱えた瞬間、杖は粉々に破壊され、氷の矢は創れたが、その場で暴発して砕け散った。

 魔力もごっそりなくなって少々疲れ気味だ。

 逆にルルナは杖を持たなくていいのでは……2人に合った練習方法を考えなければ……。


 いったん、「アイスアロー」の練習をやめて、2人には俺が手のひらに「氷の結晶」を創ったのと同じように創ることを指導する。

 一見、関係ないと思うが、氷の結晶は「アイスアロー」より創るのが難しい。

 あと、魔力をあまり消費せずに練習ができるから、効率がいい。

 氷の結晶が簡単に創れば、ほかにも「アイスバインド」「アイスショック」など覚えるはずだ。


 2人は真面目で俺の言った通りに練習をする。

 集中してやっているが、2人とも氷の球体になってしまう。

 やっぱり難しいみたいだ……。

 さすがに高度な技術だからとりあえず、三角、四角など、簡単なところから教える。

 今日はこれで終わりそうかな。


 ――3時間後。


 2人は小さいが氷で三角や四角など創ることができた。

 意外に早いな……さすが学年1、2位を争う2人だ……。

 2人は次はまだかまだかと目を輝かせて待っている。


 昼食の時間だから食べた後からと言うと、2人とも俺の手を掴んで、すぐさま家の中に入る。

 早くやりたい気持ちはわかるが、休むのも大事だぞ……。


 昼食はアイシスとルミンたちが作ってもらった――パン、甘口のカレー、サラダである。

 2人は勢いよく食べ進めて、早くやり始めるよう俺に急かす。

 ゆっくり食べさせてくれ……。


 食べ終わり、再び練習を開始した。


 今度はひし形にするように言うとすぐに練習をする。

 時間が経過すると騎士たちが気になったのか次々と見に来る。


 そんな大したことをやっていないのに……。


 ――2時間後。


 2人はひし形に苦戦をして魔力があまりない。

 これでお開きにしようとすると――リフィリアが家から出てきて、笑顔で2人にマナポーションを渡す。

 あっ……それは……。


 2人が飲み終わると、魔力が全開になって練習を始めた……。

 リフィリアさん、2人を休ませてください……。


 結局夕方になるまで練習をしたが、ひし形は難しく、できないまま終わった。

 けど、2人は成果があったのか満足げだった。

 とりあえず教えることは教えたから、あとは本人次第だ。


「今日はありがとう! お兄さん!」

「本当にありがとうございました!」


「そんな大したことはしてないから、家に入ろうか」


 家に入るとアイシスがお風呂に入るように言われて、昨日と同じように2人一緒に入る。

 今日もなのか……。


 風呂から上がり、外出組も帰って来て夕食を食べる。

 ラザニア、ローストビーフ、オレンジサーモンと青菜のキッシュ、ボアのスペアリブと豪華だ。

 みんな喜んで食べ終わった。


 少しのんびりしてブレンダとルルナは明日学校があるから寮に帰宅する。


「楽しかったよ! また王都に寄ったら練習お願いね!」

「次会う時もよろしくお願いします!」


「ああ、約束するよ」


 いつになるかわからないけど、魔物の騒動が終わったらゆっくり会いたいな。


 ルミンたちもアイシスに料理を教わって深くお辞儀をしてブレンダたちは笑顔で帰って行った。

 

 フランカもミスリルの大剣が完成したから予定通り明日王都を出る。

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