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167話 救助する


 ――1時間が経過した。


 地図の通りだとこの辺だが――あそこか。

 周りは戦闘跡が残っている平地だ。


 行く道中の下は森だったがあそこだけ広範囲で大地がえぐられている。

 元は森だったのかもしれない。

 地図の端に書いてあるのは「ミノタウロス、サイレントワーム、アーマーベアー、ロックモールに要注意」と書いてある。


 おかしいのはBランクのサイレントワームとCランクのロックモールだ。

 基本この2体は明るいところを好まず暗いところ――主に洞窟に生息していると言われている。

 外に出ることはまずない、もしかすると洞窟をダンジョン生成するのに追い出された可能性も高い。

 まだわからないが、明るい日中は現れないで、夜に現れるかもしれない。


 夜までに扉を壊せば問題ないが、フランカは――。


「お宝、お宝、何があるかな~」


『余裕だね~』


 テンションが上がっています……。

 扉をすぐ壊してダンジョン攻略する感じです……。

 まあ、扉がミスリルくらいの強度で魔力が通っていても炎の魔剣(フランカ)で壊せる範囲だから問題はないか。


 洞窟も見えてきた――場違いな赤い大きな扉で入り口を塞がれている。

 その扉は膨大な魔力――前回戦ったミスリルゴーレムと同じくらいの魔力だ。

 あとは強度がどのくらいかで壊せるか決まる。

 だけど……下には書いてあった通り、複数のミノタウロスやアーマーベアーがいる。

 そして地面の中に偉い数の魔力反応がある……。


「レイ、どうする? 周りは敵だらけだ。洞窟前の地面から魔力反応が多いから迂闊に降りられないぞ……」


 ソウタは恐る恐る言う、気づいたか。

 遠くなるが、安全のため、魔物がいない場所に降りるしかない。


「遠くても問題ないか?」


「大丈夫だ」


「シエル、引き返して森の手前で降りてくれないか?」


『わかったのじゃ』 


 シエルはUターンをして指示した場所に降りる。

 降りる瞬間に複数のミノタウロスとアーマーベアーが一緒に向かって来る。

 別個体の魔物が争わないで一緒に来るとかおかしい……。

 しかも気づくのが早い、違和感があり過ぎる……。


「ダンナ、どうする?」


「フランカは扉を壊すからあまり魔力を使わないように――ほかは魔物を倒してフランカの援護だ」


 みんな頷いて戦闘開始だ――。


 俺は金の剣(ゴールドソード)を創造して左手に持つ――。

 万が一のことを考えて魔力は抑えて戦う。

 

「「「ブモオォォォ――――!」」」

「「「ガアァァァァ――――!」」」


 とはいってもあの多さだと無理だな――。

 


「お任せください――――アイシクルチェーン!」



 アイシスは前に出て地面から氷の鎖を出し――複数の敵の腕と足を巻きつかせる。

 敵は鎖を引きちぎろうと、暴れだして抵抗をするがそれが命取りだ。


 アイシスは拳をギュッと握りしめて追加の発動をする。



「「「ビモオォォォ――――!」」」

「「「ブガアァァァ――――!」」」


 巻きついた鎖から血が出始めた――氷柱が刺さったみたいだ。


「あとはよろしくお願いします」


「――――絶剣!」

「――――絶炎!」

「――――水流斬!」

「――――ウインドランス!」

「――――フレイムナックル!」

「――――アクアナックル」

「――――ウインドナックル!」

「下等生物、覚悟するのじゃ!」


 剣、魔法、ブレスで1体、1体、確実に仕留める。

 倒しても次から次へとこっちに向かって来る。


「ブモォォォォ――――!」


 ミノタウロスが斧を振りかざして俺たちを狙う――魔法を使う余裕がない。

 みんな躱すと――敵は各それぞれ、みんな躱した方向に、待ち伏せしているかのように配置についている。

 こいつ、俺たちをばらけさすように狙ってやったのか……。 

 少人数にさせて複数で叩くってことか……しかも笑っている。

 そもそもこいつら知性なんてあまりないはず……。

  

 だが、相手に誤算がある――。


 俺を待ち伏せているミノタウロス2体とアーマーベアー3体だ。 

 その瞬間ミノタウロスが斧を大きく振り上げて俺の頭を狙う――。

 隙があり過ぎる……横に躱して――両腕を狙う。


「――――豪刃!」


「ビモオォォォ――――!」


 両腕を切断し、ミノタウロスはあまりの痛さに倒れてもがく。

 

「ガアァァァァ――――!」


 今度はアーマーベアーが鋭い爪を俺に向ける。

 爪は剣で受け止める。

 爪を弾き、隙があるうちに【武器創造】で金の槍(ゴールドランス)を右手に出して腹部を狙う――。


「――――絶槍!」


「ブガアァァァ――――!」


 アーマーベアーの鎧を貫通して槍を抜かずにそのままにする。

 2体仕留めた、残り3体――氷魔法を使う。


「――――アイシクルダスト!」


 冷気で囲い――無数の鋭い氷塵で身体を引き裂く――。

 3体は傷だらけとなり、倒れていく。

 こっちは終わった――。

 

「――――紅蓮割砕!」


 ソウタはミノタウロスを炎で纏った剣で真っ二つにして、俺の方に向かって来る。


 ほかのみんなも、敵をいとも簡単に倒して合流する。

 いくら俺たちが単体になろうとも、この程度なら切り抜けられる。

 敵の策にはまらない。

 

「しかし……あの数倒しても結構いるな……」


 ソウタの言う通り数十体倒してもまだ半数以上はいる。

 それに地面の方にも偉い数の魔力反応があって倒すのに時間はかかる。

 キリがない。


「じゃあ、私がやるからみんなはそこで待っててね」


「わかった、お願いするよ」


「うん、任せて」


 リフィリアは笑顔で返して敵の中を飛んでいく――。

 

 敵はリフィリアを攻撃を当てようとするが余裕で躱される。

 

「遅い攻撃じゃあ、当たらないよ」


「「「ブモオォォォ――――!」」」

「「「ガアァァァァ――――!」」」


 挑発に乗ったのか敵はリフィリアを追いかける。


 ある程度俺たちと距離を取ったら、高く飛び――【混合魔法】を使う。


「――――ブラックホール!」


「「「ブモオォォォ――――!」」」

「「「ガアァァァァ――――!」」」


 敵は黒い穴に吸い込まれていく――。

 吸い込むのはいいが敵はどこに移動させるのだ?


 全部敵は吸い込み――反応は……上だ。

 空を見上げると空高く次々と敵が落ちていく。


 地面に強く叩きつけられ倒れていく。

 相変わらずエグイことしますね……。


 


 ――――ゴゴゴゴゴゴゴ――――。




 ちょうど魔力反応がある地面の下に落としたのか、その衝撃で次々と全長1m以上ある金属のような鋭い爪をしたモグラ――ロックモール。

 全長10mはあるミミズの姿をして、大きく開いた口には無数の鋭い歯をむき出しにした――サイレントワームが数十体出てきた。


 しかも、こっちに向かって来る。

 こいつらもいろいろとおかしい……。

 日が当たっているのに……全員地面に潜らないで向かって来る……。

 サイレントワームは近くの獲物を捕食するとは聞いたけど、ミノタウロスとアーマーベアーに見向きもしない。

 何者かに指示されているのか、操られている感じに見えた……。


 こうなったらアイシスと一緒に「ブリザード」で――。


「イヤァァァ――! 気持ち悪い! ――――エクスプロージョン!」

「うぅ……こ、来ないで……――――タイダルウェーブ」

「ブラッドモスキートより気持ち悪い! ――――サイクロン!」


 プロミネンスは上空から爆炎を落とし――。

 その次にティアは大津波で流して――。

 最後はブリーゼの特大な暴風を起こして魔物を飲み込み――ボトボトと落ちていき、倒れていく……。


 サイレントワームは嫌みたいで、思いっきり上級魔法を使いましたね……。

 まあ、おかげで大半の敵を倒したからありがたい。


「フランカ、準備はできているか?」


「いつでも大丈夫だぜ! みんなアタイから離れていろよ――――ブルーフランベルジュ!」


 フランカは魔剣(自分)と豪炎に青く燃える剣を持ち――魔剣も赤い炎から青い炎に変わる。

 先ほどティアが水魔法で地面が濡れていたが、蒸気が発生して――干上がっていく。

 

 フランカは全力で扉を壊すみたいだ。

 これならいくら頑丈で魔力をコーティングした扉でも絶対に壊れる。



「今開けてやるよ! ――――蒼炎乱華!」



 フランカは周りに青い炎を纏い――勢いよく扉に駆けつけて、切り刻む。

 蒸気が残っていて見えにくい、金属音が響く――やったか?

 蒸気が消えると――扉は…………傷だらけで破壊されていない……。

 フランカは息が荒い……。


 噓だろう……炎の魔剣でも破壊できないのか……。

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