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164話 予兆通り


 前回と同じようにミランドさんの屋敷の庭で俺の誕生日を祝ってくれる。

 もちろん、ギルドのみんなを呼んで祝う。

 ミツキさん――小人たちも参加する。

 

 俺たちが来ると――みんな大変驚く、小さくなったシエルをまじまじと見る。

 スキルで大きさを変えられると言うと納得してくれた。


 誕生会が始まると当然だが、みんな食うわ飲むわで大賑わいだ。

 今回もアイシスとメイドたちが料理を作って、ほとんどミツキさんが持ってきた食材で和食、中華、洋食など豪勢な食事が用意され、みんなは勢いよく飛びついて食らいます。

 誕生日ケーキだが……前回と全く違う――全長5mはある大きなデコレーションケーキだ……。

 いつの間にかこんなの作ったんだ……。

 アイシスは目を輝かせながら俺を見る。褒めてほしいのか……。

 帰ったら頭を撫でよう……。

 

 今回も楽しく祝いが終わった。

 明日から引き締めて依頼でも受けようか。



 ――――◇―◇―◇――――



 あれから1ヶ月が経過した。


 ギルドで魔物討伐を受ける日々だ。

 シャーロさんの言う通り、最近魔物が活発でギルドのみんなは忙しい。

 俺たちも別々で依頼を受けている――主にオーガ、ワイバーン、バジリスクなどのランクの高い魔物を討伐しているがギリギリ間に合っている現状だ。

 

「素材が大量に入って嬉しいけど、忙しくて女神様の像が全然作れない……あ~むしゃくしゃするぜ!」


 フランカは素材目当てで依頼を優先してティーナさんの像を作るのにあまり捗っていないようです。

 まあ、魔物が多いからティーナさんもわかってくれるとは思うけど。 


 そのタイミングに街の周りには絶対に来ないと言われているリバークラブが大量発生、格好の餌として食べに来るキラースネークも住み着いてしまう……。

 生態系がおかしくなっている……。

 シエルにも討伐の手伝いをお願いした。

 いつもなら加減しないで跡形もなく火を吐いて消すが、大半は焼き蟹、焼き蛇にして終わる。

 

「【身体強化・変】のおかげで加減ができて嬉しいのじゃ!? みんなの飯となるがよい!」


 俺と同じ大きさになって狩っていました。

 手加減もできるとか便利ですね……。

 しかもみんなに分けてくれるのは優しいな……。


「わ~い、おいしいカニとウナギだ~」

 

 ミツキさんにも協力してアイテムボックスで回収をしてもらう。

 キラースネークをウナギとして認識しているのか……。

 リバースネークとは違うのですよ……同じウナギの味はするけど……。

 

「わ~い、大きなカニがいた~」


 ミツキさんが喜んでアイテムボックスから大きな蟹――丸焦げになったデスキングクラブを出した……災害級がいたのかよ!?

 ザインさんは大慌てして偵察者を派遣し、デスキングクラブ3頭を確認した。

 急遽、俺とソウタで対処して街の被害はなく、大丈夫だった。

 だが、リバークラブは倒しても数が増え続けてキリがない、さすがに街の人は不安には…………ならなかった……。

 ここでは蟹なんて滅多に食べられないからむしろ大喜びで、無料で食べられるから、ある意味蟹祭り状態だった……。

 タダ飯最高です。


 しかし、ほかの依頼でリバークラブの討伐に参加できる人が少なくザインさんは最終手段としてミツキさんに小人の派遣を要請した。

 ミツキさんは喜んで引き受けてシエルに乗って故郷に帰宅。

 翌日には戻って来た――シエルは【身体強化・変】で普段より大きくなって小人を10人連れて来た。

 前にド変態騒動に参加したカイト、ハヤト、トウマ、カエデ、リンの5人と――。


「ヒカルです!」

「ユイカです!」

「ウタです!」

「ツムギです!」

「タケルです!」


 と元気よく挨拶をしてくれた。

 あの5人の兄弟姉妹らしいです……まさか話を聞いて行きたくなったのか……。

 そしてまた――。

 

「レイさんの屋敷に泊まっていいですか?」


 ですよね……日頃お世話になっているからお安い御用だけど。

 

 「いいですよ」と言った瞬間大喜びで小人たちに胴上げされました……。

 そんなに嬉しいのか……。


『うんうん、久しぶりにレイの母性があって嬉しいよ!』


 そう言ってエフィナが茶化してきます……。

 もう慣れました……。

 

「みんなでカニとウナギを狩ってお土産にするぞ~」


「「「お~」」」


 胴上げが終わったら遠足気分で狩りに行きました……。

 小人恐ろしいです……。


 夕方には泥まみれで帰って来て風呂に入るよう言うが、俺……強制的に一緒に入ります……。

 

『なんで小人に欲情しないのだ……多いから期待していたのに……』


『するわけないだろ!?』


 全く……完全アウトだろう……ダメに決まっている……。

 

 いつものメンバーが夕食を食べに来ると――。


「「「増えてる……」」」


 小人の多さに驚いています……。

 普通ではあり得ないことですな……。


 夕食はもちろん、リバークラブを使った料理――茹で蟹、焼き蟹、蟹飯、蟹玉、カニクリームコロッケなどで美味しくいただきました。


 小人たちが来たおかげでリバークラブは徐々に減って来た。

 あともう少しだ――。



 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


 みんなで朝食を食べているとザインさんがやって来た。


「みんないるからちょうどいい――レイ、ソウタ、嬢ちゃんたちに話がある」


「話? 依頼ですが?」


「ああ、協会からな――お前たちに依頼を推薦してほしいみたいだ」


 まさかこのタイミングで協会から依頼か……しかもソウタも一緒ってことは相当大変な依頼なのか?

今回新しく来た小人5人は――。 

ヒカルはカイトの弟。

ユイカはハヤトの妹。

ウタはハヤトの姉。

ツムギはカエデの妹。

タケルはリンの弟。

と設定しています。

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