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162話 離れてくれません……


 ソシアさんは前回来た場所に案内をしてもらい、白いテーブルとイスが設置してある場所に着いて座るのだが……前と同じでシャーロさんは俺の股に座り、ティーナさんは俺の近くにイス移動させて座る……。

 

「もう少し離れて……」


「離れないわ……」


『アハハ! 揉めている、おもしろい!』


「全く……レイ君に迷惑だろう……」


「俺……逃げませんので……2人とも離れて――」


「「イヤ」」


 無理でした……2人が気が済むまで大人しくしていよう……。

 アイシスとリフィリアはこの状況に慣れているが初見の方はポカーンとしています……。

 自分が思っている女神様のイメージが違うみたいだ……。

 フランカの場合は俺の記憶でわかっているとは思うが。


 アイシスがお茶――緑茶とガトーショコラを用意した。

 女神様3人は目を輝かせながら食べる。


「美味しい……10ホールちょうだい……」


『そんなに食べるの!?』


「地上でしか食べられないから……アタシはこういうの作れない……」


「悔しいけど美味しいわ……もっと女子力があれば……」


「私たちはお菓子作りは得意ではないからな、エフィナは知っているだろう?」


『それは知っているけど、長いことボクがいなかったのだからお菓子くらい作れる余裕はあったでしょう? いつかお嫁に行くから練習しないと!』


 エフィナさんご冗談言っていますね……女神様がお嫁になんて――。


「アタシは食べる方だからいい……」


「私はいつも料理しているけど、お菓子は難しいのよ……」


「言い訳させてくれ、私は時間に余裕がないから無理だ」


 女神様でも結婚概念はあるのか……意外でした……。

 

「よろしければ私が作り置きしたお菓子を差し上げます」


「ん……お願い……いっぱいちょうだい……」


「私もお願いするわ」


「是非お願いするよ」


 やっぱり女神様も甘い物には目がないですね。

 アイシスは無限収納から沢山のお菓子テーブルに出す。


「アタシはこれとこれ……あとで食べる……」


 シャーロさんは手を伸ばすと――ガトーショコラ、フィナンシェ、ミルクレープなどのお菓子が消える。

 無限収納を使えるのか、女神様だからこのくらい簡単か。


「シャーロ、そのお菓子は私が狙っていたのよ!」 


「早い者勝ち……」


「では私はこれを――」


 ソシアさんも半分以上無限収納にしまった。

 かなりしまったな、意外にお菓子大好きなのか。


「ソシア! それも私が狙っていたお菓子!」


「シャーロの言う通り早い者勝ちだぞ、なんなら残りの分も私がもらおうか?」


「残りは私の分よ! というか多めに取ったら太るわよ……」


「私は動いているから太らないぞ」


 ティーナさんも無限収納にしまった。

 女神様でも太るのか……いろいろと発見があります。


「でも多めにもらってもすぐなくなりそうね……」


 あの量でもすぐなくなるのか……甘い物は別腹ってことか。

 

「ご安心ください、次お越しになる時はもう少し多めに持って来ます」


「いいの!? 今度私が食べたいのお願いするわ! 今メモするからよろしくね!」


 そう言ってティーナさんは紙とペンを出して書き始めた。

 俺は横目で書いているのを見てると……多いな……。

 パンケーキ、ガトーショコラ、ラスク、イチゴのデコレーションケーキ、レアチーズケーキ、生チョコレート、ドーナツ、まさかのおはぎ、みたらし団子など和菓子も書いている……。


「これ全部お願いね」


 ティーナさんはアイシスに書いた紙を渡す。


「かしこまりました。期待して待ってください」


「ええ、しかし……レイの周りは豊かになりすぎて驚いたわ……小人が迷い人と一緒にいたなんて初めて知った……」


「あの、ソウタとその小人に遭遇した日本人以外にも迷い人はこの世界にいますか?」


「私もそこまでは把握できないわよ。どこかで大暴れしていればすぐにわかるけど、誰かさんと違っておとなしくて助かるわ」


 誰かさん? ああ、勇者召喚された人か……。

 ズイールの帝国も大概にしてほしいな……今ソシアさんが阻止しているからいいけど。


「その迷い人……まだ地上にいるよ……」


「えっ? 知っているのですか?」


「違う……亡くなったら天界――私たちの領域に魂が来るから把握できる……」


 まだ生きているってことか、確か守り神は300年以上長生きしているってミツキさんが言っていたからその旅人も同じくらい生きているのか? 調べる必要はあるな、それくらい生きているなら良く目立たないでいたな……楽しく隠居生活でもしているのか……。

 機会があれば会ってみたい。 


「あの~ちなみに俺は迷い人で誤ってこの世界に来たみたいですけど……地球に強制送還はあるのですか……?」


 ソウタは手を上げて恐る恐る言う。

 疑問があるのか、ソウタの発言で精霊たちは驚く。


「帰らないで!」

「主と一緒がいい……」

「地球に帰るのなら私も一緒に行きます!」


「別に帰りたくもないぞ、一応確認するだけだ」


「ソウタ君、強制送還などはしないから安心したまえ、君を尊重する。もし帰りたいのであれば地球の神に行ってお願いすることは可能だが?」


「このままでいいです。今が楽しいので帰りたくないです」


「わかった、引き続き楽しんでくれたまえ」


 ソシアさんが言うと精霊たちはホッとした。

 ソウタは地球に帰れるのか、迷い人は選択肢はあるみたいだ。

 俺は転生したからもう無理だけど。


『むっ? 誰じゃ?』


 シエルの声で後ろを振り向くと、そこには翼が生えたポニーテールとツインテールの――前会った天使の双子が飛んで、ティーナさんに近づく。


「「ティーナ様、庭園の手入れ終わりました!」」


「ご苦労様です。今日はゆっくり休んでいいわよ」


「「ありがとうございます! あっ、救世主様だ! こんにちは!」」


 双子が俺に気づくと笑顔いっぱいに返してくる。

 眩しい……というか俺のこと覚えていたのか。


「こんにちは、元気がいいね」


「はい! 作業の前にご飯を食べましたので元気いっぱいです!」

「救世主様の言う通りに作業前にご飯を食べています!」


 まさか俺の言う通りしているのか、意外だな。


「うん、偉いな」


「はい! お取込み中なので私たちは失礼します!」

「時間がある時遊びましょう!」


「あっ、ちょっと待って」


「「なんでしょうか?」」


 双子が去ろうとする前に俺は止める。

 俺は無限収納からチーズケーキ2ホールを出して双子に渡す。

 前マドレーヌ食べていてこれ以上のない笑顔で食べていたから何故か渡したくなってしまう。


「これあげるからゆっくり食べてね」


「「わ~い! ありがとうございます! では失礼します!」」


 にっこりと笑顔で返して飛んでいった。

 眩しい……恐るべし天使……次に会ったときも渡してしまいそうだ。


『天使の子だね~あっ、天使だった、テヘッ』


 エフィナは1人ツッコミしていた……。

 楽しんでいますね……ここに来ると本当にイキイキしています。


「なぜかレイは好かれるのよね~」


「今でもダメなのですか?」


「変わらないわよ、レイみたいにほかの天使と接してくれればいいのに……今後大丈夫かしら……」

 

 ティーナさんは深く溜息をついた、あの2人の将来性が心配なのか。

 

「別にあの子たちのペースで人見知りを治せばいい……何百年かかろうが問題ない……」


 桁が違いますね……というか人見知りを治すのにその期間設けているとか凄いな……。 


「そうだ、ティーナが焦る必要なんてないぞ。私たちは見守る義務があるからな」


「わかっているわよ。もし数百年で治らなかったら別の方法を探すからいいわよ」


 やっぱり女神様の器が違いますね。

 さすがです。

  

「そうだな、この話は後にして――レイ君たちに話さないといけないことがある。今後に影響がある話だ」


 ソシアさんは深刻な顔して言う何か大変なことなのか?


「今後の影響とはなんですか?」


「ああ、魔物のことだ、シャーロ頼めるか?」


「アタシが説明する――」


 みんなでシャーロさんの話を聞く――。 

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