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159話 長かった……本当に長かった……

 

 ――翌日。


 俺とソウタはギルドに呼び出されて向かうと――。


「本当に多大な迷惑をかけてすまなかった……謝礼として受け取ってほしい……」


 侯爵はソウタに頭を下げて、決闘の不戦勝の報酬金と謝礼金を合わせて白金貨25枚を受け取った。

 一生とは言えないが、当分金には困らないな……遊んで暮らせる……。


 そしてド変態の処罰は――ギルドカード没収と侯爵の屋敷で100年の謹慎処分が決まった。

 普通の人間では長すぎるが、エルフにとっては妥当な処罰みたいだ。

 ソウタにも確認すると、納得してくれて受け入れてくれたが、精霊たちはあまり受け入れてくれない様子。

 まあ、あれだけド変態に酷いことをされたら無理もない。

 もう二度と会わないし、これから幸せな暮らしが待っているから時間とともに忘れて、傷が癒えてほしい。


 戦に参加したハヌヤ――ド変態信者たちの処罰はエルフの谷の追放で、侯爵が面倒を見ることになった。

 侯爵はズイール大陸の近くの国境の街――アスタリカでズイールの監視及び、検問をしている。

 そこでズイール側から暴動が起きたために、ド変態信者を鍛え上げて、戦力として使うみたいだ。

 いや、戦力になるのか……弱いから絶対にスパルタが待っているはず……。


 ド変態信者にそのことを伝えると、なぜか大喜びであった……。


「スール様のお父様の慈悲に感謝して一生尽くします!」

「ああ……神様だ……侯爵様にこの身を捧げます……」

「スール様と……スール様のお父様と一緒にいられるなんて幸せ……」


 信者にとっては処罰にもならなかった……。

 特にハヌヤは――。


「罪を償って侯爵様、スール様に生涯尽くします! もし可能であればスール様と結婚させてください!」


 暴走をしていた……。

 聞いた侯爵は引いています……。


「ちょっと待て……君は何を言うのだ……同性での結婚は――」


「あらあら、結婚はともかくスールちゃんが支えになる子は歓迎するわ~よろしくね~」


「あ、ありがとうございます!」


 ハヌヤは喜びのあまり泣き始めた……。

 そんなに嬉しいのか……しかし婦人も軽く受け流しましたね……。


「だけど~みんな弱いから~」


 婦人は笑顔で【威圧】を出すと――。


「「「――――ひぃぃぃぃ!?」」」


「まずは私の【威圧】を耐えようね~」


「「「はははは、はいっ!?」」」


 信者たちは汗をダラダラと垂らしながら身体を震えていた。

 スパルタ確定ですね……。


 その翌日には侯爵は信者たちを連れて帰る。

 ド変態とはもう会わないと思うから見送りに行くと――。


「い、いやだ! パパ上、ママ上帰りたくない! 屋敷に100年も引きこもるのはやだ! みんなの言うこと聞くから帰りたくない!」


 縛りつけにされたド変態が泣きながら叫んでいる……。

 いい大人が駄々こねて恥ずかしくないのか……。


「スールちゃん~大人しくしないと、どうなるか~わかっているわよね~」


「――――ひぃぃぃぃ!?」


「それではよろしく頼みます……」


「ザインも今まで面倒を掛けてしまって悪かったね、では行くとするよ」


「――――いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 ド変態叫びながら侯爵と婦人の馬車に騎士たちに無理やり乗せられ帰って行った……。

 これでやっと終わった……。

 気が抜けて、どっと疲れがでてきた……一番大変だったソウタもお疲れさまです……。

 当分はのんびりしよう……。



 ――――◇―◇―◇――――



 あれから3週間が経ち、普段の日常が戻った。


 ド変態信者が多いエルフの谷の住民はというと――侯爵が使いの者を派遣して報告しに行き、住民にはド変態が無理矢理ソウタの精霊を引き離したこと、精霊のために住民を利用したことを伝えると、怒って設置してあるド変態の銅像を破壊したらしい。

 もうド変態は来られないな……。

 その後、住民は管理をしているフーツに謝ってフーツはエルフの谷に戻って普段通りの日常を送っている。


 リリノアさん、サーリトさん、商都の冒険者も用が済み帰宅、帰り際にサーリトさんは――。


「レイ君またね、今度はルルナを連れて遊びに来るからね」


 ルルナはブレンダと同じで学校が休みでも帰らないで勉強するみたいだ。

 休みになったら俺の方に来るとは言っていたが、もっと勉強してから俺に会いたいらしい。

 約束を破って申し訳ないと言っていたみたいだ。

 まあ、俺はそこまで気にはしてはいないけど。


 派遣された小人5人はミスリルの軽装の鎧が完成するまで街に滞在をして俺の屋敷で泊まっています……。

 その間は街の観光をしたり、ミツキさんの職場の手伝いなどしている。

 そして毎日のように、お風呂の時間になるとみんなに強制的に連れられて一緒に入っています……。

 もう慣れました……。

 鎧が完成すると――。


「「「わ~い!」」」


 みんなは大喜びして庭を駆け回っていました……。

 翌日にはシエルに乗って帰宅、手を振って――。


「楽しかった!」

「またね!」

「バイバイ!」

「今度は私の村に来てね!」

「また一緒にお風呂入ろうね!」


 元気よく帰って行った。

 みんな俺に印象いいみたいだし、そろそろ小人の村に行こうかな。


 そしてソウタと精霊たちはド変態からようやく解放されて幸せな暮らしをしている。

 毎朝いつものように朝食を食べにい来るのだが……ソウタはゲッソリしていて、精霊たちの魔力が輝いています……。

 何とは言わないが、ほどほどにしろよ……あっ、リフィリアさん……俺に熱い視線を送らないでください……。

 これが毎朝の日常となった……まあ、平和でいいか。

 もうすぐで誕生日になるけど、それまでゆっくりと休んで依頼を受けようかな。  

ガレン「エルフの谷でソウタさんとスールさんの決闘観たかったな……」


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