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155話 残念な戦い


 エルフたちは重戦士に剣を振りかざし――盾に防がれ金属が鳴る。

 

「はぁ……弱すぎないか。よくもまあ、勝利を宣言をしたものだな――オラッ!」


 アルロさんは盾で身体ごと弾き返して、エルフは後ろに下がり体勢が崩れる。

 ほかの重戦士のみんなも軽々と弾き返す。


「つ、強い……」


「お前たちが弱すぎだ、エルフの谷任せで残念な奴らだ」


「俺たちをバカにするな――――ブヘッ!」


 エルフは剣を振る前に盾で顔面を殴られて吹っ飛んでいく。

 ここまで弱くなるのか……いや、これが本来の強さか。

 強さ的にCランクの魔物倒せるのかも怪しい……。  


「何をしている!? 下がれ! 魔法で攻撃だ!」


 ハヌヤの声でエルフたちは慌てて下がっていき、詠唱を始めた――。


「「「岩よ、貫く槍と化せ――――アースランス!」」」


 無数の岩の槍を放ってくる――数は多いがお返しといきますか。


「リフィリア、ブリーゼ、手伝ってくれるか?」


「うん、いいよ」


「お任せください!」


 3人で風魔法を使う――。



「「「――――エアリアル・リフレクト!」」」



 風の球体で覆い――無数の岩の槍は周りを回って跳ね返す。


「に、逃げろ!?」

「なんだあの魔法は!?」

「こっちに向かって来る――当たるぞ!?」


 軍勢は返ってくる岩の槍を避けようと攻撃をやめて必死に逃げ回る。

 防御魔法を使えばいいが、間に合わないみたいだ。

 そんなことも把握しないで、よく魔法を撃ってきたな……。

 油断しすぎだ……。

 

「お前たち、元の配置に戻れ!?」


「今よ! 攻撃よろしくね!」


「「「――――ウオォォォォ――――!」」」 


 連携も崩れを落ち、隙ができたらセーレさんの指示で前衛は敵陣に向かう――。

 俺は切れない金の剣(ゴールドソード)を創り、周りをエルフを気絶させる程度に加減をして腹、首裏などに当てる。


「「「わ~い! ――――旋脚!」」」


「――――ブエッ!?」

「――――ゴホッ!?」

「――――ガハッ!?」


 小人たちは喜びながら次々とエルフの腹を蹴り、思いっきり吹っ飛んで行く。

 エルフの谷では強化されて軽減されていたが、今となっては一溜まりはないだろう。


「とうっ、――――旋脚!」


「――――――ゴグハッ!?」


 魔力の多いカエデは鎧を破壊して誰よりも相手を飛ばしていく。

 うん、カエデに当たったエルフはご愁傷様です……。

 蹴り飛ばされた相手は泡を吹いて気絶していた。

 それを見たエルフはガタガタと足を震えている。

 あっ、トラウマが蘇っているな。

 

「こ、小人が5人もふ、増えている!? そ、そんな話は聞いていないぞ!?」

「ひぃぃぃぃ――――!? く、来るな――――ブヘッ!?」」

「お助け――――ガハッ!?」

 

「わ~い、待て~」


 小人のみなさんは楽しんでいますね……。

 恐ろしいです……。

 さすがの相手も引くはずだが――。


「精霊がいたぞ! スール様に献上だ!」


「俺が先に手に入れるぞ! 捕まえたものは報酬としてスール様と添い寝ができる!」


 なんだその気持ち悪い報酬は!?

 信者としては豪華なのか……。


『うわぁ……そのために戦っているって……残念すぎる……』


 エフィナさん、気持ちはわかります……。

 先ほど小人に怯えてたのに平然としている……。


「スール様のために捕まえ――――グエッ!?」 


「よくもやってくれたわね! ――――フレイムナックル!」

「近寄らないで……――――アクアナックル」

「本当に懲りませんね――――ウインドナックル!」


 精霊たちは魔力を解除して暴れている。

 派手にやっていますね……あれだけ酷いことすればそうなるか……。


「どんな手でも捕まえろ!」


 相手は周りを無視をして精霊の方に向かう。

 そこまでしてド変態と添い寝したいのか……。


「許さない……――――サイクロン!」


「「「――――ギャァァァァ――――!?」」」


 リフィリアは精霊の周りをエルフを暴風に飲まれていく。

 リフィリアさんの方が派手にやっていました……。


「洗脳者を発見! 首を取れ! コイツの首を献上すればスール様と結婚できるぞ!」


 全く意味がわからないぞ!?

 精霊は添い寝でソウタは結婚とかなんだよその報酬は……。

 しかも男たちは燃え上がるように魔力を解除している……。

 同性でも結婚したいのか……いや、信者にとってはそんなの関係ないか……。


『ボク……吐き気が……』


 エフィナさん、我慢してください……。


 今度はソウタの方へ次々と向かっていく。

 さすがに危ないからソウタの近くに行こうとするが、周りが阻んですぐには行けない――こうなったら。


「――――豪風刃!」


「「「ギャアァァ――!?」」」


 剣を風を纏い――地面から切り上げる。

 相手は勢い良く空へと吹っ飛んでいく。

 間に合うか――。


 しかし、ソウタは既に敵に囲まれていた……。


「覚悟しろ洗脳者!」


 周りはソウタを剣で突き刺そうとするが――。


「――――トルネード!」


「「「――――ギャアァァ――――!?」」


 ソウタは剣を全方向に振り――自分を軸に竜巻を起こし、周りの敵は飲まれてボトボトと地面に落ちる。


「ひやひやしたぞ……もしかして、ワザとおびき寄せたな?」


「そうだよ、俺狙いは確かだからな。こんな簡単に釣られるとは思わなかったが」


「無茶はするなよ、これからド変態と戦うのだから魔力使うのは控えてくれ」


「わかった、じゃあ、アイツのところまで頼むよ」


「了解」


「ひ、怯むな!? 洗脳者を叩き潰せ!」


 敵は変わらずにこっちに向かって来る。

  

「しつこいですね――アイスバインド」


「冷たっ!? う、動けないぞ!?」


 アイシスが駆け寄り――敵に氷の拘束をした。


「腹くくれよ! ――アースバレット!」


「「「――――ブヘッ!」」」


 フランカも駆け寄り――岩の弾丸を腹に当て、次々と倒れていく。

 キリがないな……ド変態も奥の方に逃げているみたいだし、全員倒してからソウタと対決させるか。


「全く……情けない奴らだ! 私が格の違い見せてやる! そこのお前――勝負しろ!」


 前に出て来たハヌヤが俺の方に剣を突き指し睨んでくる。

 またか……しょうがない、相手するか。


「いいけど、エルフの谷ではないから手加減しようか?」


「貴様! 私をバカにしやがって――覚悟しろ!」


 挑発に乗って一心不乱に剣を振るう。

 俺は軽々と躱す――やっぱり大したことはないな……。

 怒りだけで剣を振っている。本当に指示している奴の戦い方か……。


「避けるな! 真っ正面と戦え! さては私の剣が怖くて避けているな!」


 コイツ面倒くさいな……痛い目に合わせるか。

 

 ハヌヤの剣を目掛けて――。


「――――斬破!」


「な、剣が折れ――――ウブッ!?」


 剣を折った後に鎧も破壊した――。


「誰が怖いって? 勘違いするな――今、丸裸なお前に何ができる……お前こそ覚悟はできているな?」


「や、やめろ!? 私はスール様の側近だ! タダで済むとは――」


 ハヌヤは青ざめながら、汗を垂らして無意味な発言をする。

 もう遅い――左手の拳に炎を纏う。


「――――紅蓮拳!」


「――――グブエッ!?」


 腹目掛けて当て――吹っ飛び、後ろにいる奴も巻き込んでいく。

 加減しないでやってしまったが、後ろの敵がクッション代わりになって軽減したから良しとしよう。


 指示役もいなくなったことだし、このまま周りを倒していきますか――。


 

 ――1時間後。



 敵は――平地に倒れて気絶をしている。

 残りはガタガタと震えているド変態だけとなった。

 邪魔者はいなくなった、あとはソウタが思う存分暴れるだけだ。  

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