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151話 強力な助っ人


 ホールにはギルドのみんなが勢揃いして、その奥にはザインさんとリリノアさんがいる。

 

「急で悪いな、みんな――わかっているやつもいるが、スールの問題だ……今朝、門番から見知らぬエルフが来て、手紙が渡された……精霊を返さなければ3週間後に、この街を数千の軍勢で襲撃すると書いてある――あの大バカ野郎がソウタの精霊をまた奪うような暴挙に出ている――」


 聞いてみんなは「またか」みたいな感じでため息をつく、精霊たちは……ガタガタと震えてソウタにしがみついています……。

 無関係な街まで巻き込むのかよ……というか完全な犯罪だろう……。


「――それでだ、これから緊急の依頼を出す――街周辺の警備してくれ、不審なエルフを見かけたら直ちに報告、戦闘を仕掛けてきたら容赦なく拘束をしろ。日給で銀貨3枚だ、指示はセーレに聞いてくれ――スールのことだから予定を守らずに襲撃してくる可能性があるから気を抜くなよ。俺からは以上だ。では解散――」

 

 かなり高めな報酬だな、それほど警戒しているってことか。

 みんな解散をして――ザインさんが俺たちの方に向かって来る。

 

「レイとソウタはこれから相談がある、会議室で待ってくれ――嬢ちゃんたちも一緒に参加しても構わない」


 やっぱりそうなりますよね……。

 俺たちは2階にある会議室に入り――イスに座って待っていた。


 ――30分後。


 集まって来たのは、ザインさん、リンナさん、リリノアさん、ミランドさん、サーリトさん、フーツでそれに……なぜミツキさんがいるのだ……。

 周りを囲んで会議が始まった。


「その前に私とフーツから謝罪を……スールさんの非行に加担、精霊使い――ソウタと精霊に多大なご迷惑をおかけして申し訳なかった……」


 サーリトさん、フーツはソウタたちに頭を下げた。

 

「すべてアイツが悪いから頭上げてくれ……俺たちは大丈夫だからさ……」


 精霊たちも頷いて大人の対応した。

 

「ありがとう……これからは全力で補助するから安心して……」


 これは和解? でいいのかな?

 全力で補助するとかどういうことだ?

 

「気を取り直して――今後のことをだが、俺たちで話し合った結果……スールの問題が解決するまでソウタと精霊は商業都市で保護する話になった。いくらミスリルカードでも身の危険がある……強制ではないがどうする?」


 確かにソウタたちの安全確保のために商業都市で行った方がいいな、本人は悩んでいるが。


「いや、俺たちはここに残ってアイツを倒す」


「マジかよ……俺は止めないが、もう関わらなくてもいいのだぞ……」


「これは私たちの問題……ソウタと精霊にはゆっくりと休んでほしい……」


「アイツは痴漢のようにネチネチと来るから俺は黙っているわけにはいかない――いや、倒さないと気が済まない……」


 優しいソウタでも我慢の限界か、怒っている。

 

「わかったよ、スールを倒すたって前線で戦うことになるぞ? それでいいのか?」


「ああ、頼む……みんなの力を貸してほしい……」


「力を貸すも何も当たり前だ、ミランドもそれでいいよな?」


「街を守ってくれるなら構わないよ、思う存分暴れてくれ」


「決まりだな。念のためであるが、商業ギルドの冒険者を派遣してもらい――あとはミツキの方で小人を5人くらい派遣してほしいのだがいいか? 報酬はこれくらいだ――」


 ザインさんはミツキさんに白金貨3枚を渡した。

 ガチですね……だからミツキさんも呼んだのか……それにこんなに資金を……もしかしてサーリトさんの補助か……。


「わ~い、白金貨だ~わかりました! 喜んで引き受けます! ですがこんなにもらってもいいのですか?」


「心配するな、軍資金としてスールの親父さんからいっぱいもらうから問題ない。息子の反乱を絶対に止めてほしいことだ」


 そっちかよ!? 

 まさか侯爵も黙ってはいなかったか……父親はまともで良かった……。


「そうなのですか! 納得しました! それではレイさん、シエルさんによろしくお願いします!」


「わかりました」


 小人が派遣すればもう怖いものはないな……。

 たとえ数千の軍勢でもミツキさんたちなら余裕で壊滅しそうな……。


「よし、余裕で大バカ野郎を阻止できる、俺から以上だ。また後日、会議するからよろしくな」


 こうして会議が終わり、敷地内に戻ってシエルさんに訳を話してすぐにミツキさんと出発をした。

 5人も連れて来るからウィロウさん、グラシアさん、ヒナ、ユナはお留守番なのだが……なぜか俺の屋敷でお泊りです……。

 理由を聞くと、すぐにミツキさんをお迎えできるからそうです……。 

 1日だけでも我慢できないみたいです……。


 

 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


 

 夕方過ぎになると――窓からシエルが降りてくるのが見えて、帰って来た。

 背中にはミツキさんと、呼んで来たポンチョを着た小人たちが降りてきて――ヒナとユナが初めて来た時と同じように周りを見回る。

 

「「みんな~久しぶり~!」」


「あっ、ヒナとユナだ!」


 小人たちはヒナとユナに駆け寄り、手を繋いでぴょんぴょんと跳び回る。

 定期的にヒナとユナは故郷に帰っているが――約1ヶ月ぶりかな。

 久々に会って嬉しいようだ。


「みんな挨拶だよ!」


「「「は~い」」」


 ミツキさんが大声で言うとみんな俺のとこに集まって――。


「カイトです!」

「ハヤトです!」

「トウマです!」

「カエデです!」

「リンです!」


 元気いっぱい挨拶してくれました。

 やっぱり日本人の名前だな。

 ショートカットがカイトで、セミロングで目がぱっちりしているのがハヤト、セミショートで目がちょっと垂れ目がトウマ、スーパーロングなのがカエデで、お団子ヘヤ―で目力があるのがリンだ。

 男3人の女2人だ――男性陣はヒナとユナと背が同じで、女性陣は120㎝くらいと小さめ。

 いや、ミツキさん、ヒナ、ユナが大きいからこれが小人たちの平均身長かもしれない。

 この5人はミツキさん、ヒナ、ユナに比べて魔力が多いな……特にカエデが一番多い……。

 敵に回したくないのが本音だ。

  

 俺たちも挨拶をすると喜んで握手をしてくれた。

 みんな俺のことはミツキさんからいっぱい聞いているらしい。


『いや~小人に人気者だね~いっぱい母性を出してね!』


 母性も何もないのだが……小人たちを見て微笑ましいとは思うが……。

 だけどミツキさんが連れて来た強力な助っ人だ、しっかりおもてなしをしないと。


「あの……レイさん、お願いがあります……」


 ミツキさんが急にモジモジし始めた。

 お願い?


「そんなかしこまらなくていいですよ、できる範囲ならいいですよ」


「そうですか……じゃあ言います……みんなでレイさんの屋敷に泊まってもいいでしょうか……? 失礼な人を倒すまでダメですか……?」


 ああ、そういうことか……。

 大変に賑やかになりそうです……。 

 

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