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150話 とりあえず、ひと安心


 夕方前に無事に街へ帰宅した。

 ある程度時間が経ったら、ダルさもなくなり歩けるようになった。


 ザインさんとリリノアさんはサーリトさん、フーツとそのメイドと執事をミランドさんの屋敷に預けることや、今後のことについて話をするようで、みんなと解散した。

 

 アルロさん以外は俺の屋敷に来ていつも通り夕食を食べについて来る。

 精霊たちはソウタに会いたくてソワソワしている。

 

 庭にはソウタが不安そうに待っていたが、俺たちに気づくとホッとして安心した。

 精霊たちは勢いよくソウタに駆け寄り――泣きながら抱きつく。


「ソータ! もう離れないわよ!」

「うぅ……主……離れない……」

「もう一生離れません!」


「本当に無事で良かった……」


『感動の再開だね~これで一件落着」


『よがっだのじゃあぁぁぁぁ!』


 庭にいるシエルがなぜか大号泣しているのだ……涙もろいですね……。

 まだ終わってはいない――しつこいド変態なら絶対に精霊を狙いに来るだろう。

 さすがに今日はもう来ないとは思うが、油断はできない。


「おかえりなさいませ、夕食の準備ができているので、どうぞお入りください」


 アイシスが屋敷に出て来てお迎えしてくれる。

 まあ、ザインさんから何かしら連絡するとは思うから、それまではゆっくりしますか。


 みんなでアイシスが作ったご馳走を食べた――。


 夕食後、ソウタとこれからどうするか相談しようと思ったが、精霊たちを慰めていたから明日にしよう。


 

 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。



 いつも通りソウタたちが朝食を食べに来たのだが……ソウタはゲッソリとしていて、精霊たちは笑顔で機嫌が良く肌艶――いや、魔力が輝いているのですが……。


「ソウタ……まさかと思うが……夜何かしただろう……」


 俺がそう言うとソウタは少し動揺をして、精霊たちは顔を赤くして無言でした……。

 図星だな……。

 いろいろとツッコミたいところがあるけど、触れていいのか……。

 ソウタたちの反応を見てアイシスとフランカとリフィリアはドン引きして潜めるように話をする。


「おいおい、あの大きさ差で、できるわけないだろう……」

「この場合はあれかと――――」

「みんなが良ければいいけど……無理矢理だったら私は許せない……」


 ソウタに丸聞こえなんだが……。


「勘違いしているけど違うぞ! 3人ともあれをしてくれ!」


 精霊たちゆっくりと頷くと、輝き始め――アイシスと少々低いくらいな大きさになった。


「これって……大精霊みたいだな……」


「違うよ、レイ様。私たちは頑張っても2時間くらいしか大きくなれないし、リフィリア様みたいに羽がなくならないと大精霊様とは言えないわよ。私たちは大精霊様になれるかわからない――何千年頑張っても無理かもしれない」


 プロミネンスがそう言うが、基準があるのか……。

 これなら問題はない――いや、問題あるだろう……。

 3人は元の大きさに戻った。


「昨日の夜から大きくなってビックリしたよ……。そのまま3人に無理矢理、押しつけられてしまったけど……」


 ソウタ……そこまで言わなくていいよ……ってことはソウタと精霊たちが成長した解釈でいいのかな……。

 

「だって……ソータの子どもほしい……」

「ボクも……」

「私もです……」


 …………えっ、聞き間違えではないよな……精霊が子どもがほしい……。

 精霊の発言でみんな呆然としています……。

 特にソウタは困惑しています……。


「ちょっと待ってくれ!? 人間と精霊の子は――」


『あ~それができるのだな~これが~』


 できるのかよ!?

 ソウタは口が開いたまま無言になった。

 あのリフィリアさん……顔を赤くして俺を見つめないでください……嫌な予感がします……。


「先生……本当なの……じゃあ、私も可能なの……?」


『大精霊は精霊よりは確率はかなり低くなるけど生まれるよ。けど、精霊自体確率は数%だから生まれにくいのは確かだけどね』


 それでも生まれるのかよ……。

 それを聞いたリフィリアと精霊たちは赤くしながら笑顔でいた……。


「マスター……今夜よろしくね……」


 やめてください……リフィリアが加わったら()()じゃなくて()()()になりそうです……。


「噓だろう……しょうがない……責任は取るしかないか……」


 意外にソウタは切り替えが早かった。

 割り切ったか。


『でも精霊3人はずっと同じくらいの大きさになってからじゃないと生まれないから気をつけてね、この場合だと――数十年には成長するかもね!』


「そうなのか……心の準備ができなくて焦ったよ……それくらい期間があればしっかり責任は取れる」


「数十年……それでも私は待つわよ!』

「長いけど……我慢する……」

「いつでも待ちますよ!」


 なぜ子どもがほしいのだ……まあ、好きだからだとは思うけど……。

 とにかく、ソウタたちの問題だからこれ以上は首を突っ込むのはやめよう。


「なあ、アタイも子どもできるのかな?」


「確かに疑問はありますよね……けど……ご主人様のなら……」


 いやいや、フランカさんとアイシスさんは何を言っている……さすがに魔剣は――。


『ティーナに頼めばできるとは思うよ!』


 エフィナさん、余計なことを言わないでください……。


「それは……頼みづらいです」


「女神様にお願いするのは厳しいな……」


 さすがの2人はティーナさん相手はだと厳しいか。


『そう? じゃあ、機嫌がいい時にボク言うから安心してね!』


「お願いします!」


「頼んだよ、アネキ!」

 

 言うのかよ!?

 …………もういいです2人の好きにしてください……。

 俺はそれに応えますから……。


 女性陣は上機嫌で朝食を食べる。

 もちろんだが、俺とソウタの分は――キングバッファローのガーリックステーキが山盛りに出てきた……。

 朝から肉が出るには慣れたが……今回は桁違いだ……俺たちはゆっくりと時間を食べながら完食した。


 当然だが2人でソファに座り、消化するまでダウンした。


 ――お昼頃になるとリンナさん来て、昼過ぎにギルドで会議することになりそれまでにゆっくりと休む。


 お昼過ぎ――ソウタたち、アリシャたちと一緒にギルドに向かう――。


 中に入ると――ギルドのみんなが待っていた。

 完全に大ごとになっているな……。  

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