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141話 ド変態、精霊使いに決闘を申し込む


 決闘を申し込むとか何を考えているのだ……さすがにソウタは――。


「いいだろう、受けて立とう」


 受けるのかよ!?


「フッ、決まりだ。決闘は4週間後、場所はザインに伝える――覚悟しろ洗脳者! もちろん私が勝ったら精霊を洗脳から解放させ……私によこしなさい!」


 精霊をよこせとか何バカなことを言っているのだ……。

 頭がおかしい条件だな……。


「わかった、俺が勝ったら二度と姿を見せるな」


「フッ、しょうがないですね。その条件乗りましょう――どうせ私が勝つに決まっている」


 傍から見てもド変態の上から目線がムカムカする。

 

『今すぐ魔剣で切りつけたい……』


 エフィナさんは我慢の限界のようです。


「言いたいのはそれだけか?」


「そうだ、洗脳者――言い忘れたが4週間の期間を与えたのはお前が弱いから十分な期間を与えるためだ。私は紳士です――ありがたく思いなさい! その期間に精霊をイジメるのではないぞ洗脳者! 愛しの精霊よ、それまで我慢してくれ! 決闘で勝ったら私と契約して3人とも結婚しましょう!」


 ド変態は大声で捨て台詞を吐いて屋敷から出て行った……。

 …………いや、明らかにド変態の方が弱いだろう!?

 ソウタの方が魔力が一回り――二回りも違うだろう!?

 4週間も必要なのはド変態の方です……。

 ソウタは…………ドン引きしてますね……。

 

「アイツ……精霊と結婚するとか意味がわからない……」


 ですよね……。

 リフィリアは怒って――精霊たちは真っ青になって身体を震えてホールに来た……。


「あの愚か者……最低だ……」


「なんなの……あのド変態……本当にエルフなの……気持ち悪い……」

「うぅ……結婚したくない……」

「ソウタ様……なんで理不尽な条件を受けるのですか……」


「大丈夫だ……俺が絶対に勝つから心配はないよ」


 ソウタは精霊を優しく抱く。

 まあ、ソウタがあのド変態に負けるわけがないが念には念を――。


「あのド変態のことはよく知っているから俺がアイツにマネるから稽古するか?」


「それは助かるよ、ただ……今日は無理かな……3人のケアをしないと……」


 精霊たちは震えが止まらない……無理もないか。


「わかった、今日はゆっくり休んでくれ、明日は大丈夫か?」


「問題ないと思う……」


「そうか、無理はしなくていいからな」


「ああ……俺は家に戻るよ……」


「昼食は食べに来るよな?」


 ソウタは頷いて精霊たちを抱えて屋敷を出た。

 全く……朝から大迷惑だ……。

 4週間か……その期間ド変態からちょっかいは出してこないが、油断はしてはいけない。

 

 すると慌ててアリシャたちが来た。


「ちょっと、今スールが来なかった!? ソウタと精霊は大丈夫!?」


 心配されました……。

 アリシャたちに決闘することを説明すると――。


「はぁ!? バカげた決闘受けるの!?」

「おいおい、ソウタは本気で言っているのか……」

「スールが悪いのに、なんでそこまでするの……」

「しつこすぎ!? 本当に懲りないね!」


 納得しませんよね……。


「まあ、ソウタが絶対に勝つから大丈夫だ、この期間ド変態が何かしてくるかもしれないから協力をお願い」


「「「もちろん!」」」


 アリシャたちは頷いて返事をしてくれた。

 本当にありがたい。


 もちろん、俺たちのも全力でサポートするから、その後にみんなと相談をする――。



 ――昼食の時間になり、ソウタたちは来たが元気がない。

 魔力が不安定である。

 昨日と今日で難癖つけられると精神もボロボロになるよな……。

 

「大丈夫? 今からリラックスさせるね――――マナチャージ!」


 リフィリアはソウタたちに魔力をあげて――少し表情が明るくなった。


「ありがとう……少し元気になったよ……」


「「「ありがとうございます。リフィリア様」」」


「いいよ……それよりも早く元気になってね……」


 リフィリアは不安げに見つめる。

 心配でしょうがないですよね……。


「ほら、これ食べて元気出せ、残さないで食べろよ」


 ソウタの前に大盛りしたナポリタンを置いた。


「こんなに……」


「大好物だろう? ゆっくりでもいいから食べろよ」


「ああ……わかった……」


 ソウタはゆっくりと口に運び――ドンドン食べ続ける。

 食欲はあるみたいだから安心はした。

 このまま不安定だとド変態の思う壺だ、体調管理も大事だからな。


「では、私も――これを作りましたので体力を作ってください」


 アイシスは大量のトンカツを置く……さすがに揚げ物は……。


「これも全部食べるのか……」


「はい、適量ですので残さず食べてください」


『そうだよ! いっぱい食べて元気にならないとね!』


「わかった……喜んで食べるよ……」


 苦笑いしながら食べています……。

 揚げ物はキツイから無理しなくていいぞ……。


「精霊たちは美容にいいものを作りましたのでこれをどうぞ」


「「「ありがとう」」」


 精霊には豆乳の野菜スープを用意した。

 いや、いつも思うが精霊に美容の概念はあるのか……確かに魔力が回復して綺麗になるけど……。


「ソウタ、使っている武器と鎧を貸してくれないか? アタイがあのド変態がビビる、とびっきりのを作るぜ!」


「えっ!? そこまでしてくれるのか!? これは俺たちの問題……これ以上迷惑は……」


「何言ってるのだ、前も言ったがこれは俺たち――ギルドの問題でもある。ド変態の好き勝手にはさせない、だから俺たちは全力でサポートする」


 アイシス、フランカ、リフィリアは頷く。 


「何から何まで本当にありがとう……感謝しきれない……」


 ソウタは涙を流した。

 自分でいろいろと考え込んでいたみたいだな。


「とは言ってもソウタが絶対に負けるわけがないからしっかり体調を整えろよ」


「ああ、絶対に負けないから心配しないでくれ」


「そうよ、ソータがド変態に負けるわけがない! 私の契約者だもの!」

「主は負けない……」

「ソウタ様は強いから絶対勝ちます!」


 ソウタたちは機嫌を取り戻してくれた。

 明日の稽古はできそうだな。

 

 昼食を食べ終えて、ソウタはこれからフランカが作る武器と鎧を客間でみんなと相談していたら――外から2人の反応が。


「レイ君、ソウタはいるの!? 大変よ!」


「ソウタはいるか!? 緊急事態だ!」


 慌ててリンナさんとザインさんが来た――ド変態の決闘の件だろう。


「話は大体察しています。ほかに何か問題がありましたか?」


「バカ痴漢アニキから場所は聞いたの!?」


「いえ、ザインさんから場所を言うくらいしか……」


 それを言うと2人は青ざめた。

 えっ、何かマズいことでも……。


「ソウタ……スールに場所も聞かずに決闘を受け入れたのか……?」


「ああ、そうだよ、それがどうした?」


「最悪だ……ソウタに分が悪いぞ……」


「あのバカ痴漢、なんて卑怯者なのよ!?」


「分が悪い? いったいどこでやるのだ?」


「エルフの谷だ……全く……そこまでして勝ちたいのか……」


 …………エルフの谷かよ!?

 本当にバカげている……ソウタを不利にさせている……。

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