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134話 住める場所なのか……


 シエルに乗ってお昼頃になった。

 急ぎではないからシエルのペースで飛んでいる。

 

「そろそろ休憩にしようか」


『わかったのじゃ』


 シエルは魔物が比較的少ない平原に降りる。

 周りにはホーンラビットがいたが、シエルが降りると、すかさず逃げる。

 

「わ~い、待て~おいしいお肉!」


 ミツキさんは大喜びでホーンラビットを追って捕まえに行っている……。

 やっぱりシエルに乗って体力も温存しているから余裕がありますね……。

 

「こう見ると子どもだな……」


「小人はこういう性格だからしょうがない。どのくらい進んだかわかるか?」


「ちょっと待ってくれ――」


 ソウタは地図を取り出し確認をする。


「もう3分の1くらいは進んでいる。このペースなら夕方辺りには着きそうだな」


「順調だな」


「順調も何も……普通にしたらあり得ないペースだぞ……」


「それがワイバーンの特権ってやつだ」


 今までの旅が噓のように楽になったが、さすがに街とか行くのは大騒ぎになって無理だけど。


「みんな、お茶の準備ができたよ。あら、小人さんもうあんな遠くまで」


「私が呼んで来ます!」

「ぼ、ボクも……」

「お任せください!」


 リフィリアがお茶とお菓子を用意してくれて、精霊たちはミツキさんを呼びに行く。

 今回はアイシスがいないからリフィリアが料理以外お世話をしてくれる。

 アイシスが色々と用意してくれたのを無限収納にしまって管理をしている。


「シエルはこれね」


『ありがたいのじゃ』


 シエルは樽に入れた冷えた緑茶と山盛りにしたおはぎを飲食する。

 体力を使うから多めに糖分補給は大事ですな。


「わ~い、おはぎだ! 大好きです!」


 ミツキさんが戻ってくると口いっぱいに頬張る――。


「フフフ……ゆっくり食べてね。あなたたちはこれね」


「「ありがとうございます」」


 精霊たちは豆乳を飲み――。


「アタイ……おはぎは……」


「わかっているわよ。フランカはこれね」


「おっ、ポテトチップスとか気が利くじゃないか、一味唐辛子でもつけて食べるか」


「相変わらず辛いの好きよね……」


 フランカはポテトチップスを一味唐辛子をつけて食べる。


 いろいろと用意しているな……。

 アイシスさん、気が利きすぎです。


『なぜだろう……リフィリアが普通に用意しているけど……母性がある……』


 またエフィナが変なことを言う。

 確かにお母さんみたいな感じにはなっているけど……。


「マスターも冷たいうちに飲んで」


「わかった」


 お茶を飲み――休憩の時間が終わった。


 再びシエルに乗って――目的の場所に進む。


 ――昼食頃。


 今のところ強力な魔物に遭遇しないで順調に進んでいる。

 もう昼食の時間だからシエルに言って丘の上に降りた。


 アイシスが作ってもらったナポリタンと野菜スープを食べた。


『このまま休憩せずに行けるのじゃ!?』


 シエルがそう言って昼食から休憩せずに進み――日が暮れて夕方になった。


「ここだよ、炭酸水がある場所は」


「久しぶりのボクの故郷だ……」


 そこに見えるのは周りは滝と川が複数流れている密林だ。


「森じゃなくて密林だが……」


「その奥に一辺違った穏やかな場所があるから森だよ」


「そうなのか……」


 いや、全域見渡しても密林みたいだが……それに魔力反応が尋常じゃない……。

 下には……キラースネークやスピードアリゲーターなどいますが……。

 本当に精霊が住める場所なのか?

 ソウタは奥の方って言ったな、とてもそんな場所があるとは思えないが……。


「わ~い、下に魔物がいっぱいいる!」


「いい場所じゃないか! 素材の宝庫だな!」


 ミツキさんとフランカは大喜びでした……。

 フランカは素材目的で来たからそうなるよな。


「ソウタ、明日から狩りながら進むけどいいか?」


「いいよ、レイに任せるよ」


「じゃあ決まりだな、日が暮れているし安全な場所で泊まるとするか」


「わ~い、明日から魔物討伐だ!」


「よっしゃー! 明日から腕がなるぜ!」


 2人とも魔物討伐メインじゃないから……そこは忘れないように……。

 密林で泊まるのは危ないから一旦引き返して、手前の平地に降りてフランカは自分の家を出す。

 それを見たソウタは驚いている。


「本当に便利なスキルだな……フランカがいると野宿しなくて済む……」


「だろう? 明日忙しくなるからゆっくり休めよ」


「ああ、お言葉に甘えるよ……」


 シエル以外家に入り――みんなリビングでのんびりする

 その間、俺は夕食の準備をする。

 シエルの分を考えるとカレーライスとハンバーグが無難だな。


「マスター、夕食の分も預かっているけど作るの?」


「体力に余裕があるから明日食べようか」


「わかった、何か手伝えることはある?」


 リフィリアが料理を手伝ってくれるのか、珍しい。


「手伝えることか……野菜とか切れる?」


「大きさを教えてくれれば切るよ」


 リフィリアに各野菜の大きさを切って教える。


「このくらいだけど全部できるか?」


「任せてすぐに終わらせるよ――」


 すぐに? さすがに大量にあるからそんな早くは――。


 リフィリアは野菜を風で浮かせて風を使って切る。

 一瞬で指定した大きさに切って終わった……予想はしていたが、早すぎだ……しかも全部正確に切ってある……。


「これでいい?」


「十分だよ……ありがとう」


「ほかにやることはある?」


 これならいろいろとできるか。


 俺はカレーを作りながらリフィリアに指示をしてハンバーグのタネを作ってもらう。

 全部風を使って作るのは器用だな……こちらとしては短縮してありがたいけど……。


 ――リフィリアが手伝ってくれたおかげで、あっという間に完成した。


「シエルの分は私が運ぶね」


「ああ、よろしく」


 リフィリアはシエルの分を持って外に出た。

 窓から様子を見ると――シエルは勢いよく食べて喜んでいた。

 美味しくできあがったみたいで安心した。


 さて、俺たちも食べるか――。


 みんなで喜んで食べました。


 お風呂は男組と女組に分かれて入った。

 今回はフランカとリフィリアは渋々納得してくれた。


 ある問題が発生した。

 

「寝るのはどうする? 2部屋しかないが……」


 そこなんだよな……今回のメンバー構成だと足りない。


「でしたらリビングでみんなで一緒に寝ましょう!」


 ミツキさんは笑顔言う。


「みんなですか? しかし寝具を持ってきてないですよ」


「大丈夫です! 私が戻ってきました!」


 ミツキさんはアイテムボックスから見覚えのある物を出した――布団一式だ。


「これは布団ですか?」


「はい! みなさんの分もありますので、どうぞ使ってください!」


「布団とか久々だな……懐かしい……」


 俺とソウタは久々に使うからな。

 やっぱりミツキさんの故郷は布団で寝ているのか。


「ありがとうございます。では敷きましょうか」


 リビングに置いてあるテーブルを片づけて布団を敷く。


「みなさん、おやすみなさい!」


 布団の中にはいるとフカフカで心地がいい……すぐに寝られそうだ。


 明日はいよいよ炭酸水が手に入る、楽しみだ。 

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