表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/909

133話 空の旅


 ――翌日。

 

 薄暗い中起きる。

 今日はソウタたちとリフィリアの故郷に行く。

 ソウタたちはやっぱり気になるみたいで、少し急だが行くことになった。

 朝食を食べ終え――準備ができた。


「シエル、頼んだよ」


『任せるのじゃ!』


「それじゃあ、失礼します」


 俺はシエルの背中に乗り――その後に続いてソウタも乗り、精霊たちはソウタのお腹に座る。

 

「お気をつけてください」

「夕飯前には帰ってこいよ」


 今回アイシスとフランカは留守番だ。

 2人に見送られ――リフィリアが先頭を飛び、それを追うかのようにシエルも続いて、翼を羽ばたかせて飛ぶ。


「初めてワイバーンに乗ったが、乗り心地がいいな。長時間乗っても苦にはならない」


「いい眺め!」

「すごい高くて……いい……」

「プロミネンス、ティアあまりはしゃがないように!」


 ソウタたちは楽しんでいた。

 これなら明々後日の遠出も問題なく行けそうだ。


 ――お昼頃。


 枯れた大地が見えてきた。

 ソウタたちもほかとは違う光景に目の当たりにして驚いている。


「こんなにも酷いのか……」


「噓でしょ……」

「酷い……」

「あり得ないですね……」


 ソウタたちは無言になる。

 マナイーターの被害は予想より上回っていたのかもしれない。


 マナの木の近くになると――周りは前よりも生い茂っている。

 順調に生えているな。


「すごいな、あの大きな木……荒れていた大地を再生させている」


 ソウタは【第六感】のスキルでわかったみたいだ。

 マナの大樹の傍に降りて――目的の場所に着いた。

 すると精霊たちは穏やかな顔になる。


「いい場所ね……」

「気持ちいい……」

「身体が安らぎます……」


 やっぱりここは精霊にとっていい場所なのか。

 だとすると、ここが元に戻ったら精霊がまた住める場所になるか。


「近くで見ると随分と大きいな……名前の通り魔力が尋常じゃない……生きているみたいだ」


 ソウタはマナの大樹にそっと触れて言う。


「ここは誰にも言わないでくれよ」


「わかっているよ、しかし……よく見つからなかったな……」


「その前は結界を張ってカモフラージュされていたみたいだ」


「結界か……じゃあここが元通りになると結界も張られるのか?」


「さすがにそこまではわからないぞ」


「それは誰も近づけないように私たちが結界を張っていたから元に戻っても無理だよ」


 リフィリアが言う。

 やっぱり精霊が結界を張っていたか。まあ、部外者を侵入させないのは当たり前だよな。


「そうか、じゃあ無理か……」


「けど、ここは誰にも荒らさないよう私が守るよ」


「私も守る!」

「ボ、ボクも……」

「絶対守ってみせます!」


 精霊たちはリフィリアの後に続いて言う。


「俺もそうだ、改めて協力するよ」


「ありがとうね、みんな」


 これはもうソウタたちには頭が上がらないな。

 ここまでしてくれるとはどんなけ善人なんだ……。


『うぅ……みんな優しいのぉ……』


 感動のあまりシエルが泣いています……。

 シエルさんも思いやりがあって優しいですよ……。


 その後、俺、ソウタ、シエルはマナの大樹の隣でゆっくりと休み、リフィリアと精霊たちは周りを確かめに行った。


『前よりは良くなったね!』


「ああ、この調子で生えてくれればいいけどな」


『あと数ヶ月辺りで魔物が住める環境になるから対象しないとね!』


「そのときはソウタたちに協力してもらうから大丈夫だ」


「任せてくれ、けどその代わりにまたナポリタンを作ってくれないか?」


「それくらいならお安い御用さ」


 何気ない会話をしながら時間が過ぎていった。


 ――昼過ぎになり、リフィリアと精霊たちは満足したのか戻ってきた。


「それじゃあ、帰るか」


 シエルに乗り――街へと帰る。


 

 ――――◇―◇―◇――――



 ――3日後。


 今日から炭酸水を探す日になった。


 メンバーは俺、フランカ、リフィリア、シエル、ソウタたち、そしてミツキさんだ。

 ミツキさんも珍しい水があると言ったらどうしても行きたいらしく同行をする。

 今回はアイシスが留守番をする。

 もちろん遠いから朝早く行く。

 

「それじゃあ、行ってきます! アイシスさん、ヒナとユナをお願いします!」


「お任せください」


「ミツキだけズルい!」

「私も行きたい!」


 ヒナとユナも行きたいらしく、2人とも顔を膨らしている。

 これ以上シエルに乗ったら負担がかかるからミツキさんは説得をしたが、納得はいかないみたいだ。


「では好きな物を作りますので、なんでも言ってください」


 アイシスさん、さすがに食べ物で釣るのは――。


「タコ焼きとみたらし団子が食べたい!」

「カレーうどんと大福が食べたい!」


「承知いたしました。昼食で用意しますので期待してください」


「「わ~い!」」


 大丈夫でした……アイシスさん、こちらを見てドヤ顔しないでください……。

 ヒナとユナの問題は解決したが、ほかの2人は……。


「うぅ……私もミツキさんと行きたい……」

「わたしく……ミツキさんと一緒に行かないと死んじゃいますわ……」


 ウィロウさんとグラシアさんは地面に膝をついて落ち込んでいる……。

 いや、4日間だけだから我慢してください……。

 長期間いないわけではないのに……。


「ウィロウ様、グラシア様、私もご主人様と行きたいですが我慢してください。甘い物を食べて待ちましょう」


「もうこうなったら、やけ食いだ!」

「この寂しさは甘味で紛らわしますわ!」


 そこまでするかよ!?

 どんなけミツキさんといたいんだ……。


「それじゃあ、行こうか……」


 シエルに乗り――アイシスたちに見送られ、ソウタの指示で飛んで行く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ