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127話 いつも通りの反応


 夕方に屋敷に帰宅――。


「久々の屋敷ね、ただいま」


「ああ、おかえり」


 リフィリアは1ヶ月以上ぶりに帰ってきた。

 帰ってきて早々に、飛んで――ホコリがあるか周りを確認する。


「私が隅々まで掃除しましたので、ご安心ください」


「本当だ、さすがアイシス。私がいない間にありがとう」


「当然です」


 アイシスは誇らしげにドヤ顔しています。


「これからは私が全部やるね」


 リフィリアはアイシスに笑顔で返すが――。


「いいえ、これからも私がやります。これもメイドの役目です」


「え? 私は【掃除人】のスキルがあるから大丈夫だよ」


「私には【大家事】のスキルがあります。すべてお任せください」


 無表情だったアイシスがつくり笑いをする。

 お互い一歩も引かずに火花を散らしているように見える……。


「「…………」」


「掃除だけで何を争っているんだ? 順番にすればいいじゃねえか」


 フランカは少々呆れて言う、正論ですな。


 それを聞いた2人はフランカを笑顔で睨む。


「たかが掃除かもしてませんけど、私にとっては戦場ですよ」


「私は掃除が大好きなの……フランカが鍛冶が好きなのと同じだよ。それがなくなるのと一緒」


「お、おう……そうだな……」


 2人の圧力に負けた!?

 

『フランカの言う通り、順番に掃除すれば? 独り占めは良くないよ』 


「エフィナ様が言うのでした我慢します」

「先生が言うのなら我慢するよ」


 2人とも渋々納得した。

 エフィナのことは聞くのだな……。


 すると、玄関からノックが聞こえて――開けるとアリシャたちが来た。


「お邪魔するよ、6日もどこに行っていたの? 急にシエルに乗り出して…………あれ? あの子はもしかして……」


「精霊だよ、契約して大精霊になった」


「今度からリフィリアと呼んでね」


「「「えぇぇぇ――――!?」」」


 リアクションありがとうございます……。


 アイシャたちに事の経緯を話す――。


「そうか……大変だったね……」

「うぅ……こんな悲しいことが……つらかっただろう……」

「良く困難を乗り越えたね……僕には無理だよ……」

「ぐすぅ……つらい……つらすぎる!」


 重くしてしまった……申し訳ない……。


「もう大丈夫だから安心して」


 逆にリフィリアが慰めてる……。

 アリシャたちが慰めているときにミツキさんたちも来た。


「お邪魔します! 6日間いませんでしたけど、どこに行っていましたか? ――――わ~い、精霊さんが大きくなっている! ところでなんで泣いているのですか?」


 やっぱり気になりますよね……。

 さすがにミツキさんたちには言えないな……小人には重すぎる……。


「実はね――」


 あっ、リフィリアさん話してはいけませんよ……。


 その結果――。


「「「うわ――――ん!」」」


 ミツキさん、ヒナ、ユナは大泣きしてしまった……。

 同族愛があると重すぎますよね……。


「小人さんたち、大丈夫だから泣かないで……ほら――高い、高い」


 リフィリアは3人を風を使って高く浮かせる。

 さすがにそれは――。


「わ~い、飛んでいる!」

「楽しい!」

「これ、おもしろい!」


 笑顔になり、機嫌が良くなりました……。

 あやすの早いですね……。


『リフィリアの母性力は凄い……レイも見習ってね……』


 なぜ見習うんだ!?

 もうわけがわからん……。


「厄災級がいたなんて……ギルドに報告したのか?」

「そうですわよ……あと大精霊になったことも、みなさんに報告しないといけませんわ……変な輩が来ますわよ」


 ウィロウさんとグラシアさんが深刻そうに言う。

 そうなりますよね……。

 

「さっき帰って来ましたので、明日報告します」


「そうしてくれ」

「お願いしますわ」


 リフィリアも帰ってきたことだし豪華な食事する。

 大好きな生ハムを使って――ピザ、パスタ、カプレーゼ、サラダなどを作った。


 みんな喜んで食べてくれた。

 リフィリアは――。


「美味しい……生ハムがいっぱい食べれて幸せ……」


 大精霊になったからか全部の料理を食べる――特にピザを多めに食べているから気に入ったようだ。

 今後もみんなと同じ食事を出すことにしよう。


 みんな満足して帰宅した――。


 明日から報告しに行くから早めに就寝――。



 ――――◇―◇―◇――――


 ――翌日。


 

 朝食を食べ終えてギルドにリフィリアと向かう――。


 アイシスはリフィリアの服の作成、フランカは鍛冶をすることで2人で行くことになった。


「人前では飛ばないようにな」


「わかっているよ、マスター」


 リフィリアは飛ばずに歩く。こうすれば、街中普通に過ごせる。

 大精霊になったとは言え、歩いていれば魔力が多い美女としか認識されないから問題ない。

 あと【隠密】もあるから完璧だ。


『リフィリアが飛んでいないと違和感があるね~。つらかったら飛んでいいのだよ』


 エフィナの言う通り違和感があるが、リフィリアには大変だが慣れさせないといけない。


「大丈夫だよ先生、大きくなってマスターと同じように歩幅で歩けるから嬉しいよ」


 そう言って腕を掴んで頬っぺをスリスリする……。

 もうすぐで人だかりに入るからやめてください……。


 ――ギルドに到着してドアを開けると、俺に気づいたのかリンナさんが来る――。


「レイ君、どこに行ってたの!? 急にいなくな……………精霊ちゃんが大きくなっている!?」


 予想通りの反応ありがとうございます。


「契約しました」


「久しぶりリンナちゃん、私は大精霊になったリフィリアよ」


「だ、だ、だ、大精霊!?」


 再び驚きました……。

 それを聞いたみんなが集まってくる……。


「あの……あまり驚かないでくださいね……」


「レイ君、大精霊にするなんてあり得ないことよ!? 1000年に1人の逸材よ!」


『アハハハハ! 1000年に1人の逸材とか何それ! おもしろい!』


 エフィナさんツボっていますね……。

 エルフのことだから、それほどのことをしたみたいだ。


「大袈裟な……あのとき必死だったので……」


「あのとき? 大変なことになったの? だからいなくなったのね」


 これは言い訳できないし訳を話した――。


「そんな……リフィリアちゃんの故郷が厄災に……ご冥福をお祈りします……」


 リンナさん目を閉じて両手を握り、祈っている。


「ありがとう、リンナちゃん。みんなも喜んでいるよ」


 リフィリアは笑顔で返す。


「そうだといいわね……」


「リンナちゃんにはいつもお世話になっているから加護をあげるね」


 そう言うとリフィリアはリンナさんの手を繋ぎ――リンナさんが輝き出す。


「えっ、えぇぇぇ――――!? 私に【大精霊の加護】が増えた!?」


 リンナさんは身体を震えながら驚いている。

 

「そんなに驚かないでね」


「契約していないのに本当にいいの!?」


「うん、リンナちゃんは特別だから」


「ありがとう、リフィリアちゃん!」


 リンナさんは嬉しさのあまりリフィリアに抱きついた。


『うん、いい話だね~』


 やっぱり普通は加護ってもらえないよな……。

 まあ、リフィリアがいいのであればいいか。


 すると――2階からバタバタと勢いよく降りてくる――合わせてはいけない人が来た……。


『うわぁ……せっかくのムードを台無しにする空気の読めない奴が来た……』  

  

「愛しの精霊よ! 私に会いに――――ブハァァァァア!?」


 鼻血を出しながら倒れたぞ!?

 気絶している……。

 

「何やっているの、バカ痴漢アニキ! 汚いわよ! リフィリアちゃんがいない間、空き部屋で引きこもっていたのにすぐこれだわ! しかも気絶している……さてはリフィリアちゃんが大きくなって刺激が強すぎたわね……」


 そんなに刺激が強いものなのか!?

 スールさんが倒れてるのを見てリフィリアはドン引きしている……。


「気持ち悪い……不潔……」


 今ガチのトーンで言った……もう終わりですね……。

 

「うるさいぞ、スール! 全く……何を叫んで――――精霊が大きくなっている!?」


 ザインさんも2階から降りてきて驚いている。


「レイ君が契約して大精霊になったのよ!」


「マジか…………大精霊とか一生見れない存在かと思ったが、まさかレイが大精霊したのか……すごい偉業だな……」


「契約ですって!?」


 気絶していたスールさんも契約の言葉で起き上がる。


『うわぁ……ここまま眠っていればいいのに……』


 エフィナもガチのトーンでドン引きしています……。


「残念だったわね~。レイ君が契約したから諦めてなさい」


 リンナさん、もっと言ってください。

 スールさんは青ざめている――結構効果がありますね。


「そ、そ、そそそそそそんな、な、なんで私と契約しないのですか!? 精霊よ答えてくれ!」


 リフィリアはにっこりと笑い答えた――。


「あなたみたいな不潔で下品で変態で痴漢なことをする奴となんて、契約とかしないよ――私は最初からマスターと契約すると決めてたから、勘違いしないで愚かな変態さん」



「ぐはぁ――――!」


 

 この言葉が突き刺さったのか再び鼻血を出して倒れ――泣いている……。

 

「うぅ……もう精霊と契約できない……結婚もできない……」


 これでやっとリフィリアを諦めたようだ。

 長かった……本当に長かった……。


『最初から最後まで本当に残念なエルフだ……まあ、これでリフィリアが解放されて良かったね!』


『そうだね。でもまたストーカーするなら風で引き裂くから大丈夫だよ』


 しれっと恐ろしいことを言うな……。

 スールさんはこの様子だと大丈夫だとは思うけど……しかし……この世の終わりみたいに絶望しているな……。

 そんなにリフィリアと契約したかったのか……。


「俺が話しているときに割り込むなよ……話に戻るがどうして急に契約をしたんだ?」


「実はですね――」


 ザインさんにも訳を話して――証拠として回収したマナイーターの破片を無限収納から出した。


「噓だろう……本当に厄災がいたのか……本当に無事で良かったぜ……協会に連絡しないとな……」


 やっぱり協会に連絡しますよね……。

 

「報告はしたので、俺たちは帰りますね」


「仕事終わったら屋敷に行くからよろしくね!」


 今日はリンナさんも来るのか、その分の夕食を用意をしないとな。


「わかりました」


「忘れてた、帰る前にいい知らせがあるぞ」


「知らせですか?」


 ザインさんが急に言い出した何かな?


「昨日オルリールから連絡があって、精霊使いがこの街に喜んで来るってさ。レイと大精霊に是非とも会いたいと」


「本当ですか!? リフィリア、仲間に会えるぞ!」


「嬉しい……ありがとう、ギルドマスター……」


 リフィリアは泣き出した――うれし涙だ。

 まさか本当に来るのか、楽しみだ。


「ああ、お礼はあとでオルリールにしろ。精霊使いは長居する予定みたいだからゆっくりと話でもしろよ!」


「じゃあ、屋敷でおもてなしだ」


「ええ、マスター会うのが楽しみだね」


「精霊使いが来る…………もしかしたら契約していない……私も楽しみです!」


 急にスールさんが起き上がった…………はい?

 

「バカ痴漢アニキ何勘違いしているの!? 精霊使いだから絶対に契約しているわよ!」


「こうしてはいられません! 自分を磨かないといけません! 待ってくれよ私の精霊――」


 リンナさんの言葉は無視してスールさんは外に出た……。

 さっき絶望していたのに、希望に満ちあふれているとかもうおかしい……。

 精霊なら誰でもいいのかよ……どんなけ好きなんだ……。

 それを見たギルドのみんなはドン引きしています……。


「何あれ……バカみたい……」


「アイツどこまで精霊が好きなんだ……」


「私の仲間に手を出すのは絶対に許せない……」


『まさか本当のバカがいたとは……』


 もうスールさんの暴走が止められない……。

 その後、帰らないでみんなでスールさんを精霊使いに合わせないように会議をした。

 絶対精霊使いに迷惑はかけさせない。

 

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[気になる点] >貴方は不潔で下品で変態で痴漢なことをする奴なんて契約とかしないよ 貴方みたいな不潔で下品で変態で痴漢なことをする奴となんて契約とかしないよ もしくは 貴方は不潔で下品で変態で痴漢なこ…
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