119話 前半 軍勢の中
フランカ視点になります。
決断は……一気に攻め、周りのゴブリンを全滅させる。
魔力温存の戦いなんてアタイには性に合わない。
ダンナを待つとか魔剣失格だ。
まずはフェンリの安全確保だ。
地魔法を使う――。
「悪いが、少々熱くなるがおとなしくしてくれよ――――アースウォール!」
フェンリの周りに岩の壁を創り――これで思う存分暴れる。
「「ギャア、ギャア!」」
さて、追ってくる雑魚でも処理するか。
数も多いからまとめて焼き払う。
「――――エクスプロージョン!」
「「「――――ギャアァァァ!」」」
上空から爆炎を落とし――周囲を火の海にする。
敵は灰となる。
やり過ぎたが、当分追ってくる雑魚はいないだろう。
追ってきた中のリーダーやソーサラーの魔石は少々ほしかったがしょうがない。
目の前の上位種で取れるからいいか。
「「「ガアッ、ガアァァァァ――――!」」」
ゴブリンジェネラルたちが近づいて来る――。
相手してる暇がないから速攻で蹴りをつける。
出している武器を解除して魔剣を左手に出す。
そして再び炎魔法を使う――。
「――――ブルーフランベルジュ!」
豪炎に青く燃える剣を創り右手に持つ――。
「「「ガアッ、ガアァァ……」」」
ブルーフランベルジュを出したことによって周囲に熱気を発し、アタイに近づけず怯んでいる。
そんな余裕はないぞ、魔剣に魔力を通す――。
「「「ガギャァァァァ――――!?」」」
魔剣は炎を纏い――さらに熱気が増し、周囲を灼熱にする。
ゴブリンジェネラルの汗が蒸発して――跪き、チリチリと皮膚が焼けていく。
この炎に耐えられないのは所詮この程度の魔物だ。
アタイの領域に相応しくない。
「休んでいる暇があるならアタイから行くぜ! ――――絶蒼炎!」
「ガギャァァァァ――――!?」
ジェネラルの首を2刀で切り――身体全身に燃え広がる。
灰となって魔石だけが残る。
そのまま続けて切る――あと1体となった。
そいつは皮膚が焼けながらも必死に立つ。
意外にやるな――剣を構えて防ごうとする。
無駄だ――。
「――――蒼炎破!」
剣は折れて身体は真っ二つになり――燃えていく。
周りは魔石だらけとなった。
第1関門突破だ。
「「「ギャア、ギャア!」」」
「「「ギャ、ギャ――――ギャァァァァ――――!」」」
リーダーは数百の数でアタイの方に向かって、ソーサラーたちは「マジックランス」「マジックナックル」で放ってきた――。
魔法を避けながらリーダーの方に向かう。
「「「ギャアァァァァァ――――!?」」」
リーダーはアタイに近づくとジェネラルみたいに皮膚が焼けて抵抗できない。
さすがに数が多い、火力を上げるか。
フェンリから離れたしちょうどいい、魔石が残る程度に加減にさせないとな。
炎魔法を使う――。
「――――フレイムフィールド!」
「「「ギャァァァァ――――!」」」
更に灼熱の領域を広げ――周囲の敵を丸焦げにする。
ソーサラーの範囲まで広げ――ロープを着ていたのが仇となり、良く燃えて――全滅した。
第2関門突破だ。
「ガアァァ…………」
それを見た、最後の砦となるジェネラルはアタイが近づくたびに後ろに下がっていく。
軟弱だな、それでも王を守る砦か?
「ガアァ! ガアァ! ――――ガアァァァァ!」
ゴブリンキングはジェネラルの行動が気に食わなかったのか。
怒って指示をし――ジェネラルを無理矢理アタイの方に向かわせた。
これが命取りだ――。
「「「ガギャァァァァ――――!?」」」
灼熱の領域は発動したままだ。
ジェネラルはアタイに近づけぬまま焼かれて倒れる。
これで最後の関門を突破した。
残りはキングだけ。
「ガアァ! ガガガガアァァァァ――――!」
怒り狂ったキングはアタイに向かって来る。
皮膚が焼けていてもスピードは落ちない。
意外にタフなヤツだな。
「ガアァ! ガアァ! ガアァ!」
大剣を振りましてくる――それを2刀で弾きながら剣を溶かし折る――。
「ガアァ!?」
キングの名だから多少はやるのかと思ったが、弱すぎる……あまりにも残念だ。
だが、アタイの領域に来られたのは褒めてやる。
特別にキングだけにお見舞いする。
魔剣に魔力を多めに通し――赤く纏った炎は青へと変える。
これで終わりだ。
「――――蒼炎乱華!」
「ガギャァァァァ――――!?」
2刀で青く纏った炎で足、腹、腕の順で切り裂いていく――。
切った痕――全身燃え上がり灰となって、灰緑色の魔石だけが残る。
魔剣とブルーフランベルジュを解除し――フェンリのとこに行く。
岩の壁を解除してフェンリの様子は…………尻尾を振って気持ちよさそうに寝ている……世話が焼ける獣人だな……。
無事に終わった。もう魔力が少ししかない……今日は思う存分酒を飲むぞ。
アタイはダンナが来るまでフェンリの近くに座り待つ。
無事だと言うことは念話で伝えておくか。




