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118話 前半 ゴブリンの軍勢

フランカ視点です。


 フェンリは興奮しながら剣を振りかざし――ゴブリンを倒しながら進んで行く――。

 魔力消費が激しい……すぐに倒れてしまうぞ……。

 【狂化】のスキルのせいでペース配分もわからないのか。


「「ギャア、ギャア!」」


 フェンリが開いた道がすぐにゴブリンとホブゴブリンで塞がる。

 このままだと見失う。

 迷いなく塞いでくるゴブリンらを切る――。


「――――絶炎!」


「――――ギャアァァ!?」


 周りにいる奴らを焼き切り――繰り返し「絶炎」で進む――。

 倒しても倒してもキリがない……。

 フェンリは前に行くばかりだ。

 もう軍勢の中に入ってしまった……。

 中に入ると――敵も変わる。

 ゴブリンナイト、アーチャー、メイジ、ライダーか。

 さらに、奥にはホブゴブリンと二回りも違うゴブリン――いや、ゴブリンリーダーが複数体いる。

 

「ギャ、ギャア! ギャア!」


 ゴブリンリーダーが叫ぶとフェンリ目がけて弓矢、魔法――無属性の「マジックアロー」を無数放つ――。

 

「フェンリ、避けろ――――!」


 アタイの声も届かずもろに当たる。

 避けないとかどういう神経してるんだ……。

 怪我では済まないぞ……。


 だけど、フェンリは幸いにも傷だらけで済む。

 魔力を使って、身体をコーティングして防いだか。

 

「ハハハ! 弱っちいな! もっと楽しませてくれよ――――狂烈斬!」

 


「「「――――ギャアァァ!?」」」



 フェンリは高く飛び、地面を叩きつけて、地割れが起き――周りの敵の体制を崩す。

 休むことなくゴブリンリーダーに近づく――。


「ハハハ! ――――狂斬!」


 ゴブリンリーダーは真っ二つになり倒れる。

 そしてフェンリは前に進む――。

 あれだけ魔力消費しているのにまだ進むのか……。

 いい加減、早めに尽きて拾って帰りたい。

 

「フランカちゃん、フェンリちゃん。助けに来たよ!」


『妾が一層してくれるわ!』


 シエルに乗ったセーレが来た、助かるぜ。

 

「ギャア、ギャア! ――――ギャアァァァ!」


 ほかのゴブリンリーダーが叫ぶとゴブリンたちは体制を整え、シエルを狙って弓矢と魔法で放つ――。


『なんじゃ、こやつらは!? 攻撃させる暇も与えてくれぬ!』


「シエルちゃん、頑張って避けて!」


 噓だろう……あのシエルが精一杯避けているだと……。

 ゴブリンってそんなに正確に当てられる知性があるのか……。


 途中から無属性中級の「マジックランス」「マジックナックル」が放ってきた――。

 中級魔法使えるのがいるのか!?

 ゴブリンリーダーの後ろを見ると――魔力の多いゴブリンがいる。

 ゴブリンソーサラーか、また厄介なのがいるな……。


「ちょ、ゴブリンソーサラーがいるなんて卑怯よ! 魔法に集中できないわ!」


『セーレ、しっかり捕まるのじゃ!』

 

 このまま不利な状況が続く。いったん離れさせた方がいいな。


「セーレとシエルはここから離れてくれ! ダンナたちと合流してから体制を整えてくれ!」


「ご、ごめんフランカちゃん、すぐ戻って来るから無茶しないでね!」


『す、すまぬフランカよ、早く主を呼ぶぞ!』


 シエルは高く飛び――その場を去った。

 さて、まずは近くにいる厄介なアーチャーとメイジを倒すか。

 炎魔法を使う――。



「――フレイムバレット!」



「「ギャアァァァ!?」」



 炎の弾丸を放ち――直撃して丸焦げにする。

 ある程度は倒したな。


「ギャ、ギャア!」

「ガルルルル、ガウッ!」


 ゴブリンライダー10頭が一斉に向かってくる。

 前に進みたいがここは止める――再び魔法を使う。



「――――フレイムウォール!」



「ギャア!?」

「キャン!?」



 炎の壁を創り――そのままゴブリンライダーは突っ込み焼かれる。

 避けて通るのは面倒だからそのままアタイは炎の壁の中に入って――前進する。


「ギャ、ギャア!?」


 ゴブリンたちは熱いところから出て来るアタイに驚いている。

 あの炎はアタイにとっては湯船に浸かっているのと同じだ。

 ゴブリンナイトを剣で切りつけて――道を塞ぐゴブリンリーダー目掛け。



「――――炎刃・一閃!」



 真っ二つにして、次に後ろにいるゴブリンソーサラーを狙う。



「――フレイムバレット!」



「――――ギャ、ギャ、ギャアァァァ!?」



 炎の弾丸は魔法で創れた盾(マジックシールド)によってふせがれて相打ちになった。

 少し加減してしまった、だけどゴブリンソーサラーは魔力を思いっきり使ったのか疲れている。

 好都合だ、そのまま近づいて切りつけ――倒した。

 魔法が使えなければただのゴブリンだ。


 フェンリを見失ったが、魔力を辿ってゴブリンを剣で切りつけたり、遠くにいる厄介なヤツは「フレイムパレット」で倒して進む――。


 

 ――かなり前に進みフェンリはずっと止まっている。

 魔力は若干だが反応がある。強敵と戦っているみたいだ。

 もうそろそろ尽きる感じだな――間に合ってくれ……。

 その先に今まででない大きな反応がある――親玉がいるか。


 ――やっとフェンリに追いついたが、ゴブリンリーダーより一回り大きいゴブリンが両手剣を振り回して戦闘している。

 ゴブリンジェネラルか、フェンリはもう魔力が限界のようだ。


「ハハハ! ――――狂乱走斬!」



「――――ガアァァァ!」


  

 金属音が鳴り響き――フェンリはゴブリンジェネラルに剣ごと薙ぎ払われ吹っ飛んでいった。


「おい、大丈夫か!?」

 

 フェンリに近づくと――もう傷だらけで意識が……ない。

 息は……あるな、どうやら気絶しているみたいだ。

 こんなときに回復魔法でも覚えて入れば良かったと後悔した。

 

 さて、目の前にはゴブリンジェネラルがうじゃうじゃいる……。

 そして後ろにオーガより大きいゴブリン――ゴブリンキングか。

 キングを守るかのようにリーダー、ソーサラー、ジェネラルと配置がされている。

 ざっと数百は余裕でいる。

 アタイを追ってくるゴブリンたちもいる……完全に囲まれた。

 残りの魔力は半分あるが、フェンリを守らないといけない……ダンナたちが早く来ればいいのだが、厳しいな。

 温存して戦うか、一気に使って周りを一掃するかだ。

 考えろ……この状況をどうやって切り抜けるか……。

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