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115話 緊急事態


 みんなが来て3日経過した。

 

 いや、おもてなしするとは言ったが……毎日俺の屋敷に来るのはなぜだろうか……。

 しかも、ザインさんもここ毎日来ている……仕事は大丈夫なのか?

 そして、リリノアさんはいつものようにザインさんとベタベタとくつかっている。

 

「仕事はセーレに任せておいたから心配ない」


 これはリリノアさんが押しつけたな……。

 セーレさんも渋々納得したような感じにみえる……。 


「早くセーレにはサブマスターとして働いてほしいわ、。そうすればザインちゃんと一緒にいる時間が作れる」


「セーレはSランクになったばっかりだぞ……まだ早い……」


 初耳ですけど……確かにセーレさんはサブマスターに適任とは思うけど、まさかリリノアさんがセーレさんにSランクなるように急かしていたのは、このことだったのか。ずる賢いですね……。


『アハハ! この2人いつもイチャイチャしているからおもしろい!』


 エフィナはこういうのに面白がりますよね……。


 オルリールさんとエミーニャはソファでのんびりしている。

 満足しているのかお互いにゆっくりと尻尾を振っている。


「レイのとこにいると、落ち着くな~飯もウマくて日頃の疲れが取れるぜ……」


「にゃ~、この街は何もないと思ったけど、レイたちが全てを解決してくれて助かるにゃ~特に料理は王都に負けないくらい美味しすぎだにゃ~」


 この2人は飯目当てで来ています……まあ、喜んで食べているからいいけど。

  

 フェンリはフランカと稽古ばっかりだ。

 昼食の時間には戻ってくるが、フランカがフェンリを担いで戻ってくる。


「全く……魔力が尽きるまでやるなよ……」


 フランカは呆れていました。

 昼食を食べ終わると――。


「よし、また稽古しようぜ!」


 フェンリはマナポーション飲んで再びフランカと稽古をする。

 いや、休めよ……フランカに申し訳ない……。

 

 夕方の時間にミツキさんたちが来ると――フェンリは尻尾を振って興奮している。


「この3人小さいけど、強そうだな! オレと稽古しようぜ!」


 ミツキさんたちを巻き込むな!?

 どこまで戦闘狂なんだ……さすがに――。


「「「いいですよ!」」」


 笑顔で答えてくれた。

 あっ、いいんだ……。


 その翌日、ミツキさんたちは休みを取り、フェンリと稽古をする。

 小人と稽古するのが珍しいのかみんな外に出て見学をする。


「まとめてかかってこいよ!」


「「「わ~い!」」」

 

 フェンリは小人と知らずに全員と相手するつもりだ。

 3人とも切れない鉄の短剣を持って一斉にフェンリに襲いかかる――。


 結果は言わずとも、ミツキさんたちに押されて、魔力切れでフェンリは倒れる。


「つ、強い……けど、楽しかったぜ……」


「お疲れ様! 少し早かったですね!」

「早すぎ!」

「もっと稽古したい!」


 物足りないみたいです……しかしヒナとユナも強いですね……。

 フェンリの大剣を軽々と受け止める魔力を持ち合わせている。

 小人、恐ろしいです……。


「マジかよ……スールの時は実力的に強いとは思っていたがここまでとは……さすが、最強種族……」

「ワタシも小人は多少見て来たけど、こんなに強いのね……」

「噓だろう……あんな早く終わるのか……強すぎだ……」

「にゃ……小人族恐ろしいにゃ……敵に回したくにゃい……」


 みんな驚いていますね。

 これで小人族の凄さがわかったはずだ。


 大変賑やかな毎日が続いた。


 ――――◇―◇―◇――――


 ――4日目。 


 いつも通りみんな来てフェンリ以外屋敷でくつろいでいた。


 昼過ぎになると慌ててセーレさんが来た。

 何かあったのか?


「お邪魔するわ! ぎ、ギルマスいる? た、大変!」


「何慌てているのよセーレ、今ザインちゃんとお取込み中よ、邪魔しないで」


 いや、邪魔も何もないと思うのだが……無理やり仕事を押しつけてその言い方はないですよ……。


「叔母さんはのんきなこと言ってないで、本当に大変なのよ!」


「そこはお姉様と呼びなさい。まだ叔母さんと言う年齢ではないのよ!」


 リリノアさんは叔母さんって言われるの気にしていたのか。

 いや、年齢は300――いえ、なんでもないです。


「何か問題でもあったのか?」


「ゴブリンとホブゴブリンの軍勢がこっちに来ているわ!」


 ゴブリンはEランクの強さで大した強さではないが、ホブゴブリンはCランクの強さ――人と同じ身長で力もあり大変に厄介だ。

 それに軍勢……。

 

「おいおい冗談だろう……数と被害状況はわかるか?」


「数は数千以上……被害はAランク試験に行ったウィロウとグラシアよ……。身体はボロボロだったけど、治療して安静しているわ……南西から向かっているから幸いに村のない方角だったから良かったわ……」


 ウィロウとグラシアが怪我を……途中で遭遇したのか、とりあえず無事でよかった……。

 非常事態だな、今すぐ現地に向かわないと。


「今すぐ行きましょうか?」


「待てレイ、いくら強いからって無暗に突っ込むなよ、セーレ、偵察を頼む」


「わかったわ、レイちゃんお願いがあるけど、シエルちゃん借りてもいい?」


 シエルで空からの偵察か、いい考えだ。


「わかりました。シエルに話しますね」


「ありがとう!」


 屋敷を出て庭にいるシエルに事情を話す。


『わかったのじゃ、セーレよ。妾に乗るがいい』


「ありがとね! じゃあ、行ってくるわ!」


「気をつけて」


 セーレさんはシエルに乗り――空高くゴブリンが来る方角へ飛んで進む。 

 それまで待機だな。


「その間ミランドに報告に行く。準備はしとけよ」


「私も行くわ、ザインちゃんに何かあったら大変だもの」


 いや、リリノアさんはただザインさんと一緒にいたいだけでは……。


 ザインさんとリリノアさんはミランドさんに報告しに行った。


「まさか非常事態になるとは、休んだことだし、俺もひと暴れするか」


「にゃーもう少し休みかったけど、しょうがないにゃ、私も一肌脱ぐにゃ」


 オルリールさんとエミーニャも協力してくれる。

 大変心強い。

 そういえばフランカとフェンリの姿が見えないのだが、念話を使って聞いてみる。


『今どこにいるんだ?』


『ダンナ……ごめんよ……フェンリがゴブリンの軍勢が来ると聞いて大興奮でゴブリンの方に向かって……今フェンリを追っている……』


 …………1番行ってはいけない人が先に行ってしまった……。

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