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106話 前半 村の危機


 村に入って4日が経過した――。


 結局騎士たちと毎日稽古をした……。

 騎士たちは日に日に楽しんでいるのは気のせいだろうか……。

 アイシスも無理やり参加しているが大丈夫なのか……。

 聞いてみると――。


「日頃、スイーツばかり食べているので良い運動になります」


 魔力回復で消費するのに関係ないのでは!?

 ご冗談を言いますね……。


 就寝の時間になり、寝ようとすると――。


 禍々しい魔力反応が出た。

 入り口方面から数十体いる……魔物か?

 

『嫌な予感だ……行った方がいいよ』


 エフィナから先に言うことは危ない奴らしいってことか。


「ああ、もちろんだ」


「私も行きます」


「変な輩でも来たみたいだな。アタイも行くぜ!」


「私も行く!」


 アイシス、フランカ、精霊も気づいたようだ。

 急いで準備をしていると――。


「寝る時間ですけど、どうしましたか?」


 ミツキさんは首を傾げて言ってきた。

 訳を話して笑顔で返してくれた。


「大変ですね! 私も行く行きます!」


「魔物なのか? 私も行くよ」

「危険ですわ。わたくしも行きます」


 ミツキさんたちも準備をして家を出ると――シエルもわかったらしい。


『主よ、夜中から騒がしいのがいるみたいなのじゃ。妾も行くぞ』


 みんなで行くことになった。

 すると、鐘の音が村中に響いている。

 入り口前に設置してある鐘が鳴ったようだ。


 それに気づいたのか不安な様子で女王が家から出てきた。


「いったい何が起きているの……」


「ミンディさん、この辺りに夜行性の魔物とかいますか?」


「いえ、そんなのはいません……ハニーベアーとフラワートレントくらいしか強い魔物しかいませんので……」


 そうなると何か移動して来たのか。


 暗い中に慌てて村人がこっちに向かってくる。


「女王さん、大変です! と、盗賊が村に侵入しました!」


 盗賊? この辺境に盗賊とかおかしい……。

 ましてやこの大陸に盗賊なんているはずがないぞ。


「なんですって……みなさんは大丈夫のですか!?」


「みんなは騎士の方々が避難させてくれているので大丈夫です!」


 さすが王国騎士、対処が早い。


「良かった……今どのような状況かわかりますか?」


「それがですね……騎士と武器を持てる人と盗賊と戦っていますが……あまりにも強くて押されそうです……」


 強いのか……確かにここまで来るのに強くないと無理だな。


「そんな……」


「盗賊は妖精を渡せとか……奴隷にしてやるとか妙なことを言っています……」


 奴隷? まさか……ズイール大陸の奴らか……。

 まだ断言はできないが、早く加勢しないと――。


「マスター、私が女王と妖精を守るからここにいてもいい?」


 精霊は女王たちが危ないと思ったか。

 こちらとしては助かる。


「いいよ。変な奴が来たら風で吹っ飛ばしてくれ」


「わかった!」


 いい返事だ。


『じゃあ、妾もここの周りを守ろうかのぉ』


 シエルもか、それは心強い。

 そうと決まれば急ごうとすると――ウィロウさんとグラシアさんが前に塞がれて、足を止められた。


「悪いがレイもここを守ってくれないか?」

「そうですわ」


「なぜですか?」


「相手は盗賊だ、人を切ることになる……魔物と違って罪悪感があるぞ……」

「レイはまだ若いので……身が重いですわよ……」


 そういうことか……2人は俺に気を遣っているのか。

 確かに相手は人だ、自衛のために切る可能性は十分にある……悪く言えば人殺しなる。

 だけど、苦戦しているのであれば俺も行った方がいい。


「覚悟できているので俺も行きます」


 2人に真剣な表情で見ると――ため息をついた。


「止めても無駄か……わかった……。けど、後悔はするよ、本当にいいのか?」


「大丈夫です」


「わかりましたわ……ですが無理でしたら後ろで援護してくださいね」

   

「はい」


 2人は俺を塞ぐのを止めた。

 よし、許可も得たが、ただ……問題が……。


「アイシスとフランカも汚れ仕事に付き合わせることになるがいいのか……?」


「覚悟はできています。私はご主人様を守るメイドです。一緒に行くのは当たり前です」


「アタイも覚悟はできているぞ! 相手が悪いからな!」


「そうか……」


 アイシスとフランカは覚悟はできているようだ。

 本当にできた2人(魔剣)だ。


『レイ……酷な場面になるかもしれないけど……無理はしないでね……』


 エフィナも気を遣っている。


『大丈夫だ……もし人を切ったらティーナさんたちに嫌われるかな?』


『そんなことはないよ、守るために仕方ないことだからね。嫌う意味がないよ』


『そうか……それを聞いて安心した』


 女神って優しいのだな……。


 時間がない――時魔法「ヘイスト」をみんなにかけて向かう――。


「それじゃあ、精霊、シエル頼んだよ」


「うん、マスターたちも気をつけて!」

『任せるのじゃ!』


「みなさん、無茶をしないでください!」

 

 3人に見送られ禍々しい魔力の方へ向かう――。

 頼む、俺たちが来るまで持ち堪えてくれ。 

 

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