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103話 熊狩り


「どうしますか? 手分けして狩った方がいいですよね?」


 ミツキさんに確認する。


「はい! その方が効率がいいです!」


 それじゃあ、決まりだ――。


「レイ殿、今のハニーベアーはとても凶暴で分かれて戦闘するのは控えた方がいいです……。恐らくBランクの強さがあるので集団で行動した方がよろしいかと……」


 オーウェンさんは不安そうに言う。

 そんなに強いのか。

 別にそのくらいだったらこのメンバーなら全然余裕だ。

 基本騎士は集団で行動するから単独行動はダメか。

 まあ、数が多いってのもあるよな。

 

 反応を確認すると――固まっているな……分かれなくてもいいか……。


「わかりました。ミツキさん、反応では固まっているみたいなので、すみませんが集団で行動しましょう」


「そうですか! わかりました!」


 元気よく返事をしてくれた。

 いつも素直で助かります……。

 オーウェンさんはホッとした様子だ。


『主よ、妾が飛んで熊の連中を探そうかのぉ?』

 

 シエルが見に行ってくれるのか。 

 それならこちらとしては助かる。

 正確の位置を把握できて効率がいい。


「ああ、よろしく頼むよ」


『承知した』


 シエルは翼を羽ばたかせ――空高く飛んで行く。

 見つけたのか移動し始めた。

 俺たちはシエルを追う――。


 シエルは移動をやめて――そこの位置を飛び回る。

 熊らしき姿が見えた――数十頭はいる。

 

「こんなに群れでいるなんて……あり得ない……」


 オーウェンさんは顔が青ざめた。


「わ~い、いっぱいいる! あの肉でカレーが食べたいです!」


 逆にミツキさんは喜んでいます……。

 美味しくてご馳走ですもんね……。

 ハニーベアーとハチミツを入れたカレーもいいな。

 夕食はそれに決まりだ。 

 

「結構いるな、日が暮れる前に片付けようぜ!」


 フランカは炎を付与した金剣(フレイムソード)を創った。

 オーウェンさんはそれを見て慌てた様子だ。


「ユニークスキル!? ふ、フランカ殿! ここの花は燃えやすいので、できるだけ火を使った物は控えてください!」


 燃えやすい? 油分が多いのか。

 ってことは、シエルが火を吐いたら一瞬で火の海だな……。

 花好きで正解でしたな……。

 だから村人に好かれるはずだ。


「そうなのか? わかったやめるよ。――――アースソード!」


 炎の剣を解除して魔法で地の剣を創った。


「無詠唱!? フランカ殿はいったい……」


「ん? アタイも賢者の弟子だぞ」


 フランカさん……あまり広めないでください……面倒事が……。


「フランカ殿も賢者の弟子だったのですね!? これは目が離せない……」


 はい、もう手遅れでした……。


「それではいつものように狩りましょう! 先に行ってきます!」


 ミツキさんはテンション上げてハニーベアーの方に向かう。


「ミツキ殿、油断は禁物ですよ! いくら小人族でもあの数の中に突っ込むのは……」


「ミツキさんをナメてはいけないよ。騎士さん、あんな甘々好きな熊に負けるわけがない」

「そうですわよ。ミツキ様は熊でやられるわけはありませんわ」


「しかし――えっ…………」


 オーウェンさんはミツキさんの戦いを見て驚きのあまり呆然としていた。

 ミツキさんはミスリルの短剣で周りのハニーベアーを切りつけてすでに5頭は倒したからだ。

 

「強い……」


 それに続いて俺たちもハニーベアーに向かい――各それぞれ戦闘に入る。

 シエルも戦闘が始まっているのがわかり降りて来た。

 

「ガアァァァァ――――!」


 鋭い爪でひっかいてこようとするが――動きは大したことなく横に躱す。

 【武器創造】で金の剣(ゴールドソード)を作り右手に持ち――首元を切る。


「ガアァァァァ……」


 倒れたのを確認して、近くの敵を氷魔法を使う――。


「――――アイスランス!」


「ガアァァ!?」


 氷の槍を放ち――頭に直撃し、仕留めた。

 凶暴と言えど、強さはオーガより弱いから倒しやすい。

 

 これならすぐ終わりそうだ。


 ――10分後。


 みんなで39頭のハニーベアーを倒した。


「すごい……短時間でこの数を……夢を見ているのか……」


 オーウェンさんにはあり得ない光景か。

 このメンバーでは普通のことなんですけどね……。

 ミツキさんと狩ったハニーベアーを山分けして無限収納に入れた。


 ほかにも反応がある。

 まだ安全とは言い切れないな。

 引き続きシエルに先導をお願いして――探す。

 見つけたら再び戦闘をする。



 ――1時間後。


 

 いや、多すぎだろう!?


 100頭以上は狩ったぞ!?

 まだ村から遠くていいが……こんなの近くにいたら対処できないだろう……。



「ガアァァァァ――――!」



 大きな鳴き声が周りに響いて――もの凄い速さで全長10メートル以上のハニーベアーがやって来た。

 親玉かな?

 

「あ、あんなに大きいのがいるのか……騎士でも倒せない……みなさん気をつけてください……」


 オーウェンさんは身体を震えて弱腰になっている。

 見た目がデカいだけのハニーベアーだから大丈夫でしょう。


 みんなで一斉に仕留める。


 俺とミツキさんで両足を狙う――。


「――――絶剣!」

「――――羅刹!」



「ガギァァ!?」


 切り刻み――怯んだ隙にフランカとウィロウさんで両腕を狙う――。


「――――刺岩!」

「――――絶槍!」



「ガギャア――――!?」


 次にアイシス、精霊、グラシアさんが魔法を使い――。


「――――アイシクルランス」

「――――ウインドランス!」

「水よ、貫く槍と化せ――――アクアランス!」


「ガァァァ……」


 腹部に当て――ハニーベアーは倒れた。


 反応も無いからこれで最後のようだ。


『主よ、念のため熊がいないか確認してこようかのぉ?』


 大丈夫だが、念には念ってことで頼むか。


「ああ、お願いするよ」


『承知した』


 シエルは翼を広げて高く飛び――周りを確認する。

 それまでここで待つ。


「す、すごい!? あの連携は初めて見ました! 勉強になります!」


 怯えていたオーウェンさんは興奮しています……。

 いや、連携も何も自然にやっただけなのに……。


「このハニーベアーは村のみんなにおすそ分けしましょう!」


「じゃあ、その肉でカレーを作りましょうか?」


「やった~カレーだ! ありがとうございます!」


 ミツキさんは返り血を浴びて喜んで跳んでいます……。

 戻ったら身体を洗わないと……。


 シエルが戻って来て、ハニーベアーはいないらしく、安全も確認できたから村に戻る。 

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