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99話 花畑


 シエルの案内で下山し――平地に辿り着いた。


『主、妾が速すぎたら言ってくれ』


「別に問題ないよ。病み上がりだから無理はしないように」


『大丈夫じゃよ、主も無理をせぬにな』


 結構気配り上手な飛竜だ。

 進むと――森が見えて来た。


『そこの森を通れば花畑に着くぞ』


「ではその前にここで昼食にしましょう!」


 ミツキさんの指示で森の前で昼食を摂る。

 今日はオムライスと野菜スープだ。

 しかし……シエル分まで作るとか大したことしますね……アイシスさん。


『美味じゃ!? この料理気に入ったのじゃ!』


 尻尾を振って喜んで食べています……。


 不思議なことに山を超える前までは大量の魔物がいたのにここの平地はホーンラビット、ブラウンボア、ホワイトバードしかいない。

 そして寒い時期なのに登った山と同じで暖かい。


「なあ、シエルここら辺はずっと暖かいのか?」


『そうじゃのぉ、この場所は暑くも寒くもなく快適な環境じゃよ』


 そうすると……1年中、花が咲いてハチミツが採れるってことだよな。

 ハニーハンターとしては最高の環境だな。


 昼食を食べ終わり――森の中に入り進んでいく。

 森に入ったことで、飛んでいるシエルは少しペースを落して案内してくれる。

 ありがたい。


 魔物もいなく、安心して進み――森の出口が見えてきた。

 森を抜けると――周りは一面の花畑に埋め尽くすされている。

 夕陽の光が合わさってそれがまた絵になり綺麗な光景だ。

 

「わ~い、お花がいっぱいだ~」


「ここ気持ちいいね!」


 ミツキさんは周りを走り回り、精霊は飛び回ってテンションが上がっている。


『綺麗な場所だね!』


『そうじゃろう、妾のお気に入り場所じゃ』 


「人がいたところは先の方か?」


『そうじゃのぉ、まだ距離がある』


 今日中に着きそうにはないか。


「それではここで泊まりましょう! フランカさんお願いします!」 

 

「わかったぜ! そのまま出すと花が傷つくから端に方に出すか」


 フランカは森の手前に家を出した。

 そのまま家に入ってゆっくりしたいのだが、みんなで花見ている。

 まあ、遠くまで広がる花畑なんてあまりないからな。

 

 そして気がかりなことが――魔物の反応がある。

 花畑に隠れている。


「シエル、ここの魔物は何がいるかわかるか?」


『魔物かのぉ? 熊や植物みたいなのがおるぞ』


 じゃあ植物系の魔物が隠れているに違いない。


「マスター! 私の近くに反応があるよ!」


 精霊がそこに止まった先に明らかに場違いな毒々しい色の大きめの花が咲いている……。


『いかん、精霊よ。そこを離れるのじゃ!?』


「ん? まだ平気だよ! ――――わぁ!?」


 シエルは慌てて言うと――地面から木の姿した魔物が現れた。


「あれはCランクのフラワートレントですわ!? 近くにいると捕食されますわ!」


 グラシアさんいろいろと魔物に詳しいですね。

 

『マズいのじゃ! 精霊が食べられてしまう!』


「大丈夫だよ」


『えっ?』


 フラワートレントは大きく口を開け精霊を食べようとするが――精霊は焦ることなく風魔法を使う。


「――――ウインドランス!」


 風の槍を放ち――口の中に入り、見事に貫通し倒れてく。


「この魔物そんなに強くないよ!」


『精霊は強いのぉ……』


『見た目で判断してはいけないよ!』


 今の精霊ならAランクの魔物を倒せる実力はあるからな。


「マスターこの魔物邪魔だから掃除してもいい?」


「いいよ。けど、あまり遠くに行ってはダメだぞ」


「わかった!」


 精霊は反応があるところに行き――次々とフラワートレントを「ウインドランス」で駆除した。


「花の邪魔だから端に置いておく」


 10体以上倒したのを風で森の入り口前に運んで置いた……なかなかの絵面だな……。

 フラワートレントは素材にならないけど取りあえず無限収納に入れて回収をした。

 大半は木そのものだから燃やして処理すればいいのだが、近くに花もあるからやめておく。

 後で薪の代わりにするのもいいか。


 その後、花を鑑賞して夜になり――アイシスは途中で見るのをやめ、家に入り夕食の準備をしていた。


 外で食べるように、大量のいなり寿司、厚焼き卵、から揚げ、おでん、お好み焼きまで用意してくれた。

 この量だと前々から作り置きしたな……。 


「わ~い、いなり寿司とおでんがある! 大好きです!」


 ミツキさんは喜んでいます……。

 やっぱり村でも作るのですね……さすがにお好み焼きは知らないみたいだ。


 暗くなったから光魔法「ライト」を使って周りを明るくして――再び鑑賞しながら夕食を食べる。

 こういうのも悪くはない。


 シエラは――。


『美味じゃ!』


 食いっぷりがいいことで……。

 これならやせ細った身体も通常のワイバーンと同じ体型になるはずだ。


 夕食を終え――その後にお茶、酒、お菓子を食べながら寝る前まで花畑を鑑賞していた。


『いや~長閑でいいね~』

「お花を見ながらのお菓子は……別格です……」

「花を見ながらの酒は美味しいぜ!」

「楽しいね!」

『美味な食事に花は最高じゃ……』

「ずっと見ても飽きないです!」

「癒されるな……」

「優雅でいいですわね……」


 みんなほっこりしています。


 いよいよ明日から目的の場所に着きそうだ。

 

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