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休暇:2日目・朝

たとえ休暇であろうとも、朝は習慣でつい早めに目が覚める。今は日が短い季節なので、外はまだ少し暗い。

南向きの客室からはきれいに整えられた庭が見える。時期がよければきっと色とりどりの花が咲き乱れるのだろう。

まずは日課の身体作り。さすがに走りに行くのはどうかと思ったのでやめておく。裏手の森あたりはちょっとおもしろそうなんだけどねぇ。


すっかり明るくなった頃、メイドさんがやってきて身支度を整えられる。

普段は自分でやると適当もいいところなのだが、メイドさんの丁寧な仕事に感心する。お世話係のメイドさんは私と同い年で、すでに顔なじみなので話も弾む。

案内されてダイニングルームへ行くと、すでに宰相閣下が席に着いていた。

「おはようございます!」

「ああ、おはよう。よく眠れたか?」

「はい!あんなにふかふかなお布団は初めてなので気持ちよく眠れました」

寮の寝具は布団じゃないな~と思いましたもんね。


宰相閣下はいつものキチッとした感じがない。休日だからなのか、もしかして朝は少し弱いのか?

でもまぁ、これはこれで眼福!休暇バンザイ!!・・・などと思っていたら、こちらの視線に気づいたらしい。

「何をぼけっとしている。早く食べないと冷めるぞ」

「あ、は~い」

朝食はシンプルながらどれも美味しかった。


「ところで今日の予定は決まってるんですか?」

朝食後のお茶を飲みながら聞いてみる。

「ああ、すまないが午前中は少々雑用を片付けるので少し書斎にこもる。夕方から一緒に出かけたいと思うが、大丈夫か?」

「もちろんです」

うなずきながら答える。

「それで午後なんだがな、君はチェスができるか?」

「一応ルールは把握していますが」

「よければ一戦どうだろうか?最近はなかなかやる機会もなくて、腕はだいぶ落ちているとは思うがな」

「私も近頃はあまりやっていませんでしたが、それでもよければよろこんでお相手させていただきますよ」

うん、久しぶりなのでちょっと楽しみだ。


午前中は庭と裏手の森を散策。

皆さんお仕事があるだろうから1人でいいと言ったが、お世話係のメイドさんがついてきた。どうやら今は私の世話が最優先の仕事であるらしい。

庭は季節的に花は少なかったけれど、それでもいくつか咲いてはいた。園芸用の草花には縁がなかったので正直あまりよくわからない。

庭の片隅にはハーブや薬草の畑もあった。こっちはどれも一目で種類がわかる。とても丁寧に育てられているようだ。


裏手の森も季節的にほとんど葉は落ちていた。

そういえば王都に出てきてからこういう自然に触れる機会はあまりなかったなぁ。王宮の敷地内も木々は多いんだけど、どこもきちんと手入れされていた。ここは人間が手を加えるのは必要最低限という感じだ。

どうやら古くからある森のようで大きな木も多く、登りがいのありそうなものもいくつかあったが、メイドさんの手前もあって自粛。またの機会があるといいなぁ。

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