聖女様
大神官長様との話を終え、大神官長様自ら聖女様のいる部屋へ案内してくださった。
「本日は本当にありがとうございました。せっかくいらっしゃったのですから、ゆっくりしていってくださいね。また近いうちにお会いしましょう」
そう言って大神官長様は去っていった。
「おかえりなさい。さ、お掛けになって」
笑顔の聖女様にうながされるままにソファーに腰掛ける。
「大神官長様と話してみた感想はいかがだったかしら?」
「とてもいい方だったと思います」
にっこり笑って答える。
「大神官長様はここ最近ずいぶんと悩んでおられたようなのだけれど、先ほどの表情はすっきりなさっていたようでしたわね。きっと貴女と話したせいね」
「そうでしょうか?」
「ええ、そうよ。大神官長様と何を話していたかはわからないけれど、私にもわかることがあるわ」
「何ですか?」
思わず小首をかしげる。
「魔王討伐の旅をしていた頃から気づいていたけど、貴女から聖女の気を感じるの。大神官長様にそう言われなかった?」
「・・・聖女様ってすごいですね。大当たりです」
聖女様、そんな前から気づいてたのか。
「ふふふ、これでも本物の聖女ですもの」
だったら当たり障りのないところで情報解禁しといた方がいいのかも。
「大神官長様が言うには、亡くなった私の母がこの大神殿にいた聖女だったらしいんです」
「あら、そうなの?じゃあ、今日はそのお話だったのね」
「まぁ、そんなとこです」
そうとも言えるけどそうでもない・・・微妙なところだな。
「聖女は血筋とはあまり関係ないと言われているけれど、そういうこともあるのかもしれないわね。ともかく、もし何か知りたいことや困ったことが起きたならいつでも気軽に相談してちょうだいね。先輩聖女としていろいろと教えてあげられると思うわ」
「ありがとうございます」
聖女様はさっそく聖女の力についてあれこれと教えてくれた。
そろそろ夕方近くになってきたので、引き上げなければならない時間になった。
聖女様も祈りを捧げる時間が近いらしい。
「貴女は聖女としては私の妹と思っているわ。だから・・・その、もしよければなんだけど、私のことを『お姉様』と呼んでもらえないかしら?」
考えてみれば聖女様も私も今は身内が誰もいない。
「はい、お姉様。これからはそう呼ばせていただきます」
「ありがとう!私の妹は本当に可愛いわ」
そう言って聖女様に抱き締められた。
ぎゅっと押し付けられた聖女様の胸はとっても大きくて、とっても柔らかかった。
べ、別にうらやましくなんかないんだからねっ。