黒きシンデレラに誘われて 第五章『夜の学園 後編』
もうちょっと書くつもりだったのですが、終結してしまいました。
「先輩 コレって……」
「あぁ それだよ ねむッ!」
けい先輩の無線機が暗い廊下に響く。相手は、どうやら 佑真先輩らしい。
〖けいッ! 予想通りだ。そっちもか?〗
「あぁこっちもだ佑真」
〖そっちに〝シンデレラ〟行ってないか?〗
「シンデレラか……来てないぞ」
〖ならいい。切るぞ〗
「あぁ分かった 佑真。」
切った時 廊下の先からコツコツッ……まるで、ヒールのような足音が微かに響く。
「先輩 ヒールの音が聞こえます」
「あぁ俺もだ。誰だ……」
コツコツ……コツコツ…………コツコツ
「足音がどんどん近くなってます先輩 」
「足音は、近いのに 何故……〝見えないんだ〟」
『ふふふっ……ご機嫌 けい。ねむ』
ふっ……と姿を現したのは青紫色の髪、黒の包帯で目を隠した女だった。
「シンデレラ…… くっ見えなかったのは光の屈折か何かか……」
『半分正解。けい。わたくしは、ずっと目の前にいましたわよ? ふふふっ』
「アレ……」パサッ
「ねむッ! 」
『後輩ちゃんが可哀想に……』
「ねむ……おいっねむ大丈夫か?」
けいは、激しくねむを揺らす。だが、起きる気配がない。
『ふふふっ、あはは 』
またコツコツと音がけいの後ろから鳴り響く。
《勝手なことしないで下さる?》
『·····ひぃ……シンデレラ様 わたくしは、仕事を全うしました。』
《ねむを眠らすなと言ったわよ?》
『シンデレラ様 けいは、殺しても……』
《ダメよ?》
『……私は、従っただけ なのに』
《もう貴方は要らない 死んじゃって?》
その瞬間 シンデレラと呼ばれた少女が打たれ 倒れ込む 倒れた拍子に外れた帽子から二本の大きな獣の耳が出ていた。
「仲間じゃないのか?」
《仲間じゃないわよ 捨て駒なんだから……そうね見られてしまったし……面倒くさいわ けいあなたにも死んでもらいましょう》
「さっきは、殺すなと……言ったじゃないか」
《計画が狂ったの どうせけい あなたは〇〇〇なんだから……》
けいは、その〇〇〇を聞き取れずに意識が闇へと落ちていった。
《ふぅ……クローンの貴方は、殺したって大丈夫ですものね けい先輩》
彼女は、ウィッグを取り 包帯を解く。その顔は、〝××××〟と同じだった。
〝シンデレラ コロッケ買ってくれる?〟
《明日からは、オランダ行く事にしたわ 日本でクローン技術は早すぎたわ……》
〝分かってる みんなの記憶消せばいいんでしょ?〟
《そう、元から私たちがいなかったことにね》
数時間後 学園内を回っていた警備員が倒れているけいを見つけ救急車で搬送した。
End
これにて第一部終了です。今度は、舞台 オランダとなります。お楽しみにッ!