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第6話 魔皇と魔女

「お前が魔皇になるため?それって契約の事か?」

「察しがよろしい。私はどうしても魔皇にならなくてはならないのだ。そのためなら手段は選ばん、契約でも何でもしてやろう。その標的が彼女というわけだ。先輩殿、ここは手を引いてもらえないだろうか。」

手を引け、か。

むしろ、俺の魔力は何度も言うが戦闘どころか役にすら立たない。

戦闘なんて避けれるに越した事はない。

「それでも、じゃあわかりました。と、手を引くような性格してないんだよ。」

「わからないのか?先輩殿。これは提案ではない、命令だ。私は引け、と言っているのだよ。所詮は無力な無皇。先輩殿がどう足掻こうが、私には勝てない。合理的にも引くべきだろう。」

全身タイツのような魔神装だが、使っている間は魔力が上がる。

確かに無能で無力な魔力だが、魔力は自身の周りに集中させれば、微弱ではあるがバリアにもなる。

ようするに守りなら……と言いたいが、魔皇クラスの魔力を耐える強度なんてない。

本当に一方的にやられるだけになるだろう。

俺にだって秘策くらいならある、だけどそれも守りにしかならない。

俺に攻撃の手段がない以上、勝ち筋はない。

それでもこのまま引き下がる事も出来ない。

何か考えろ、俺に出来る事を、俺がするべき事を、俺の魔力の(・・・・・)意味を(・・・)

ふと、俺の家が目に入る。

かなり無残な塀の砕かれ方をされ、玄関もボロボロ。

酷い有様だよ、まったく。

ただでさえ、何もない俺から家まで奪う気か、この後輩は。

人はたしかに何もないところから何かを作る。

それを俺にさせたいのか?俺がなにか悪い事しました……?

何かを作る……魔女の契約とは、する事で大量の魔力を得ることが出来る。

だが、その魔力量は魔女より圧倒的に少なく眷属的なものだと思われている。

そして、俺に関しては契約もしていないのに、魔女並みの魔力がある。

さて、何故だろうと考えた時もあった。

今、なんとなくわかった気がした。

「お前に重いの1発くらわしてやるよ!!」

「先輩殿に何が出来るというのだ!!!」

「この場を収めるくらいの、強いのだよ!」

よかった、焦っていきなり攻撃仕掛けられたら何も出来なかったぜ。

俺の体質と『無』の魔力のコンビは、もしかしたら最強だ。

だが、この大きな力は時間がかかる。

それでも準備をしとけば実戦にも使えるだろう、多分。

「行くぜ!究極魔導!」

「それが先輩殿に使えるわけなかろう!!」


「────魔神の鉄槌(アトラス・ブレイカー)。」

そう言い、右腕を大きく振りかぶると巨大な拳が現れ、ゴードンがやったのと同じように塀を壊しながらゴードンを吹き飛ばす。

あれ?これじゃ巨人の拳(ジャイアントハンマー)だな。

魔力の勉強はしとくべきだったな。

どれくらい魔力を消費すればいいのか、要領がわからない。

「どうやって……。」

「は?」

「どうやってそれを!土属性の魔力を!」

「俺が土属性だったんだよ。」

「────ッ!?」

「いや、冗談だよ。」

やっぱりこいつ、根は真面目だよな。

今のをすんなり受け入れちまうんだから。

「まあ、お前のおかげだよ。」

「私の……?」

「そうだ。俺の体質、わかってんだろ?」

魔導脈記憶体質(マジックメモリアル)……。」

魔導脈記憶体質(マジックメモリアル)というのは、単純に言えば触れた魔力の脈を記憶する体質だ。

脈っていうのは質みたいなもので、どの基本属性もそれぞれ異なった独特の質がある。

基本属性と指定するのは、当然、特異属性は別だからだ。

特異属性には特殊過ぎるだけあって、質も全く記憶出来ない。

俺が記憶出来ないということは即ち、ないのと一緒だ。

特異属性には質、脈が存在しないと言える。

そして、俺の『無』属性だ。

もしかしたらと思って試したら作り出せたんだ、土属性の魔力が。

正確には俺が意識的に魔力の質を変えたら、『無』属性が土属性に変わったんだ。

本来魔力の質は変えられないものなんだが、『無』属性は話が別らしい。

そもそも属性がないから、決まった質というものがないのかもしれない。

そういう意味では、やはりこれは特異属性で、俺は魔女よりなのかもしれない。

そして、俺に攻撃手段が出来た事で秘策も使える、というわけだ。

俺は即座にゴードン目掛け走り出す。

巨人の拳(ジャイアントハンマー)……ッ!」

確かに巨人の拳(ジャイアントハンマー)も強力な魔法だ。

だがそれは、あくまで威力・スピードが通常だったら(・・・・・・)だ。

ゴードンの繰り出す巨人の拳(ジャイアントハンマー)は、俺の1m程手前で減速し始める。

これが俺の秘策、魔力障壁の重複だ。

確かに威力の高い魔法を防ぎ切るのは難しい。

だが、数を重ねれば確実な弱体化が出来る。

実はこれが出来るのは俺だけだ。

散々『無』属性に困らされてきたからな、これくらいは習得できるさ。

拳をいつでも触れる体勢で、ゴードンの前で立ち止まる。

「そんな……隠し技を。」

「ああ。これで終わりだ。メイティスの事は諦めろ。」

「答えはノーです。」

「そうか。じゃあ、少し寝ててもらうぞ。」



俺は大きく振りかぶりながら、巨人の拳(ジャイアントハンマー)を発動する。

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