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第14話 四人目の魔女

青の長髪に、星のアクセサリーを付けた彼女が、校門の前に立っていた。

海星さんと同じような見た目、アクセサリーがあるかないか。

顔が少し違う程度だろうか?

「どこかで……見たこと。」

「今話題の歌姫!ディーヴァさんですよ!」

「あ、そうなの?海星さんそういうの詳しいの?」

「いえ、そこまでは……。でも、彼女を知らない人って少ないと思いますよ?」

ネットで調べるとそこには大量の情報があった。

写真と見比べると少し違う気もするが、まあ写真だものな。

期待の新人歌姫ディーヴァ。

今は引っ張りだこの売れっ子。

水の魔法を得意とし、グロウディア魔導学園に転入し、水属性の優等生として評価されて……いる?

ここの生徒!?……になったのか。

それで優等生って事は即ち……。

「あ、皆さんが魔女研究会の人ですね!?先輩方よろしくお願いします!」

礼儀正しい……悪い子ではなさそう?

「けど、今ちょっと色々あってな……。」

「どうしたんですか?私、お手伝いしますよ?」

断っても押し切られるだろうな、ここは最初から了承しておこう。

「わかった。じゃあ、海星さんはありがとう。ここからは俺らだけの話なんだ。」

「わかりました!じゃあ、また後で!」

「お、おう。」

後でって、今度だろ?少し勉強をした方がいいと思うぞ彼女は。


×××


「目の見えない……防御系の魔女、ですか。」

「目が見えないってこと以外は予想なんだけどな。」

協力するか否か、それは彼女次第だがこちらとしては断ってくれる方が助かる。

いきなり魔女探しなんて言われても、普通は断ると思うが多分彼女なら……。

「わかりました!みんなで探しましょう!手分けで人が多い方が早いです!」

「だよな……。わかった、みんなで探そう。あの魔女を!」


×××


時間はお昼を過ぎ、街には人影が少なく行動しやすい。

魔女が関わってるともなると、住民がいると目立った行動が出来ないから動きにくくなる。

何より、俺のこの格好は見られたら通報されかねない。

本当に不憫すぎるだろう、この魔神装!

「ゴードン……大丈夫だろうか。」

あちらもあちらで今、魔女と関わる可能性のある事柄なわけだ。

何があるかわからない。

魔皇トップクラスのペルディ王子いるにしても、だ。

メイティスは使いこなせないから、命の危険性としては安全に近かった。

だが、使いこなせる魔女はどうだ?明らかに俺らとは次元の違う、その魔法。

いつも通っていた公園に立ち寄るが彼女の姿はない。そんなに大きいところではないといえ、少女一人探すには広すぎる。公園を離れて少し歩いた時、突然に緊急連絡が入る。

「どうしました!?」

『魔女反応です!公園で!』

「わかりました!」

通信係の話を聞き、すぐに公園へと戻るがそこにはさっきと変わらない(・・・・・)公園の光景。

「魔女はどこですか?」

『それがついさっき、消えました。』

カルデは「逃げられたか」と舌打ちをしながら、小声で呟き公園を見回す。反応が消えてもそれは魔女がいなくなった、とは言いきれないからだ。

さっきと何も変わらないと、カルデは思っていたが、それは思い込んでいただけだった。

周りは明らかに変わっている。何がと言われると一般人の目線がカルデに集中している。全身タイツの魔神装の時ならまだしも通常のカルデがここまで見つめられるのは不自然。

そして、雰囲気がさきほど違いなり重たい。

「まあ、こういうのってほぼお決まりだよな」

一般人の一人が突然カルデへと飛びかかる。

「そうそう。こういうことだよ。……洗脳。」


×××


そんな時間は経っていないはず、その短い時間でいったいどうやったら公園内の人間を洗脳出来るんだ?今はとりあえずこの人たちを何とかするべきか。

けど、まだ近くに本体がいたら俺もやられかねない。

「下手には動けないな。」

というか、洗脳。これってまさかと思うが4人目の魔女?何十年と出てこなかったのになんで突然こんなに魔女が現れるんだ。

「ああああ!」

いきなり襲い掛かってきやがった。ただ民間人だ、殺すわけにもいかないし。とりあえず魔神装で気絶させる。

「俺って奴は、どうしてこんなにも不運な奴なんだ……っ!」


×××


「それではゴードンくん、ここの調査を頼みたいんだよ」

それは比喩表現などではなく、完全に跡形もなく地形が消えた穴が存在していた。

「調査って何をすれば」

「君の魔法で作り出した石を落とすんだ。あとはそれに集中していてほしい。それがどこかに転送されればこれは転移系になるってわけだ」

「なるほど」

と二人で会話していると少し先から特殊な穴が開き、そこから二人の少女が姿を現した。

「いやー、本当にこの役大変だよね。私が『空間』の魔女なんかに生まれたのが悪いのかな〜」

「まあ、その時点でノインがこの役目を請け負うのは決まってたわね」

「……君たちは?」

「気のせい?人がいるわよノイン」

「あっれれ〜。ドジったかも」

「ゴードンくん、彼女らを拘束する仕事に変更だ」

「え、あ、はい!」

ゴードンは地面から土を縄のようにして伸ばし、彼女らの足を固定する。




「はぁ……。だから戦闘員を一人よこせって言ったのに。」

少女の一人がそう呟くのだった。

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