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第11話 -----

「カルデ!」

ゴードンを連れ、何とか学園に戻ってこれた。

流石にヤバかった。

もしあの時怒熱風(ブラストバーン)をウケてなかったら、逃げれなかったかもしれない。

でも、多分彼女は魔女で間違いないだろう。

理由としては単純だが、何度も繰り返した今日魔女が探知されたのは、いつもメイティスが『時』属性魔力を使う前だった事に気が付いたんだ。

そうなると、一体誰が探知に引っかかっていたのか。

そんなのは決まりきっている、メイティスとは別の魔女だ。

「とりあえず、ゴードンを頼む、俺はその後……ゴフッ。」

体が……動かない!?

俺は激しい吐血をしながら倒れる。

なんだ、これ。

苦しい、熱い、このまま死ぬのか?俺。

そんな風に思い込んでしまうほどの違和感。

「さっさとどっちかを体から出せ。」

「は……?何、言って。」

「魔導脈、つまりそういう事だ、体内に別の属性を持った魔力を2つも流してりゃそうなる。血液と変わねぇよ。」

そういう事……か。

それでもこんな所でそれをしたら、みんなが……。

実際、魔女の所有する特異属性の魔力を除き、基本属性の魔力は同じ魔導脈を流れる。

当然混ざりもするのだ。

それすれば別型の血液に別型の血液を流し込むようなもので死に至る。

それでもみんなを巻き込む事なんて出来ない……無理だ。

いや、炎属性ならグレンがどうにかしてくれるんじゃないか?それが意図?

全く、素直じゃないやつだ。

少し俺は笑を零してから、大量の炎属性を解き放つ。

案の定、全部吸い込みやがったよ、グレンが。

「少しは頭回んじゃねぇか。よし、さっさとそいつを治療しろ。そいつには聞かねぇとならねぇ事がある。」

「魔女の事か?」

上半身を起こして、グレンに尋ねる。

ここでバトられても困るしな、目的は聞いておかなければ。

「もう一人の方だ。あいつに関して何か知ってんじゃねぇかと思ってな。」

「それか……多分なんの収穫もないと思うぞ、ゴードン自身も何も出来なそうにしていた。まあ、知っているが対策法がない、という可能性もあるが。」

「何にしてもこいつに聞くのが早いだろ。」

「まあ、な。」


×××


ゴードンが治療室に運ばれてから数時間ほどが経過した。

治療自体は済み、後は目を覚ますのを待つだけらしいがグレンはそろそろ限界だ。

こいつは待つのが苦手だ。

誰かを待たすくせに待つのは嫌いって、本当によくいるチンピラとかみたいだな、グレンは。

「なあ、グレン。あの姿、ゴードンは魔皇になったって事でいいんだよな?」

「あ?逆にあれ見てどう思ってんだよ。てめぇくらいだ、全身タイツの変態みてぇな魔神装するのに、魔皇かもわかんねぇなんて野郎は。」

あ、はいですよね。

でもそれ言わないでください、本人が一番気にしてます。

「ああ、でもてめぇ気付いてるか知らねぇけど、魔神装すると髪型変わってんぞ、お前。」

髪型が……変わってる?気が付かなかったな俺も。

でも、髪型変わる全身タイツの変態って需要あるのか?

本当にただの変態じゃないかよ俺。


×××


そして、世界は崩れ出す。

魔女によって……。

『時』属性の魔女、彼女は始まりに過ぎない。

終わりの始まり?

そんな在り来りなものじゃないよ。

これはまだ終わりとは程遠い、再醒の始まりだ。

再び目覚めてもらおう。

『闇』属性の魔女……、そして、魔神さん。


え?私が誰かって?いずれわかる。

いいや、わからなきゃならない。




だって私は………………なんだから。


彼女は微笑む、それは深い深い闇。


それは悪魔のような微笑みで。

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