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拘鎖の束縛者  作者: 宵闇崎タケル
第一章 入学編
6/6

教室にて

凄く短いです。

次は多分長めになります。

あれから約三十分、教室にぞろぞろと他の新入生が入って来て、クラス全員が自分の机に座り隣や前後の生徒と他愛ない雑談を始めた。


「さっきのどうだった?」「やっぱり強いよ〜、負けちゃった〜」「だよね〜」とか、「さっき先輩を倒した奴って誰?」「さあ?このクラスらしいけど名前までは知らないよ」「同じクラス!マジかよ!」など先程の模擬戦の話題で持ち切りだった。


俺の席は窓際の後ろから二番目で、早速寝ようとしたのだが、隣にいた女子が話しかけてきた。


「は、はじめ…まして。あ、あのっ…私、その、雪原文(せつはらあや)と言います。も、もし良かったら、お名前を教えて…くださいますか?」


とても引っ込み思案ぽい子だな…多分勇気を出して話しかけてきてくれたのだろう。無視して寝るなんてとてもできなかった。


「ああ、初めまして。俺は橘神樂。よろしく、雪原さん」


「あ…こ、こちらこそよろしくお願いします。…橘君」


お互いの自己紹介が終わり、上目遣いで雪原さんは俺の名前を呼んだ。見た感じだと俺よりも少し低いぐらいの身長で、黒いストレートロングはサラサラしていて撫で心地が良さそうな髪質だった。それに加えて頬が少し緩み、頬を染めていた。


(か、可愛い過ぎるんだが…天使かこの子!)


そのちょうど雪原さんが言い終えたタイミングで担任らしい先生が入って来た。


「おー、全員いるな…ダリィ、早く終わらせるか」


なんかかなりやる気が無さそうな男だなぁ。心配になって来たぞ。


「…あー、俺は今日からお前らの担任になった新崎賀津己(にいざきかつみ)だ。…頼むから問題は起こさないでくれよ、ダリィから」


この教師の口癖は「ダリィ」らしい。かなりの面倒臭がりみたいだな、本当に不安になって来た。


「心配すんなよ、仕事はちゃんとやるから…」


その言葉を信じていいのか…


「…はい、以上。HR終わり…詳しい話とかは明日するから、各自割り振られた寮に帰れよ…後ろに詳しく書いてあるから…後、くれぐれも四階には行くなよ」


一応四階の事を言うあたり仕事をちゃんとやるというのは本当らしい、わざわざ面倒臭がりの先生が言うぐらいだ、四階はそれ程危ないということがわかった。他の生徒もアリーナで説明を受けていたらしく、何人かが顔を強張らせていた。


「じゃ、気を付けて帰れよ〜」


そう言うと新崎先生は教室の前の方から出て行った。


「…さてと、寮の場所見て帰るか」


なんかもう色々と疲れたしな…そう思って椅子から腰を上げた時だった。


「やあ、一年生諸君。元気かな?」


明るい茶髪のポニーテールの女子が、教室を覗いていた。その顔を見た他のクラスメイトがざわつき始めた。


「あれって春川先輩じゃない」「本当だ!二学年十位の『焔界(えんかい)(つるぎ)』の春川巴先輩じゃん」「どうしてこのクラスに?」「先輩の話通り美人だなぁ…」「まさか俺が目当てで!」


いや違うだろ!!と最後の奴に心の中でツッコミを入れ、寮の割り当てを見て後ろのドアからソーッと出ようとした。


「逃げらると思った〜、…甘いよ橘少年!」


後ろから襟を掴まれて、あっという間に捕まった。


「何の用ですか春川先輩…早く帰りたいんですけど…」


「えー、酷いなぁ。学校案内するって言ったじゃん!」


確かにそんな事言ってたな、忘れてたけど。(ドヤ)


「…今日じゃなきゃダメっすか?」


「今日じゃなきゃダメ!!」


「グエッ!!」


言うが早いか、俺の襟を掴んだまま廊下に引きずって行った。


「離せ!自分で歩くからは〜な〜せ〜!!」


「ふーん、そんなこと言って逃げるつもりじゃ無いの〜?」


(チッ、お見通しか…)


「わかりましたよ…付いていけばいいんでしょ」


「よろしい。じゃあ私に続け〜!!」


テンションが高い春川先輩は駆け足で先に行き、俺は先輩のあとを渋々付いて行った。…引きずられたまま。

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