俺、誕生!
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」元気な赤ん坊の鳴き声が響き渡る、俺だ、いや別にわざとやってるんじゃないよ?
自然になってしまうのだから仕方ないじゃん
だって赤ちゃんだから!
ってな訳で、俺は無事に胎児から乳児へとなった
胎児の間もチャラ神と交信していたので退屈はしなかった。
「あなたの名前はユリウスよ」母上が言った
「名家アルスタイン家の跡取りに相応しいお名前ですね、奥様」メイドだろとおぼしき格好の女性というか女の子がそう言った
どうやら、転生した俺の名前は、
ユリウス・アルスタインらしい
通称、ユーリである。名前、前世と一緒じゃん…
そんなこんなで無事にユリウスとして生まれた俺は乳児ながら情報収集を始めた。
といっても観察をすることくらいしか乳児には
できないが(笑)
何日間の観察の結果、母上や父上には非常に愛されているのが伝わってくる。
どうやら俺はこの夫婦の初子であり、執事や
メイドといった使用人がいることから、それなりの地位の家に生まれたらしい
父の名前はライン、母はマリア
執事とおぼしき初老の男性はバルス
メイドはリアーナというらしい。
今のところ情報はこんなところだ。
「ユリウス、お前を爺さんを越える立派な剣術が使える騎士にしてみせるからな!」笑顔でラインが言う
強制力があるような言い方ではなく、自分の理想を優しく言っている感じである。
「ちょっと、あなた!ユーリちゃんはお祖父様のような偉大な魔導師になるのよ!」マリアが
あなたなにを言っているの!と言わんばかりに言った、こちらも言葉の根底にあるのは優しいものであるのがわかった。
つまり、二人とも親バカなのだ。
バルスとリアーナが二人の言い合いを聞いて微笑んでいる、実に平和だ。
こうして、ユリウス・アルスタインとしての人生が幕を開けた。