チャラ神様と僕
異世界に転生するにあたり、
いくつかの説明がつっきーこと月夜様よりあった
・現段階での俺の記憶と知識は引き継がれる
記憶というのは、つっきーの私室からのことであり、前世での記憶は失われたままである。
知識は頭の中に根付いた記憶とは少し違う部分に存在するらしく、前世で学んだことに対する知識はそのまま引き継がれる
・使命を帯びた転生ではないのでチートスキルや身体強化等の神様の加護は授かれない
魔王を倒す勇者、世界を救う英雄といった神からの使命では無いため特殊スキルやありがたい加護は無いとのこと
・転生先は魔法や剣・槍など前世で言うところのRPGのような世界である
これについても特殊スキルが無いため自分自身の努力で成長していく必要があるが、転生体がどのような身体特徴によるかで磨くものが変わるとのことだ
・月夜自身も異世界の存在となるため代わりの神との交信ができる
唯一の特殊スキルと言っても良い。
ただ、この神様はチャラいらしくあまり頼りにならないが、サポートキャラのような立ち位置での会話が可能であるらしい
そして、異世界では月夜も姿が変わるので外見での判断はできず、あくまでも転生先の世界の住人として俺が気づくまで接触をしてくるらしい
先入観等を除いて自分自身を好きになってもらいたいからと言われた
ただ、転生した俺を見つけるのに少し時間が掛かるらしい
・転生者であることは口外せず、その世界の住人として生きて欲しい
これは月夜の願いである。俺もそうしようと思っているので問題ない!
他にも何点かあったが割愛する。
そして転生のため月夜とは異世界で再び出逢うまでしばしのお別れだ
柔らかな光に包まれ、気づくと非常に居心地の良いというか、心身共に癒されるような空間にいた
「君が悠里くんだね、これからヨロシクっ!」
なにこのチャラい声?
「いきなりチャラいとか失礼だね~、さすがは月様を落としたお方とでもいったとこだね」
月様?恐らく、つっきーのことだろうな
ということは、この声の主がチャラ神?
「お、鋭いね~、僕がチャラい神様のチャラ神だよっ!」
そして、さっきから俺は言葉を発していないのに
会話が成り立っている
つまり、心の声で会話ができるのか?
これが交信ということなのだろう。
しかし、ここはどこなんだろうか?
「悠里くん理解が早くて助かるわ~、僕説明とか苦手っていうかめんどくさいんだよね~(笑)」
「あ、ちなみにここは悠里くんの異世界での母上のお腹のなかだよ、まぁ悠里くん今は胎児ってことだね」
普通、転生って生まれたとこからスタートじゃないの?
なぜに胎児からにしたんだ月夜さん!
あ、天然だからか…
「悠里くん、正っ解ぃ~」
こうして俺の異世界転生はスタートした
…胎児の状態で