仲間の動きにはヒントがある
「ランドルフさん?大丈夫ですか?」
ルナが固まっていたランドルフさんに問いかけた
「…あ、ああ、すまん、思考が追い付かなかった。ただの子供じゃないとは思っていたが、まさか魔人を圧倒するとはね…」
あれ?俺たち若干引かれてる?
「我々は神聖騎士・大賢者を筆頭に軍のトップクラスから指導を受けていたので運が良かっただけです。」
「そんな連中の訓練についていけるだけでもおかしいだろ!」
「あ、ランドルフさんがツッコんでる(笑)」
「フミちゃん、茶化したらダメだよ!」
「さすが空気の読めない女だな」
「ミリアルドもやめろよ!」
まったくこの犬猿コンビはすぐに喧嘩しようとするから困る。
「まぁ、魔人を一人で倒せるお前たちがゴブリンの巣に入っても問題ないか。最近は魔獣の動きが活発になっているし、お前たちが殲滅してきてくれると街の安全も高まるな!」
「殲滅はできるか分かりませんが、街の安全に役立つならやれることをやってきます。」
「討伐料も稼げるしね!」
こうして俺たちは森の中の洞窟、ゴブリンの巣穴に入ることにした。
~ゴブリンの巣穴前~
「みんな、準備はいいか?」
「大丈夫だよ、ゼクス」
俺たちは今、まさにゴブリンの巣穴に入る。
巣穴といっても中身は迷宮のようだ。
迷わないよう通った場所に剣で傷をつけ目印にすることにした。
幅も高さも十分な空間が広がっているが、連携訓練も兼ねて前衛と後衛の2列になり、進むことにした。
前衛は俺、ゼクス、フミ
後衛はミリアルドとルナだ。
基本的には前衛の3人が武器による攻撃でゴブリンを倒していく。
魔法の威力だと巣穴が崩れる可能性も考慮してだ。
ミリアルドとルナの技量ならそんなことはないが念のための策だ。
「光魔法って便利だねぇ」
「溢れる魔力を少し制御してるだけだから、魔力の消費もほとんどないよ。」
「その制御がハンパなく難しいんでしょ?」
「血の滲むような訓練が必要かな?(笑)」
「ユリウス君みたいな天才がやってもそんな大変ならワタシがやったら死んじゃうよ(笑)」
「でもフミの魔法の制御って凄い精密というか、繊細だよね?」
「慣れるまでは大変だったなぁ、同時に違う属性魔法を矢に纏わせるのは」
「クロスロードはおおざっぱに見えるが弓にしても近接戦にしてもかなり精密な動きだからな」
「殿下~、そんなに誉めないで」
「ユーリの光魔法は別として、Sクラスの中でもトータルバランスはクロスロードが一番よいと思うが?」
「確かにそうだね。フミの弓は中・遠距離に対応できるし近接戦もかなりの腕前だよね」
「殿下もユリウス君も持ち上げ過ぎ(笑)」
「仲間の凄いところを認めてるだけじゃん!
フミの戦い方からは学ぶものも多いしさ!」
「え、そうなの?」
「クロスロード、仲間の動きを見ていれば何かしら自分の実力を上げるヒントがあるかもしれんぞ」
「自分とは違うスタイルの人の動きって活かせることが多いんだよね。俺とゼクスの剣もカイルお祖父様から習ってるけど全く違うものだし、ゼクスとは良く話し合ってるんだどう動けば弱点を補えるとか隙を作れるとかね」
「二人とも天才なのに努力してるんだね。ワタシも頑張らないと!」
「ミリアルド君」
「なんだ?カミーノ」
「あの3人、普通に会話しながら何事もないようにゴブリンの軍団倒しながら進んでますね。」
「あの3人だからな」
「私たちの出番あるんですかね?」
「無さそうだな…」




