いざ、異世界へ
衝撃の死因からさらに衝撃の事実が!
はぁ、まさか死因がベッドからの転落死なんて…
黒歴史だ…
恥ずかしすぎるだろ、残念すぎて笑えない
いっそ殺して楽にしてくれ‼
あ、死んでるから無理か…
「なんか、ごめんなさい」なぜか、つっきーが
申し訳なさそうに謝る
やばいよ、死因が笑えなさ過ぎて、神様に気を遣わせちゃったよ、つっきーやめてー
逆に恥ずかしいよ…
「でも、逆に凄いですよね?なかなかできる死にかたじゃないというか、レア度が高いですよね!」
おいおいおい、つっきーが気を遣いすぎて
フォローし始めちゃったじゃん
もう死因は忘れよう、神様ですら気を遣う死因は
黒歴史という禁忌の闇に封印しておこう。
気持ちを切り替えたところで一つの疑問が浮かぶ
「つっきー、なんで俺は今ここに居るんだ?」
異世界へ転移ないしは転生し使命を与えられる訳でもなく、ただ、死んだだけの存在である俺が
神の私室にいる理由はなんなのか?
実は俺の死の瞬間をたまたま見たつっきーが
面白すぎてつい、召喚したとかか?
「それはですね、チャンスだからです!」
ん?何を言ってるの?この人は?
チャンスってなぁーに?
「私、ずっと悠里さんを観ていたんです!」
え、神様に監視されてたの?なんで?
「最初に悠里さんを見たのはたまたまなんです、私たち神の役目は担当する世界のバランスが歪められるのを防ぐとです、そして、ある日、たまたま悠里さんが視界に入りました。」
ほう、神様の仕事でたまたま俺が視界に入ったのか
「それで、私その瞬間に体が痺れるような感じがしたんです!」
え、なにそれ、生前の俺には俺を見た神様を痺れさせる特殊スキルでもあったの?
「そうです!」嘘でしょ?
「完全なる、一目惚れをしたんです!」
あー、やっぱりそんな特殊スキルないですよね
うん、よかったよかった…ん?
いまなんつったの?月夜さん?
神様に片想いされてたの?
「それから、毎日のように悠里さんを観て
んフフな生活でした、ただ、神は現世の存在に直接介入することは例外を除き許されません」
例外を除きということは、直接介入はないにしろ、なにかしらの形で介入し、世界のバランスを整えているのだろう。
そして、例外が発生した場合のみ実力をもって行使することが許されるのだろう。
「そんな時、悠里さんを例の不慮の事故が
襲いました」
例のとか、不慮のとかやめて‼もうそれ封印してきたから!黒歴史だから!
「でも、事故により悠里さんは現世の存在では亡くなりました!なのでこうして私の私室にお招きさせていただきました」
死んだ人間の魂は現世の存在ではないから直接介入しても問題はない、神の掟の穴を突いた訳だ
天然のくせにつっきー案外切れ者だな
「それは、なんというか、光栄ですね」
それが今の率直な感情だ。
神様に好きでしたと言われても現実味がないというか、内容が凄すぎて容量オーバーだ
「なので、お話させてください」
「話すだけで良いんですか?」
「それは、私だってきちんと段階を踏まえてのお付き合いとかしたいです!でも、この空間ではそんな甘いことは起きないですから」
確かに、なにもないただの白い空間では青春する気分にはなれないな
「そうだ!」つっきーが突然、閃きましたと言わんばかりの顔をする
「悠里さん、異世界に転生しましょう」
またこの神様は唐突に何を言うのだろうか
「私もいつか、悠里さんを転生させた世界に行きます、そして私と恋をしてください!」
は、はぁーっ?!あなたなにいってんの?
そりゃ確かにつっきーは可愛い、ただいきなり
私と恋をと言われても…
ただ、前世の自分の人物像を知り、もしチャンスがあるなら次は努力することを欠かさずに生きてみたいという感情が俺の頭の中に生まれていた
転生してやり直してみたいという感情だ。
「転生はしたいです」気づくと言っていた
「ただ、その世界で月夜様と恋ができるかは今の俺には答えられません」正直な気持ちを伝えた
「はい、大丈夫です、そこから先は私の努力次第だと考えていますので」笑顔でつっきーは答える
こうして俺は異世界に転生することになった