ガリア帝国について
「俺の名前はランドルフってんだ。よろしくな」
ランドルフさんに連れられて俺たちは移動していた。
彼の家は門の反対側に位置する居住区の中程にあるらしく、道中に街の案内をしてくれた。
リズベットの街はガリア帝国においての敗者と
呼ばれる国民によって成り立っており、
ガリアらしからぬ平等主義の街だ。
ただ、帝国から見た敗者の集まりであるこの街に貴族や権力者といった有力者は存在しない。
街に活気はあるものの、潤いは少ないようだ。
役所の前を通りかかると
「ほら、ここの掲示板に帝国や各街からの依頼が貼り付けてあるから手っ取り早く稼ぐならこまめにチェックしな」
この掲示板がアラムス王国とガリア帝国の違いとも言えるだろう。
アラムスでは魔獣の討伐や調査といった類いは
主に騎士団・魔導師団の管轄であり、依頼が
国から出ることはあり得ない。
もちろん腕試し等で魔獣討伐をする人もいるが
それは個人的な行動であり、国からの討伐報酬は出ない。まぁ売ることは可能だけど。
しかしガリアでは帝国兵団は帝王の私兵であり
国民の為の警護団ではないらしい。
そのため討伐や調査の依頼が多数あり、腕に
自信のあるものは豊かな暮らしができる。
まさに実力主義という訳だ。
「国民の為に働かずに何が帝国兵団か」
ゼクスは怒っていた。同じ国を統べる立場として、ガリア帝国のやり方は好かないみたいだ。
ゼクスも現国王のジークおじさんも
"国民あってこその国という組織"としており
国民を守り、豊かにすることが王族の仕事だと
いつも言っているが、ガリア帝国国民は"帝王の為の国民"として扱われている。
国民を敗者なんて呼び方する帝王だ、ろくなやつじゃないだろう。
しかし、今の俺たちにとって討伐依頼はどんな場所でも稼げるという大きな利点があった。
道中に倒した魔獣の討伐証明をもって次の街で
討伐報酬を受けとる。
効率よく旅を進められる。
まぁこの戦力だから成り立つのだろうけど。
修行にもなるだろうし良しとしよう!
「この討伐依頼は事前に許可は取らなくて良いんですか?」ランドルフさんにたずねると
「ああ、いらないよ。討伐証明できる部位を持ち帰れば討伐報酬はもらえる。」
「じゃあ一度に大量の魔獣を討伐しても問題なないんですか?」
「その方がありがたいくらいだな!なにせ魔獣だとかは俺たちが討伐しなきゃ帝国は何もしてくれねぇ、帝国兵団なんて名乗っているが、あんなのは帝王の護衛集団だ。アラムス王国のように王族が国民を守ってはくれない…」
国民が魔獣を討伐するか…
戦闘訓練を詰んだ兵団が動かずに
国民が自身で周囲の安全を確保する。
戦闘訓練などまなんでいない者立がだ。
腐ってるこの帝国は…
討伐依頼だけではなく、さまざまな店を紹介してもらい、俺たちは居住区にたどり着いた。
「ようこそ我が家へ。大したもてなしはできんが、部屋は余っているぜ。自分家と思ってくれて構わないぜ!」
俺たちはようやく落ち着いて休める空間にたどり着いた。




