ルナ騎士の実力
「来たぞ…」
ゼクスが言う。
「総員、戦闘用意っ!」
王都への最終防衛線である正門での戦闘が
始まろうとしていた。
俺は既に魔法を展開している。
後は放つだけだ。
魔人を引き付け光魔法を放つ
放った魔法は魔人に直撃し、爆風を発生させる。
光魔法は強大な威力をもつ為に自軍と相手が近すぎる場合には使用できない。
いや、今の俺にはまだそこまでの制御はできない。
だからこそこの一発が重要なんだ。
これでどれだけ数を減らせただろうか。
爆風が晴れて再び魔人達が見える。
先程の半数程度の魔人がだ。
俺の魔法により、魔人の半数は消滅した。
兵士は静かに歓喜の表情を浮かべる。
希望が見えてきた。
それに続きミリアルドも魔法を放つ。
燃え盛るような真っ赤な魔法だ。しかしそれは、
火でも炎でもない、ミリアルドのオリジナル魔法
"紅蓮"だ。
紅蓮の炎が魔人を包み灰にする。
魔人の数、残り250体
「遠距離が得意なのはワタシもよ!」
フミが負けじと弓を放つ。
各指に3本ずつ挟みこんだ計9本の矢は音速で
魔人を目掛け空を切り裂きながら飛んでいく。
矢が魔人に当たる、普通の矢では魔人に致命傷は与えられない。
しかしフミのそれは普通ではない。
魔法を纏った矢だ。
矢が魔人に当たると身体に刺さった矢の先端より
纏った魔法が身体の内部よりダメージを与える。
そんな強力な矢をフミは小さな身体に似合わない長弓から次々と放つ。
残り200体
飛散する矢により混乱した魔人たちをゼクスの
雷魔法が飛ぶ。
残り180体
魔人は初撃を放つ前にその数を3割までに減らしていた。
もっとも光魔法による攻撃により魔人の連携を崩せた事が今の優勢の要因だろう。
ゼクスの雷魔法により更に30体の魔人が倒れる。
残り150体
しかし魔人は数を減らしながらも着実に距離を詰める。
こうなると広範囲魔法は使用できなくなり
フミの矢も先程までの効力は期待できない。
近接戦闘が始まる。
10体の魔人が俺の方に仕掛けてくる。
俺はクラウドを鞘から抜き魔人に向かう。
魔人に飛び込んだ俺はクラウドを振る
"神速"を使い10体の魔人を一刀両断する。
刹那の出来事だ。
ゼクスも剣を抜き魔人へと向かう。
カイルお祖父様直伝の剣術は魔人に対しても
有効だ。
ミリアルドは近接魔法に切り替え状況に応じて
適切な魔法を放ち、確実に倒している。
フミは矢による攻撃から近接戦闘に切り替える。
フミの長弓は両端が鋭くなっており、斬撃もできる。
身体能力の高さを活用したアクロバットな動きで
次々と魔人を斬り刻む。
ランスロットは俺と同じく神速を用いて槍を振るう。
その姿は騎士のそれに相応しい。
槍の射程を活かし、魔人を近づけさせない。
ルナは俺の横にいた。
また、魔人が来る
「ルナ、下がっていて!」俺はルナを自分の後ろに下げる。ルナは攻撃魔法よりも治癒魔法を得意としているからだ。
「いいえ。私はユーリ君を支え守りたいのです。守られるだけの存在になりたくありません。」
ルナはそう言うと俺の前にでて
「私の大切なユーリ君を傷つけると言うなら、容赦はしません!例え相手が神だとしても…」
なんかルナが格好いいぞ、騎士みたいだ。
まさに、ルナ騎士だ!
そしてルナから放たれた魔法は音もなく魔人に命中し倒す。
まるで、弾丸のようだ。
「私、よく誤解されるんです。治癒魔法が得意だから攻撃魔法が苦手だって。」
え?違うの?
「傷つけることが嫌いなだけで、攻撃魔法もちゃんと使えるんです。大切な人を守る為ならこの力を喜んで使いますよ。特にユーリ君を守る為なら為なら!私はルナ騎士ですからね」
ルナさんカッケー!
惚れてしまいそうだ。
もう惚れているけどさ!
ルナの弾丸のような魔法は魔人を圧倒した。
ルナ騎士様が本気だしたら、俺らの中で最強なんじゃないか?
魔人の数、残り70体




