決闘開始
各々の自己紹介もままならぬままSクラスの面々は中央グラウンドへと移動していた。
上級生、下級生かかわらず彼らの進路に塞がる者はいない。
彼らがSクラスだからだ。
アラムス学園に置いてSクラスとは特別である
それこそ学園内では王族のような待遇だ。
そんな学園の王が歩いているのを避けない者がいるだろうか?
一人なら気づかないかもしれない。
王が6人揃って歩いているのだ。
嫌でも目に入ってしまう。
Aクラスの生徒の中には嫉妬の目で見るものもいたが彼らは自分と学園の王たる6人の差がどれだけ離れているのか気づくことができないAクラスの下位である。
その他の生徒は、尊敬と憧れであろう。
どこから聴いたのか知らないが、俺とミリアルドが決闘するという情報はすぐさま学園内に広まっていた。
俺たちがグラウンドに到着する頃には観衆が出来上がっていた。
教師陣も一緒にだ。
"Sクラス"その肩書きが意味すること、それは、疑う余地のない天才であるということ。
また、実力も国内有数の者に至るということだ。
その中でも天才と呼ばれるユリウスとミリアルドの従兄弟対決となれば盛り上がり必須だ。
急な決闘であったため、木剣などの模擬戦用の武器はない。
よって魔法と体術のみの決闘だ。
ミリアルドには勝算があった。
ユリウスの言葉により冷静さを取り戻したのだ。
自然とユリウスへの憎しみも消えており、ただ彼の実力を知りたいと思ったのだ。
しかし、ユリウスはハイネも認める天才だ。
そんな天才と自分が決闘をすれば当然、不利なのは分かっている。
ミリアルドには魔法という他を大きく上回る才能がある。しかし、ユリウスにはそこに剣術の才能も加わる。
普通に考えれば勝てない戦いだ。
だが、今のユリウスには剣術を使おうにも獲物がない。
となれば、魔法での決闘になる。
ミリアルドはそこに勝機を見いだしている。
一撃必殺だ。
ユリウス同様にミリアルドも無詠唱を使う。
魔法の展開速度に置いてはハイネも認めている。
そう、ユリウス以上だと。
であればミリアルドの戦法は一つだ。
最速の魔法を展開させユリウスに放つ。
威力は最低のもので良い、何よりも重要なのはユリウスより先に魔法を展開させることだ。
それにこれは決闘だ。必要以上の威力は必要ない。
自然とこれらはミリアルドに落ち着きを与えていた。
展開速度であればユリウスより速いと認められているからだ。
一発目の魔法の展開速度が速い方が勝つであろう。
自分が最速で撃てる魔法を展開させるだけだ。
もし、最初の一撃で決まらなければ撃ち合いになる。すれば、自分の不利は明確だ。
審判はゼクスが務めることになった。
ユリウス、ミリアルドともに準備は整っている
あとは開始の合図を待つだけだ。
「では、開始っ!」
ゼクスの合図と同時に両者が魔法を展開させる。
両者共に雷魔法を使用するつもりだ。
ユリウスは光魔法を使用するつもりはない。
圧倒的すぎる有用さのためだ。決闘向きではない。
その、光魔法を使いこなせるのもユリウス自身の努力の結果だが。
ともかく、そうなれば展開速度が、一番速いのは雷だ。
そう、ユリウスもミリアルドと同じ考えだったのだ。




