決闘の理由
「え、やだよ」
ユリウスの発した言葉はミリアルドの勢いを
殺すに十分だった。
「逃げるのか!ユリウス・アルスタイン!」
「僕と君には決闘する理由がないし」
「それは、アルスタインとラインハルトのどちらが優れているかをはっきりさせるためだ」
「それは、君が勝手に言ってるだけの理由だろ?僕には決闘する理由にならないよ」
「両家が望んでいることだぞ!」
ミリアルドはそう思ってたよいた。
アルスタインとラインハルトどちらが優れているのかをはっきりさせることを誰もが望んでいると
「それは誰が言ったの?」
誰が言っただと?誰も言わないがみんなが望んでいることなのだ。
アルスタイン家の者はそんなことすらわからないのか
ミリアルドは半ば呆れていた、アルスタインは誰もが思っていることも理解できないのかと。
「逃げる言い訳ばかりするな!」
ミリアルドは怒りを露にする。
ユリウスを倒し、自分が一番になるために。
「言い訳なんてしてない!君の言い分が間違っているだけだろ?」
俺が間違っているだと?
「アルスタインとラインハルトのどちらが優れているかを決めるなんて誰も望んでない!」
こいつは何を言っている?
「僕は今までそんなことを聞いたこともない!
アルスタインの家でも王宮でも、ハイネお祖父様からも誰からも聞いたことないよ」
それは、言うまでもないことだからだろうが!
アルスタインの者はこれほどまで馬鹿なのか
「それに、僕たちが決闘したところで何もわからないじゃないか」
こいつは本当に何を言っているんだ?
勝った方の血筋が強いと証明できるではないか
「長い歴史をもつ両家の実力がたかだか僕らみたいな学生二人の決闘で分かるの?
少なくともアルスタインの力の全てを表せる程の力はまだ僕にはないし、たった一回の決闘で決めていいほど簡単な問題でもないだろ?」
そうか、間違っていたのは俺だったのだ。
ユリウスに勝ちお祖父様の一番になりたいと思うがあまり、アルスタインとラインハルトの名を使い、闘う理由を作り出していただけだったのか。
なにが、アルスタインの者は理解がないだ…
なにも分かっていないのは俺じゃないか…
ユリウスの主張はもっともだった。
ユリウスとミリアルドが決闘し、どちらの血筋が優れているかのど分かるはずもなければ、両家にそれを望む人間もいない。
民衆ですらそうだろう。
彼らは話題として、アルスタインとラインハルトのどちらが優れているかを議論する。
結果がでないため長い年月をかけても尽きることのない話題なのだ。
話題は尽きないから楽しい。
アルスタインとラインハルトどちらが強いかは
さして重要ではないのだ。
無限の可能性があるからこそ楽しい訳で誰も答えは望んでいない。
ミリアルドは全てを悟った。
「では、単に俺とお前のどちらが優れているかを決める決闘であれば良いのか?」
「クラスメイトとして実力を示すのは構わないよ」
「ユリウス、俺と決闘をしてくれ、クラスメイトとしてだ!」
「いいよ!」
こうして二人の決闘が行われることが決定した。
アルスタインもラインハルトも関係ない。
"神童"ユリウス対"天才"ミリアルドのただの
実力のぶつけ合いだ。




