表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

NAKAMA ATSUME

まだエタってませんよ〜


 握り潰したマ王の心臓はそのまま放り出した。多分これで生きているやつは居ないはず。念に脳も潰しておく。


 さて、


 「大丈夫か?」

 俺は生まれて初めて会う現実の美少女に声を掛けた。そう、夢にまで見たケモミミ人である!しかも完璧に俺の好みだ。俺より一頭分身長が低く、体のプロポーションや顔は完璧。何より大事な耳。くせのある短い灰色の髪の上そびえ立つ大きな耳は理想の狼耳であった。てっぺんが完璧な40度、外側はまっすぐで中側わかりづらい程度のカーブ。耳の中もフサフサしてて大変よろしい。やばい。興奮のあまり鼻血出そう。何とか自制した。


 18号と呼ばれたその子はただただあんぐりと俺を見つめていた。目は白濁りがあって見えてなさそうなのに。ってそりゃそうか、強姦魔をさらっと殺したやつだからな、俺。感情が状況に追いついていないんだろう。


 「おーい、ってありゃ?」


 ちょっと距離を縮めて肩でも揺すろうとして失敗した。倒れてしまった。

そういえば4日間もヤラレっぱなしで体中痛い。特に腰と尻が焼けるように痛い。体中イカ臭い。しかも今まっ裸である。今マ王を倒した勇者様(笑)は現在この場を離れないと兵に見つかって殺されるのに。痛い。体も精神も状況も痛い。しかし俺が倒れるのを見た美少女さんは何故か噴き出した。


 「あーっと、回復魔術とか使える?」

正直どうにか俺が体を回復しないと二人とも積む。だめ元で聞いてみた。

すると笑顔で頷いて自分に巻き付いてる手と足の錠に指差した。解放しろの意思表示だろう。

 「はいはい」

『弱化』を使って錠を液状にしてやった。『通過』を使っても良かったんだが魔力は逃走の為に残しておきたい。生きているのなら爺と愚妹も助けないと。

 

 考えているうちに解放された子が左手から淡い光を放出して俺の腰に手を当てた。するとみるみる痛みが引いていった。わお、ふぁんたしー。違う動作を右手でするとイカ臭いのが消えた。清楚の術、かな。ズボンも渡してくれた。履いておく。


 「ありがとう、助かった。」

礼を言うと顔を赤らめながら胸を張った。ついでに揺れた。何がとはあえて言わない。


 「なんで喋らないんだ?」

そう俺が言うとなぜか顔に影が一瞬見えた。無言で彼女は口を開けた。


 「うわ、」根元から舌が切られてる。酷い。こんな可愛い子にこれが許される現状が間違っている。俺はすぐ決心した。


 「それを直しにここから出ようか。」俺は、手を差し出した。

するとはにかみながら彼女は俺の手を取って部屋から引きずり出した。


 「お、お、お?」

結構力持ちなんですね。てかその目、本当は見えてる?俺の知らない通路をスイスイ歩いて警備に気付かれる前に光の魔術で倒している。魔術の威力もハンパない。光自体は鈍いのに確実に相手の喉を貫通している。わーお。レーザーすごい。


 少し歩いてからたどり着いた場所は武器庫だった。剣、日本刀、斧、槍、ハンマー、杖などが置かれていた。なるほど、さすがに丸腰でここから出るのは難しそうだ。それに何かこの城からいい物を取らなければ気が済まない。小さい?やかましい。


 彼女は迷いなくYの字をした杖と洋風薙刀のグレイブを選んだ。俺はどれにしよう。斧やメイスは動きが遅いのが嫌だから除外。槍と杖はスキルを使う上では何か違う。となると剣か刀かな。そして個人的に両刃より片刃が好きだ。


 「よし、これだ。」

選んだのは湾曲した刀身を持つクリーグメッサーを選んだ。軽いし、柄も洋風なT字なのがいい。適当な鞘を見つけて嵌めておく。本当はここ全部の武器を盗むなり破壊するなどしたいが時間がない。スピーディーな脱出が今の最善策である。


 もっとも、爺と妹の無事を確認する気満々の俺が言えたことでもないけど。


***


 「異世界人をどこに閉じ込めた!」

 

 「貴様のような下族に話すことなどない!」

おっす、おら健太郎!現在捕まえた衛兵を尋問している!冗談はさておき、どうやってあいつらの居場所を吐かせようか。


 「言え、さもないとこの剣でお前の粗チ(ピー)をバナナのように剥くぞ!」

 

「イ、イース城だ!ほとんど奴隷はそこに転送された!」

なかなか素直になったな。そんなに怖いか?今の脅し。


 「で、ほとんどと言ったのは?」剣を兵の股の間に置いた。


 「ヒ、じ、十人ほど訓練中に死亡した。一人の女は再生能力買われて貴族の遊び道具になってる。もう一人は強すぎて転送できてない。他に知っていることはない!本当だ!」


 「女は?」少しずつ剣をち(ピー)に近づける。


 「会場で貴族たちに遊ばれている!」拷問されているの間違いじゃないか?


 「強すぎたやつは?」


 「まだ牢屋だ!も、もういいだろう、やめてくれ!」


 「ああ、もう十分だ。」そう言って俺は兵を真っ二つにした。さっきから四人ほど同じ尋問をしたが、答えは似たような物だった。できれば気絶させてやりたかったが、漫画のように頭を強く打てば気絶してくれるわけではない。いや、実際できるんだろうけど、俺にはそんな高等技術は使えん。結局殺さなければ援軍を呼んでくる可能性を捨てきれない。ついでに死体は彼女が片付けている。どうやってかは知らないが一瞬で消える。どうでもいいけど『消える死体』だけ言うと何かの怪談っぽい。


 「牢屋と会場、近いのはどっちだ?」彼女に聞いた。

彼女は指一本上げた。牢屋か?


 「牢屋?」

彼女は頷いた。慣れてきたな、この子の手話にも。


 「案内よろしく。」

そう言って彼女は小走りしながら誘導してくれる。ありがたい。

それにしても何故俺らは脱出を優先せず異世界人の確保なんぞのために働いているかというと、要は戦闘要員集めである。ここは城。つまりここには精鋭兵がいるはず。そいつらにすら叶わない異世界人がいるなら今後のためにも味方に引き痩せる必要がある。転送されてしまったら無理やりでも従わせる方法でもあるのだろう。精神魔術か何かで。でないと転送の意味があまりない。なるべく敵は弱い方がいい。ぶっちゃけ我流の俺に剣を教えられる人が一番いい。今は相手が俺の能力に驚いている隙に斬り伏せているだけだ。この世界、どこまでそれが通用するかわからない。早急に腕をあげる必要がある。


 「オオおおおおオオオオオアアアアア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア!!」


 自分の頭の中でモノログっている間に牢屋についた。かすかに人間の物と分かる野太い叫び声が聞こえる。声が枯れているのか、野獣じみてる。


 「お前たち、何ぎゃ!」

やかましい牢番二人を斬り伏せて牢に入る。左右三つの部屋があり、どうやら強いやつ(ちなみに話しでは赤髪の青年、男)は一番右奥いるみたいだ。何気なく顔を確認する。


 「ってこいつは!」 

なんでまた知り合いなんだよ!


 鉄棒をすり抜けて未だに叫んでいるそいつを思い切り鳩尾に殴った。


 「ア”ア”アッ!?」


 「正気に戻れ、アホが!」

念のために顎にも一発決める。


 がくん!


 あ。


 やりすぎた。


***


 遥原陽己。


名前がベースを振り回す某宇宙人を連想させること意外は普通の高校生であり、俺のダチでもある。性格というか人物像を一言で表すと鈍感系ハーレム野郎。こいつはとにかくモテる。意味もなくモテる。それを羨ましく思われ同性の友達が俺しかいない。俺はケモミミ人にしか興味がないが、こいつと俺が何故友達かと言うと男女別の行動でこいつを避けないのは俺だけだったからである。逆に言うと俺しか同性の友達ができないでいる。しかし幼女から熟女、老婆までたらし込み、無自覚にも友達付き合いしながら暮らしている。こいつの無自覚の所為で起こった災害は星の数ほどあり、大抵は俺が物理的に止めるか陽己が説得と言う名の口説きで事なきを得ている。繊細な黒髪、細い体、アイドル負けの中性的な顔は本当にファンが多く、同性愛好者が出るほどである。


 そんな奴が赤髪なって白目剥きながら雄叫びを上げていたらそりゃ力加減の一つも間違える。


 「う…ううう」


 「お、気がついた。」

強く殴りすぎたかな。一応彼女に直してもらったが。


 「って健太郎か?ここは?」


 「落ち着け?どこまで覚えている?」


 「異世界召喚されて無理やり奴隷にされてここの魔獣とかの知識、魔法の知識を叩き込まれて、訓練と言う名の死合をさせられて、それで、それで」


 「そこで記憶が飛んだのか。」他にも突っ込みたいところがあるがこの際流そう。時間もない。


 「ああ。」


 「大変な目にあったみたいだな。」


 「そうだね。あ、アザレアさんも。」


へえ、彼女の名前はアザレアなのか。覚えておこう。

彼女は無言で頷き、グレイブを陽乙に手渡した。こいつの武器なのか。


 「ああ、ありがとう。」


 「アザレアとは前にも会った事があるのか?」

もしや彼女、陽乙の魔の手に?


 「一度だけ。オレ達の前で無理やりあの王に舌を切られた所をな。何故かそれが試合開始の合図になった。」

 

 「うわ」どんな合図だそれ。


 「訓練したって事は戦えるのか?」


 「一応。能力に武技無双ってスキルがある。」

おい、いきなりチートかよ。俺も人の事言えたわけでもないが。


 「健太郎は?」


 「スキルは、あります!」


 「ぷっ、ちょ、今そのネタやりたかっただけじゃない?」


 「いや、実際どう説明したらいいかわからん能力をもらってな。」


 「まあ、ケンカなら大丈夫か。健太郎だしね。」

なんだそれ。


 「それより再生能力付きの女が拷問されているらしいが心当たりはないか?」


 「あ、そうだった!早くしないと楓ねぇが!」

ち、愚妹じゃないのか、囚われているのは。


 「で、その楓って人は?」

こいつの女知人なんか全部把握できているわけじゃない。多すぎる。


 「話しただろう?小さい頃からお世話になった人!」

ああ、そういえばそんな話したな。確か面倒見が良くて俺らより5歳年上だっけ。


 「とにかく再生能力付きの女なら楓ねぇしかいない!」

ふむ。

  

 「その人にアザレアの治療ができるのか?」


 「多分。楓ねぇ、錬金術のスキル持ってたから。」

ってことは回復ポーションとか作れるのかな。一応助ける価値はありっと。


 よし、


 「とりあえずここから出て楓さんを助けよう。」


会話に違和感しかない。日常的に日本語しゃべらないとこうもうまくいかないのか。

コメント欄でできれば治し方、あるいは違和感の指摘をしてくださると大変助かります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ